第21話 氷の女王その①
銃夜はロワ区のギルドで新たに仲間となったフリーデンとともにA+のクエストを探す。
そんな時、一つのクエストが銃夜の目に飛び込んできた。
クエスト名:凍結の刃が彼らを討つ
クエスト内容:氷の女王の討伐
クエスト詳細:シャル区の老夫婦からで、冒険者の息子を氷漬けにされたという理由で討伐依頼が来ている。
クエスト難易度:A+
報酬金:金貨10枚
銃夜はこのクエストを受注することに決めた。
(A+だとあの巨大サーペントと同じぐらいの難易度か)
銃夜は氷の女王のクエスト用紙を取ろうと手を伸ばし、受付嬢のところに持って行く。
(やはり、少し笑われている気がするがまぁ、いいか)
「氷の女王は凄い強いらしいです頑張って討伐しましょう!」
フリーデンは「えいえいおー!」といった風に片手をグーにして天に向ける。
道中、銃夜はフリーデンに自身のステータスについて聞いてみた。
どうやら、フリーデンは氷の女王が苦手とする火魔法が扱えるらしい。
それと、フリーデンが銃夜のパーティーに入った理由を聞いた。
「そうですね。私も、あのゾンビ討伐任務に出ていましてですね。そこでジューヤさんの活躍を目の当たりにしたんです」
どうやら、ゾンビ討伐任務の時に一緒にいたらしい。
「そこで、私もジューヤさんのように強くなりたいと思ってたんです。そんな時、パーティー募集のようなことをしていたので……」
「超歓迎ー!」
目的地につくまで他愛もない話をし、親睦を深めていった。
やがて、氷の女王がいるとされる目的地に到着した。
目的地はクエストにも書いてあった通り雪山だ。
氷の女王と言われるだけあって氷でできた城に身をおいていた。
それはまるで、某雪の女王が建てた城の様に氷の柱が天空までそびえ立っていた。
「あそこに氷の女王が……」
フリーデンが言葉をこぼした。
「怖い?」
「少し……」
辺りは地面までもが氷つき、まるでスケート場のようになっている。
どうやら銃夜達は既に奴のテリトリーに入ってしまったらしい。
銃夜はぐっと冷気を堪えながらその場で身震いする。
(やばい、やばい死ぬ。これ絶対あかんやつ。火魔法があるからと流石になめてたわ)
「フリーデンは大丈夫なのか?」
銃夜は全く寒そうにしていないフリーデンに質問する。
「はい!私は寒さ対策は万全です!この白いマ
ントに寒さ対策が施されているのです」
と、身につけているマントをヒラヒラさせる。
装備スキルのようだ。
「早めに言ってくれたら俺も同じやつ買ってたのに」
「ジューヤさんがこのクエストを受けようとしていたので、何かしらの対策はしているものかと思いまして……」
「あーそうだな。確かに、俺が悪いわ。全く何もしてなかったわ。ちくしょう」
一瞬、銃夜の目に氷の女王らしき者が城の窓からチラリと見えた。
何かを察した銃夜は一気にシリアスな雰囲気に変えた。
「フリーデン、来るぞっ!」
「はいっ!」
すぐさま戦闘態勢へ移行する。
銃夜は手始めにエターナルライフル(スナイパー)で今見えた窓に弾丸を一発撃ち込んでみる。
バリンと窓が割れ、しばらくすると城の入口から氷の女王が姿を見せた。
どうやら窓に撃ち込んだ弾丸は銃夜の【絶対命中】により早くも氷の女王にダメージを与えていたようだ。
氷の女王は血まみれの左足を引きずりながら登場する。
雪のような真っ白な肌に真っ白な長髪。白い着物のような物を身に纏っており、まるで日本妖怪の雪女のようだ。
「そなた…やりおるな……」
氷の女王は銃夜達に語りかける。
氷の女王は負傷した自分の左足に手を当て血液をカチコチに凍らせ、出血を防いだ。
自分の手から小さい氷の柱を生み出し、それで弾丸を取り除く。
さらに、えぐれた傷跡に氷を埋め込み補強する。
