表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/113

第27話 暇

 皇銃夜はロワ区の冒険者ギルド内にある円卓に座っている。

 円卓には、フリーデン、ユキヒメ、アイリスも同席している。

 そんな中、一向にA+以上のクエストがボードに貼られず暇をしていた。


「暇だなー」


 最初にそうつぶやいたのはフリーデンだった。

 フリーデンは顔を上に向けて、椅子の前の二本の足を浮かしている。


「ジューヤ、暇」


 次に「暇」と言葉にしたのはアイリスだった。


「そうだけど、お前毎回クエスト出てないしいつも通りじゃね?ていうか俺達が汗水流して戦ってる間何してんの?」


 アイリスはニヤリと口角を上げる。


「気になるのかい?」


「お、おう」


「薬作ってんのよ」


「薬?」


「そう、薬。回復のポーションよ。ほら、前に手伝ってもらったでしょ?オルトロスやサーペントのやつ」


「あれかー」


「あれを調合してポーション作ってんのよ。これがなかなか上手くいかなくてね。困ってんのよ」


「ふーん」


 再び沈黙が続く。

 ちなみにここまで一回も言葉を発していないユキヒメはぐうぐう寝ている。


 数分が経過した頃。


「そういえば、ジューヤさんってなんであんなに強いんですか?私、ジューヤさんの強さの秘密、気になります!そのためにこのパーティーに入ったんですから」


 そう口にしたのはフリーデンだった。

 続けて、アイリスも、


「たしかになー。私もジューヤの強さには感激するねー」


「そうだな。暇だし少し昔の話でもするかね」


「「おおー!!」」


「ついに言ってしまいます。ネタバレしまーす!実は俺、この世界の人間ではありませーん!!」


「……はい?」


「異世界人でしたー!はい、オッパッピー!!」


 明らかに温度差が違うと感じる。


「「えええええ!!そうなの!!」」


「何さらっと凄いこといってんのよ!!」


「え、え、え、つま、り、ジューヤさんは人間?ってこと?私はだぁれ?」


 フリーデンはキャパオーバーを起こし目を回している。


「何言ってんのよフリーデンんんん!!」


 アイリスはフリーデンの体を左右に揺らし、なんとか正気を保たせようとする。


「っていうか!!あんた!なんで、そんな大事なこと黙ってたのよ!!」


「え、これ大事か?別に出身地が世界単位ってことだけだろ」


「別に、じゃないわよ!!確かに今思い返せばおかしいところはいくつかあったわよ!ヘリルスの門くぐるときとか!でもこれは―――」


「む〜うるさ〜い〜」


 ユキヒメの氷魔法が暴発。

 辺り一面はカチコチに冷凍保存されてしまった。

 もちろん、銃夜、アイリス、フリーデンも。

 どうやらうるさくしすぎてしまったらしい。


 ◇


 そんなこんなで、氷が溶けると同時にアイリスもフリーデンもさっきまでヒートアップしていたのが嘘のように冷静になって頭を円卓に突っ伏している。


 そして、銃夜の隣に座っていたのは大人の姿になったユキヒメだった。


「で?妾抜きで何の話をしていたのでありんすか?」


 見ての通り大激怒している。

 ユキヒメの額に怒りマークが確かに見えるほどにだ。


「な、何って?」


「む〜」


「ちょ、ちょっとまって話すから!どうかその尖った氷のつららをこちら向けるのはおやめくださいー!!」


 銃夜の願いは無事に通じたのかユキヒメは微妙な笑顔を見せて鋭利な刃物よりも尖った氷のつららを魔法陣の中にしまってみせた。


 どうやらギリギリ堪えたらしい。

 ユキヒメは元のサイズに戻る。


「ふぅ~」


「で、ほんと何の話してたでありんすよ?」


「いや、俺が異世界人っていう話をですねー」


「そんな話でありんすか」


 意外な反応をされた。


「そこの二人とは違うリアクションだな」


「いや、これでも十分驚いているでありんすよ。なんていうか、長生きしてきたから大抵のことではそんな驚かないのでありんす」


「え、長生き?」


「ええ」


「え、お前、今何歳だよ?」


 ユキヒメは再び魔法陣を展開し、鋭利な氷のつららを銃夜に向ける。


「女性に年齢を、き・く・な・と・い・わ・れ・な・か・っ・た・の・か?」


 ユキヒメの体は再びみるみる大きくなっていく。

 その目はたしかに激怒していた。


「ああ、すいません。言われました!言われた!!だから、そのつららはやめてくださいー!!!」


「うらぁー!!」


 つららは円卓を貫いた。


「……次はねぇぞ」


「はい……」


 もう、反省した。そして、決めた。女性にはこれからは、年齢だけじゃなくて個人情報全般聞かないようにする。


 気づくと、ユキヒメの体は幼児の姿になっていた。


「それで、俺の昔の話なんだが」


 そう話をしようとすると、アイリスとフリーデンには死んでいた体に生気が宿り、ぱっと起き上がってきた。


 アイリスは目を輝かせ、フリーデンは紙とペンを用意している。


「続け給え」


 ユキヒメがそう言うと、ようやく話をすることができそうだった。



はい、おっぱっぴー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