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第15話 やはり、俺が信用し、信用される存在はこの『銃』だけらしい

 銃夜達は村の奥に急行した。

 が、村の中心部つまり、かつて銃夜が祭りを展開した場所はまるで地獄と化していた。

 先に向かっていたはずの数々の冒険者達は、その数を上回るゾンビの大群に押し負けていた。

 剣を振り回しながら後退してきた一人の冒険者が銃夜達に声をかける。


「おい、君達も冒険者だろ?すまないが、この様だ。少し力を貸してくれ」


 女だった。

 その女は日本人のような黒髪で腰まであるほど長い長髪である。

 白色の鋼鉄の鎧を身に纏っていて、青色や紫色が入り混じった剣を片手に装備している。

 その剣についた酷い汚れを見て数多くのゾンビを駆逐してきたのがわかる。が、現状は劣勢のようだ。


「ああ、もちろんだ。状況を詳しく教えてくれ」


 と、銃夜はその女に聞いてみる。


「私はこの村に一番最初に到着した者だ。名はルイーゼ。初めこそ我々冒険者チームが圧倒的優勢だった。

 しかし、奴らは我々冒険者や村の人々を喰らい増殖を繰り返している。

 初めは数10体しかいなかったゾンビが今はざっと百体近い。百何人いた冒険者達はゾンビにされたり途中で逃げ出したりで今は君達を合わせても30人程度だ。戦力が弱すぎる」


「そりゃあやべぇーな。30人にたいし百体たねー」


「このトゥインクル=シャイナーが人生最高潮の死の予感がする」


「ジューヤ、そろそろぶっ放してもいいんじゃないか?」


 と、アドルフは銃夜に対して意味深な発言をした。




 時は数時間前に戻る。

 バヘ村に向っている道中にて、


「ジューヤは魔法は使えないのか?」


 と、アドルフは言う。


「え、ああ、この前試みたがどうやら使えないっぽい」


「でも、魔力は沢山あるわけだろ?」


「まぁな」


 ストッとアドルフはバヘ村へ向かっていた足を止める。


「どうしたんだ?アドルフ?」


 シャイナーが疑問を提示する。


「ひょっとしてやり方が間違っているんじゃないか?」


「え?」


「前回はどうやって魔法を発動させようとしたんだ?」


 銃夜は手をアドルフに見せながら、

「え、手からでしょ?」


「ああ、普通はな」


「どういうことだ?」


「ジューヤの場合、別の放出場所があるんじゃないか?例えば……」


 と、アドルフは言って銃夜のエターナルライフルを指し示す。


「これ…とか…?ちょっとエターナルライフルに魔力を込めてみてくれ」




 そして、現在へ。


「そうだな、もう、この人数差だし、やっちゃってもいいよなー。結構ピンチみたいだし」


 ルイーゼの頭の上には「?」マークがついている。


「やるって何をだ?」


「『無双』とか『チート』が俺には合っていないと思ってたんだが、こんな才能を見つけちまうとね。

 今までは魔力切れとか変に目立つことが嫌なのでこのクエストでは使わないようにしていたが、劣勢の状況下にある今、使ってしまおう。

 数分前に習得した『魔法』とやらを」


「ふっ」


 アドルフが勝ち確定のような微笑みを見せた。


「魔法?」


「じゃあ、作戦通りシャイナー、お前目立つんだからゾンビ達の囮になって一箇所に集めろ。その後は俺が『一撃』で片付ける」


「ふぅーようやく僕の出番というわけか。僕には強運のスキルがついている。なぁに気にすることはない僕ごと焼ききってしまっていい。僕なら無事さ」


「そうかよ、じゃあ行ってこーいっ!!!」


 と、銃夜はシャイナーの背中を押し、ゾンビの大群の前に差し出す。


「ほら見たまえ、ゾンビ共。僕のこの輝きっぷりを」


 シャイナーは「ほらほら」と言って色々なポーズを決めると、数百体のゾンビの大群が一斉にシャイナーに標的を定めた。


「ゔうぉぉぉ」と、少し怒っている様に見える。

 それほどシャイナーのポーズが気に入らなかったのだろうか。


「さぁ、ゾンビ共、僕についてきた前」


「その調子でこっちまで来てくれ」


 銃夜はシャイナーをとある場所へと誘導する。

 とある場所というのは村の外にあるかつてルーナがオーク戦で作ってしまったあの巨大な穴だ。


「シャイナーぁー!この穴にゾンビ達を落としてくれ!!!」


「オフコースっ!」


 シャイナーの金髪の髪の毛が夜の空を舞い、やがて、銃夜の目的は達成される。


「ゾンビ共を穴に落としたぞ(僕も落ちたが)やっちまえジューヤっ!!!」


 銃夜はエターナルライフルをスナイパーライフル状態でスコープを覗く。

 照準をゾンビを一人残らず破滅させることができる位置までずらす。穴の中心だ。


 銃夜のスコープがキラリと月の光を反射する。

 そして、その時が来た。

 どうやら、銃夜の納得の行く位置まで銃口を向けられたらしい。


 暗闇の静寂の中、とうとう放たれる。


(ごめん村人のみんな……)


「ライトニングスターダストっ!!!!!」


 エターナルライフルの銃口から真っ白な光の光線が飛び出した。

 闇夜を照らす光線がゾンビに向かって放たれた。その光はどことなく美しかった。まるで、明確な未来を指し示しているかのような安心感があった。

 当然、狙いに命中。

 瞬間、視界が真っ白な光に包まれた。

 ここにいた冒険者達が一斉に目を背ける。

 やがて、轟!!という爆撃音とともに辺りに強風が吹いた。

 強風に関してはギリギリなんとか持ちこたえることができた。

 何人か吹っ飛んで行ってしまった冒険者もいたが、少なくとも銃夜は耐えることができた。


 しばらくして、爆発や強風が収まり土煙に包まれていた巨大な穴が見えてきた。


「シャイナーぁー!大丈夫かぁー?!!」


 という問いかけに対して、


「僕は平気だぁ!!」


 というシャイナーの声が穴から聞こえてきた。


(おいおい、一応ゾンビと一緒に穴の中にいたんだよな?なんで生きてんだよ)


「ゾンビ達は跡形もなくなっているぅー!!」


 どうやら、ゾンビ討伐は成功したらしい。が、銃夜自身はまだ、実感がない。


 やがて、約30人程度の冒険者達はゾンビ一掃を確信したのか銃夜に対して大きな歓声が上がった。


「うぉぉぉぉぉーー!!!!」「やったぞついにゾンビを討伐し終わったぞぉぉ!!」「ジューヤだっけかなにもんだよあいつぅ!!」


 などという声が聞こえてきたところでようやく銃夜にとって実感が湧いてきた。


「よっしゃぁぁぁぁーー!!!」


 と銃夜はガッツポーズを決めると、穴の中から


「おーい助けてくれぇ!」

 とシャイナーの声がした。


 どうやら、最上級光魔法『ライトニングスターダスト』の威力がでかすぎたのか、さらなる深い穴を作ってしまった。


 シャイナーはその穴が深すぎて出ることができなかったので銃夜達に助けを呼んだのだった。




お読みいただき、ありがとうございます。



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