第40話 繭の解法
銃夜とフリーデンで繭状態のユキヒメを担いでアイリスの元へ持って行く。
場所はいつも通り、ロワ区の冒険者ギルド。
担いで運んでいる時、別の冒険者や一般市民達にめちゃくちゃ冷たい視線を送られて死ぬかと思ったが、ギリギリ生き残ることができた。
今頃、変な噂はたってないといいが。
「来たか」
まるで、この状況が見透かされているようにアイリスは言う。
続けて、
「一度、私のラボに来るといい」
行くついでに受付嬢に、討伐報酬を貰い、アイリスに連れられるままラボとやらに足を運んだ。
ちなみにラボはダガー区にあるので結構遠い。
またしても冷たい視線で心が破壊される。
ラボはラボというだけあってまるで、学校の化学室のようだった。
色々な実験器具がガラスケースに敷き詰まっていて、部屋の中心には大きなテーブルがある。
そのテーブルの上には数々のレポート用紙と、ポーションのような小瓶が一つ置いてあった。
小瓶の中身は黄色の液体が入っている。
「アイリスさん、これなんです?」
フリーデンは眼鏡をクイッとして興味津々のようだ。
「こうなることは既に予想していた。クエスト用紙を見た瞬間、絶対繭状態で帰って来ると思ってたもん!」
アイリスは両手を腰に当てて言う。
その姿は身長も相まって、まるで、幼稚園児のように見えた。
「そうなんだよ。この繭めちゃくちゃ固くて壊せないんだよ」
銃夜はそんな幼稚園児に頼み込む。
「こうなることはある程度予想していた。だが、お前らクエストクリアするの早くないか?念の為、3つ作ろうとしたけど、よかったよ1つですんで」
「俺にかかれば」
キラン
「無駄に輝かせんなし」
「それで、アイリスさんこの繭を破壊するにはこの黄色ポーションが必要なのですか?」
「うん、そうだね。これを、繭にぶっかければ溶けていくよ」
「そうなんですね。では、早速やってみましょう!」
だが、アイリスは「ちょっとその前に」と、躊躇した。
「どうした?何か問題発生か?」
「まー、問題っちゃ問題。このポーションかけると、ユキヒメの服も溶けてしまうからジューヤは少し外へ出てて」
ヒョイと、銃夜はラボの外へ放り出される。
(一体、俺はなぜラボに呼ばれたんだ?)
「さ、早くやっちゃってください。アイリスさん。ジューヤさんはいなくなりましたよ」
「まぁ、そう慌てるな」
アイリスはポーションを開けて、ゆっくりと繭に流し込む。
すると、真っ白い繭はまるで、魔法にでもかかったように徐々に溶けていく。
みるみる中の様子がわかってきた。
「じ、ジューヤぁぁぁ!!!!」
と、叫びながら素っ裸で自分の体を弄っていたユキヒメが現れた。
この瞬間アイリスと、フリーデンは思い出す。
((媚薬めっちゃ効果あんじゃん))
以降、アイリスが媚薬を製造するのを止めた。
いつもクールなイメージのユキヒメをこんな姿にしたのはかなりの重罪である。
二人は見なかったことにしてすぐに、媚薬の中和剤を作ってやることにした。
そして、少しの間、3人の間で気まずい空気が流れていた。
銃夜はそのことを知らないし、知る由もなかった。
あけおめ!!




