第23話 氷の女王その③
「ヒール!!」
フリーデンは一面雪景色の中そう叫ぶ。
銃夜が貫いた眉間の傷と弾丸が埋め込まれている左足を癒やしているのだ。
たちまち氷の女王の傷が塞がれていく。
氷の女王は目を覚ました。
「なぜ?妾を助けた?」
それに対し、銃夜は答える。
「なぜ?って……俺もわからん!俺は意外と感情で動くタイプでね。お前はヘリルスの人からどうやら恐れられていたらしいが俺はそうは思わなくってさ。なにか理由があるのかなって」
「そうでありんすか」と、どうやら心当たりがあるようで氷の女王は話し始める。
「おそらくそなた等が妾を倒そうとした理由はある冒険者についてじゃろ?」
「ああ」
「あの青年は優しかった。妾はいるだけで全てを凍らせてしまうが故に人や魔物達から"迷惑"という扱いを受けていたでありんす。だから、妾は人気のない場所に氷の城を築き、孤独な生活をしていたのじゃ。しかし、たまたま妾の領域に入った彼は妾との接触を試みようとした。
妾も寂しかったのだ。その誘いを受けてしまった。
そして、気づくと彼は凍ってしまっていた」
銃夜は一呼吸入れる。そして、感想を述べることもなく新たな未来への道を示した。
「なぁ、氷の女王。俺と来い。過去がダメなら未来だ。これから変えるんだよお前の人生を」
そして、「いいのか?」という表情を浮かべる。
「いや、いいはずがない。なぜなら、妾はいるだけで凍っていくのだぞっ」
「じゃあ、なんで、俺とフリーデンは凍っていないんだ?」
フリーデンも横から「うんうん」と頷く。
「もう、薄々気づいてんだろ。お前のそれはただの言い訳だ。失いたくないからお前は無意識に魔法を発動している。お前も、その冒険者のことを外的要因から守ろうとしたんじゃないか?そして、気づくとその冒険者は氷漬けにされていた。そういうことだろ?」
「え?」
「だから、お前の無意識の魔法なんてのは必要ない。なぜなら、これからは俺が守るから。だってよ俺はお前に勝ったんだぜ」
銃夜はもう一度氷の女王に提案する。
「俺と一緒に来い。お前の未来はまだ死んでない」
銃夜は氷の女王に対して手を差し伸べる。
その手を取り、感動の涙を押し殺し、頬を真っ赤に染め了承する。
「うん」
そして、横からフリーデンが自分の胸辺りまで手を軽く上げ「あのー」と言った。
「わた、私も銃夜さんの正式なパーティーに入りたいんですがっ!!」
フリーデンは銃夜に顔を近づける。
「あのー!私もいいですか?」
「い、いいですよ。ていうか、こっちはもともとそのつもりというか、、、」
「この三人でパーティーを結成しましょう!!そして、フリューゲルさんを倒しましょう!」
フリーデンの熱い思いがまた、仲間を作ったのだった。




