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王宮の幻花 ~婚約破棄されたうえ毒殺されました~  作者: 玄未マオ
第二章 精霊たちの世界
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転生のバリエーション

 召喚による転生とは、サタージュやネイレスを含むこの世界の四大精霊のみが、異世界で死んだ者の魂を記憶のあるまま呼び寄せて、この世界に転生させることである。


「君の場合、ちょっと変則的になるけど、異世界の記憶も持っているみたいだしね。僕たち四精霊はそれぞれの概念に基づいた活動を行い、それに伴うギフトのようなものもその魂の主に付与できるんだ」

 

 ギフトとは?

 そもそも四大精霊とは?


「ギフトというのは要するに特典ってことさ。サタ坊が召喚した魂の主は『聖なる力』と言われるものが強い。あ、サタ坊ってさ、最近大陸の中央部で特に信仰を集めててね、けっこう大きな宗教勢力になってるんだよ。笑えるだろ。で、聖なる力っていうのはけが人や病人を治癒したり、嘘を見破ったり、そういうたぐいの力ってわけ」

 ネイレスが説明を始めた。


「ウルちゃん、ウルマフのことだけどさ、彼に呼ばれた魂は『魔力』が強い。あとプルちゃん、プルカシアも召喚された者に強い魔力を与えるけど、やつの場合は召喚の仕方が少し独特なんだ」


 独特?


「サタージュ、ネイレス、ウルマフは魂だけこの世界の呼び寄せて、異世界の記憶を持ったまま新たにこの世界に転生させるが、プルカシアは魂だけでなく異世界にいた時の肉体も一緒に呼び寄せ、全盛期の姿を再生して召喚させる。まあ、それは今回、お前さんの転生には関係ないかの」

 精霊王フェリが後に続いて説明した。


「それで、その転生をもって私の今後をどうしようっていうの? 記憶を持ったままどこかに転生しろって言いたいの?」

 ロゼラインはいぶかった。


「ご明察!」

 ネイレスがパチンと指を鳴らしていった。

「君の場合、私よりもネイレが司る転生の方が向いていると思って来てもらった」

 サタージュが補足説明をした。


「えっ、このチャラ男が!」

 ロゼラインは不信感をあらわにした。


「チャラ男って……、まあいいや。僕によって転生させられた魂の宿る肉体は、司る概念の通り男女を問わず容姿端麗、眉目秀麗。くわえて各種精霊と意思疎通をはかれる素質を持つ、精霊たちだってきれいなものが好きだからね」


 ウインクしながらネイレスは説明した。


 ロゼラインはふうんと冷ややかに相槌を打ちながら尋ねた。

「それって、ロゼラインだった過去の人生とどこがどう違うの?」


「えっ?」

「私、これでも公爵令嬢だったし、死んだ後で知ったことだけどかなり美人だったらしいのよね、それでもこの始末よ」

「この始末って……、家族や夫になるはずの人物に邪険に扱われ、最終的には毒殺されたこと?」


「ええ、そうよ! あなたのいう『容姿端麗』とやらも、私は物心つく頃から母にけなされ、自分は絶世の不美人であると思い込むよう洗脳され、皮肉にもそれが解けたのは死んだ後だった。もちろん姿かたちが美しいに越したことはないし、次に生まれるにしてもそうであった方がうれしいけど、それがありさえすれはすべてうまくいくかのような顔をしているあなたのドヤ顔。とても運命をゆだねる気にはなれないわ」


 ぶっちゃけ他人(ロゼライン)のこれまでの境遇に対し、軽い調子で語る精霊に対しては疑心暗鬼が芽生えてしまうのを止めることができない。


「私の『不幸』の原因はあなたが付与してくれる特典とやらに恵まれなかったというのではなく、別のところにあるにもかかわらず、そんな気楽な調子で今後のことを請け負うような態度を取られてもっていうことよ」

「君の『不幸』。それは君の人生において重要な他人がそろいもそろって人を愛する資質にとぼしいということだよね、うん、ちゃんとわかってるよ」

「……」

「だからこそ今度は『溺愛』『熱愛』、あれも愛、これも愛ってかんじで、転生先はちゃんと愛する資質を持った人がいるところにね」

 

 ネイレスがしっかり請け負うみたいな言い方をした、しかしロゼラインは反論をつづける。


「その愛する資質とやらが他の人間にむいた場合はどうなるんでしょうね? ネイレスさんでしたっけ、改めてお伺いしたいことがあるのですけど」

 

 ロゼラインは渋い表情で美の精霊とやらにつめよった。


「ネイレでいいよ」


 精霊は若干退きながらロゼラインの質問を待った。


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