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第35話 イグニスという男

「そういえば名前を聞いていなかったな」


 銃夜は男にそう問う。


「イグニスだ」


 と言うと同時に背中から刀を二本取り出した。

 その刀はどちらも日本刀のようだ。

 そして、銃夜に向かって突進してきた。


 銃夜はエターナルライフル(マシンガン)でその突進を阻止しようとイグニスに乱射する。


 しかし、イグニスは二本の刀を振り回して弾丸を弾いていく。


(嘘だろ……!!どうなってやがる……?こっちは弾速強化、絶対命中を発動しているのに……どうして……奴はこれを弾き返せるんだ……?)


「おい、この程度かよ?」


 イグニスは刀を振るうのを中止した。


(デュラハンとの戦闘で魔力はほとんど残ってねぇ)


「次はこっちの番だっ!!」


 イグニスは一本の刀を銃夜に向かって投げる。


(バカか…こいつ…こっちにはスキル神回避がある。あたるはずが……?)


 もちろん、投げられた一本の刀をギリギリでオート回避することができた。


 しかし、回避した直後もう一方の刀で銃夜の左腕に斬撃を与えた。


(なにっ!投げた刀はブラフっ!!スキルは連続で発動できないっ!!!!)


 銃夜は斬撃を受けた左腕をかばいながら、後に後退する。

 そして、イグニスは投げた刀を拾い上げる。


「はぁはぁはぁ……やるな……」


「なんだ…デュラハンとかいう奴を倒したってのは嘘だったんだな。こんな弱いやつが魔王幹部なんか倒せるわけがない」


「ふっ言ってろ」


 銃夜はエターナルライフルをアサルトライフルにする。


(しかし、なんだ……?さっきっから感じてる違和感は……?)


 そして、その違和感を探るべく銃夜はイグニスにはバレないように鑑定スキルを発動させる。


【名前】 イグニス

【年齢】 25

【種族】 猫人族

【性別】 男

【レベル】 289

【装備】 白繻子切しろしゅすぎり

【称号】 剣術の達人

【攻撃力】 692

【防御力】 580

【魔力】 300

【スキル】 第六感アナザーアビリティ

【武器スキル】 剣術、二刀流術、双剣術、連斬術


(そうだった〜第六感アナザーアビリティがあるんだった〜そりゃ攻撃当たんないわ)


 イグニスは白繻子切しろしゅすぎりを構え、「次で終わらす」と言って銃夜に余命宣告をする。


 すると、白繻子切しろしゅすぎりは真っ白いオーラを纏い始め、

「神速、重凶斬ヴァルキリーアタックっ!!!!!」


(速いっ!!!)


 銃夜のスキル神回避は攻撃をギリギリの所でオート回避するというもの。


 そして、銃夜のスキルにより、ギリギリで回避することができた。


 しかし、イグニスはそれを既に第六感アナザーアビリティで読んでいた。

 一方の刀で攻撃した瞬間、もう一方の刀で回避した後の銃夜を高速で追撃する。

 超速で放たれる斬撃は銃夜の腹を貫いた。


「がはっ!!」


「やはり、デュラハンを倒したのは嘘だったようだな。すまない、噂違いで傷つけてしまって」


 と、横になった銃夜を見下ろしながら言う。

 だが、銃夜は笑っていた。


「ん?何がおかしい?」


「まだ、終わらないっ!」


 銃夜はパチンッと指パッチンをした。


 すると、イグニスの後方から無数の弾丸が飛んできた。


「バカなっ!!」


 イグニスは何か思い出したように、

「はっ、あの時っ」


「そうだ。始めに放った弾丸をお前はその刀で弾いていたようだが逆だ。わざとだよ、わざと弾かせたんだ。そして、弾かれた弾丸は俺のスキル、弾丸操作によって操らせてもらったっ!!!イグニス、一ついいことを教えてやるよ。勝負ってのは戦う前から勝ってるもんだぜっ!!!」


 その弾丸により、イグニスの体には無数の穴が空いた。

 その穴から大量の血が吹き出す。


「がはっ、まだ、俺は、終わら、ない」


 バタッとイグニスは前のめりに倒れる。


 銃夜はアイテムボックスから回復薬を取り出す。

 回復薬は緑色の液体で小さい瓶に入っている。


 それを飲むと体中が緑に光り、刀が貫通していた腹がどんどん塞がっていく。

 やがて、傷だけでなく、体力までも回復した。


 銃夜はイグニスの上半身を起こして、回復薬をイグニスに飲ませた。


「ごくごく……」


 すると、イグニスの体は銃夜同様に緑色に光り始め、傷穴がどんどん塞がっていく。


 しばらくすると、イグニスは目を開ける。


「すまない……」


 一言銃夜に告げる。


「ていうか、なんで俺のことを知ろうとした?本当にただ力量を測るためか?」


「結論から言おう、俺はこの国の王、ランバートの息子だっ!!!!」


「いやいや、さっき結論を言えといったけど、結論すぎるだろ!!なんだ、それ、理由に直結する結論言えってことだよ!!」


 少し気まずい空気が流れた。

 その気まずい空気を切り裂くべく銃夜は次の問いをイグニスに問いかけた。


「で、ランバートの息子がなんだって?」


「そ、そう、俺はランバートの息子なんだっ!!」


「さっき聞いた。それがなんだよ」


「ああ、だから、ヘリルスが父に嘘をついていると思ったからだ。普通に考えてたった3人であの軍勢を倒せるわけないだろうと。俺も第六感アナザーアビリティでその脅威を知っていたし、信じられなかった。今現在目の前で酔いつぶれている貴様達が魔王軍幹部に勝ったことを」


「なんだよ。そんなことかよ」


「そんなこと?違う。俺はアインハイトの王子かつ最強の男だぞ。その俺はデュラハンの存在にびびっちまったんだ。本来俺がデュラハンをやるべきなのに……だから、びびってわざと帰るのを遅らせた。本当に情けないと思っているよ」


「いいんだよ。ヘリルスとアインハイトは協力同盟を結んでいるんだ。対等なやつな。だからさ、助け合いなんだよ。お前の第六感アナザーアビリティで危機を察知そんで、ヘリルスの俺達がその脅威を排除する。その関係はどちらかが欠けてはいけないんだ。だから、いいんだよ」


「ありがとう。ジューヤ」


 イグニスはその場で地面に顔を隠して涙を流した。

 が、銃夜にはその涙は見えなかった。




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