そんなむちゃくちゃな治療を目にした銃夜とフリーデンは目を背けたくなるような痛々しさを実感した。
次に、氷の女王は空中でいくつもの魔法陣を展開し、氷の柱を生み出した。
「来ますっ!」
フリーデンは杖を構え、合図する。
氷の柱はフリーデンではなく銃夜をめがけて一直線に飛んでくる。
「くっ……」
間一髪で交わすことができ、一時近くにあった木の裏に身を潜めることにした。
「ほれほれ、どうした小僧」
(誘ってんなっ)
氷の女王は再び、空中に魔法陣を展開する。
刹那、氷の柱を飛ばす。その速度は先程より格段に速くなっているし、大きさも大きくなっている。どうやら、速度や大きさも操れるらしい。
しかし、違う点がある。それは数だ。さっきは二、三本だったのに対し、今度は一本だ。
銃夜の隠れている木に向かって一本だけでかいのが飛んでくる。
(まずい…速度が空中でさらに加速してやがる。かわしきれない。ならば、こちらも魔法を使うか)
「エクスハティオっ!!」
銃夜のエターナルライフル(スナイパー)の先から魔法陣が展開され、発射。
氷の柱を蒸発させる。
「ほう、火魔法。それも上級魔法。これはちとやっかいでありんすな」
「どうだい?降参する気になったかい?」
「いや、全然」
「ふっそうかよっ」
(まずいな。今ので魔力が半分以下になっちまった。魔力コントロールが全然なってねぇ)
すると、横からフリーデンが自身の存在を示すかのように氷の女王に向かって魔法を発動させる。
「フレアっ!!」
しかし、氷の女王はものともしない。
苦手のはずの火魔法だが、フリーデンが使ったフレアは下級魔法なのだ。
そして、氷の女王は手刀で飛んできたフレアを地面に弾いた。
氷の女王の手は少し火傷を負った程度のダメージなので、氷魔法ですぐに中和させる。
「この程度の魔法で妾に勝つと?」
フリーデンは思ってもいなかった状況に困惑した。
「うっ……」
「それでは、妾のターン」
氷の女王は展開した魔法陣に手を突っ込む。
その手には氷剣が握ってあった。
そして、その氷剣で空気を切り裂く。
「久しぶりに使うが、まだまだ、いけるでありんすな」
切り裂かれた空気は状態変化を起こし、固体となって地面に落ちる。
(おいおい嘘だろ。理科で習ったけど確か、空気を固体にするには最低でもマイナス219℃が必要だよな。あれをくらったら確実に死ぬ。くっそっ……ノーダメ攻略上等よっ!!)
氷の女王はフリーデンに向かって氷剣をばんばん振り回す。
「ほらほらほらぁ!!」
フリーデンもフレアで対抗する。
が、何度やってもフレアの威力が氷剣を超えることはなかった。
フリーデンは氷剣に圧倒され尻もちをつく。
(まずい……)
銃夜は氷の女王のヘイトが自分に向くように魔法なしの弾丸を一発撃った。
しかし、氷の女王に即座に反応され弾丸は地面に叩き落されてしまった。
そして、氷の女王は今度は銃夜に向かって斬りかかる。
「うっ…くっ…」
(っぶねぇー【感覚探知】のおかげで氷剣が魔力でできているので魔力の流れを先読みし、かわしているが…長くは…続かなそうだな…)
ひょいっと銃夜は一旦後に後退し、距離をとる。
(こっちの武器は近接戦闘には向いてねぇ)
次に、銃夜はエターナルライフル(ハンドガン)を装備した。
そして、銃夜は氷の女王を挑発するような素振りをみせ、
「さぁ、来な。第二ラウンドだ」
ちなみにフリーデンのステータスです。
【名前】 フリーデン
【年齢】 19
【種族】 人間
【性別】 女
【レベル】 89
【職業】 冒険者
【装備】 護神の龍杖、天使の羽衣
【称号】 魔法使い
【攻撃力】 437
【防御力】 351
【魔力】 1020
【スキル】 魔力回復速度上昇、魔力消費軽減、氷耐性、火魔法、回復魔法
【武器スキル】 防御魔法
シャイナーより強い印象。




