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第36話 媚薬の効果

「全く何をやっとるんだっ!!このバカ息子っ!!!」


 そういう怒鳴り声が王宮を包んだ。

 とてつもない激怒。それは、語尾に『ニャン』を忘れるぐらいのもの。

 怒鳴っているのはアインハイトの王であるランバート・アンベールだ。


 怒られているのはその息子、イグニス・アンベールだ。


「力量なんかを測るためにジューヤさんを傷つけるんじゃあないっ!!!!!ジューヤさんはアインハイトを守ってくださったんだぞっ!!!!!」


 銃夜は「まぁまぁ」と、その場を収めようとする。


 それから、銃夜はランバートから慰謝料を無理やり受け取らせられ、数日が経っても再び魔王軍からアインハイトへの侵略がなかったため、ヘリルスに戻ることにした。


「いやージューヤさん達にはなんとお礼を言ったら良いか」


 などと、ランバートは銃夜達を褒め殺す。


 そして、銃夜達は無事、ヘリルスに戻り、ロワ区の冒険者ギルドでアイリスにアインハイトでの出来事を共有した。


「そんなことが……」


 と、アイリスはつぶやく。


「まさか、ゲミュートが銃夜達をはめたとはね」


「ほっっっとゲミュートはいつか、しばく」


「そうですね!ユキヒメさんが言っていた通り後々行われる四対四で決着をつけるのがいいと思います!その時は頑張らせてもらいます!」


「それはともかく、ジューヤ、猫耳はたのしかったかよっ!!」


 と、銃夜はなぜかアイリスに頭突きを食らう。


 すると、フリーデンがアイリスに乗っかるように、

「ジューヤさん、ずっと執事のトーマスさんの耳をわさわさしてましたっ!ですよね、ユキヒメさん!」


「そうでありんすな〜ずっとデレデレしていたでござんす」


「いいだろ!別に!普段さわれないんだしっ!」


「……さない」


 突然、アイリスが何かを口にする。


「え?」


「ゆるさないっ!!!」


「は?」


 アイリスは銃夜の頭に飛び乗り、髪の毛にしがみつき、

「ああああああああ、私のジューヤなのにっ!!!!」


 と、発狂した。


「いってっ!!おい、髪の毛ひっぱるなぁぁぁぁぁ!!!」


 すると、アイリスは背中から赤色の液体が入った小瓶を出す。

 何かのポーションのようだ。


「これはなぁ!媚薬といったな!いわゆる惚れ薬だ!!てめぇらがアインハイトに行ってる間に作ってやった!!」


 普段より口調が荒い。


「ち、ちょっとアイリスさんその媚薬とやらをどうするおつもりで?」


「あ、アイリスさんズルいです!」


 フリーデンがその小瓶をアイリスから取り上げようとする。

 さらに、揺れる。


「ゆ、ユキヒメさん!!これこいつら止めてくれぇぇぇ!!」


「いやでありんす」


 ユキヒメは全く興味がなさそうに自分の爪をいじっている。


「は?!」


「めんどい―――から」


「ふ、ふざけんなっ!!こらっ!!」


 銃夜の頭の上に乗っていたアイリスがフリーデンの邪魔によってバランスを崩した。


「あっこら!あぶなっ!」


 次の瞬間、そのポーションをアイリスは手から落としてしまい、そのままその赤い液体がユキヒメの頭にぶっかかる。


「あっ、す、すまんユキヒメ。ちょっと手が滑ってしまって……」


 アイリスは申し訳なさそうに謝罪する。


 しかし、

「ああ、妾はなんともないでありんすが……一つ、タオルを取ってくんなまし」

 ユキヒメはなにごともなかったかのような振る舞いを見せた。


「あ、アイリスさん騙しましたねっ!媚薬なんて嘘じゃないですか!!」


 アイリスは頭を悩ませながら、

「そんなはずなないと思うんだが」


「でも、見ての通り、ユキヒメさんはなんともなさそうですよ!」


「うーん何か失敗したのかなー?」


 と、考えながら、アイリスはその場を離れた。


「もう、いいです!」


 と、フリーデンは何事もなかったかのように目の前にあるお茶をすする。


 だが、実際、その媚薬の効果は絶大で、現在のユキヒメは目の前にいるオスつまり、銃夜の事で頭がいっぱいになっていた。


(な、なにこれ……なにこの気持ち……)


 ユキヒメは今まで体験したことのない感情に襲われていた。


(なんか、体が熱くなって、心臓の鼓動が近い……じんじんする……)


 それは、


(こ、この気持ちは……?)


 “恋心”そして、“興奮”であった。


 そんなユキヒメに銃夜は話かける。


「あ、あのーユキヒメさん?本当に大丈夫?なんか顔赤くなっているのですが……?」


 銃夜に話しかけられてユキヒメの顔はみるみる赤くなっていく。


「死ねぇぇぇぇぇ!!!!」


 ユキヒメは銃夜に見つめられ、思わず、氷魔法を発動させた。

 魔法陣から、ブリザードが出現。銃夜を凍らせる。


 そして、辺りにも、その影響が発生した。

 どんどん冷房がつけられたように寒くなってくる。


 しかし、ユキヒメの顔は相変わらず赤いままだ。


 そんな時、一時的にその場を離れていたアイリスが一枚の紙を持って戻って来た。


「げっ……ユキヒメなにしてんの?」


「な、な、な、な、な、なにも」


 酷く焦っている。


「そう?まぁ、いいわ。さっさとジューヤとフリーデンの氷を溶かしてあげなさい」


 そして、氷魔法は解除され、銃夜と、フリーデンは元に戻る。


「びっくりしたぁ!なんだよ、いきなりっ!」


 ユキヒメは銃夜の顔から目を背ける。


 そして、アイリスは銃夜とユキヒメ、フリーデンに新たなクエストを用意してきた。


「はい、ジューヤ、新たにA+のクエストを見つけてきたよ。さっさと受注しないと、他の冒険者に取られるかも」


「ああ、そうだな」


 と、銃夜はアイリスからクエスト用意を受け取る。


「よし!じゃあユキヒメ、フリーデン。最後だ!行くぞ!」


(え、妾、この状態のままクエスト行くのぉぉぉ!!?)


 さらに、顔が赤くなっていた。


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