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王宮の幻花 ~婚約破棄されたうえ毒殺されました~  作者: 玄未マオ
第一章 山岳国家シュウィツアー
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王宮裁判 ~証人ゾフィ・エルダー~

 証人であったミカ・キタヤマは役目を終え法廷からの退室を促された。

 

 法廷を出たミカは人造人間(ホムンクルス)の身体から出て、霊体のロゼラインにもどりクロとともに法廷に戻り裁判の行方を見守ることにした。


 ホーファー伯爵の質問の矛先はロベリアに移っていた。


「毒はサルビアの手から数名の人間を経て、ロゼライン嬢が絶命された時にはノルドベルク公爵夫人の手にあったとみて間違いないでしょう。毒が発見された場所がそもそもおかしかった、ロゼライン嬢が自ら服毒されたのなら、あの状況では毒の瓶もロゼライン嬢のご遺体の傍になければ説明がつかない。しかし夫人のロベリアが毒を盛ったのなら、証拠隠滅のためロゼライン嬢の部屋にそれを隠したという説明が成り立ちます」


「いいがかりです!」

 ほぼ真実を言い当てられていたロベリアはそうとしか反論できなかった。


「それに関しての証人もおります。ゾフィー・エルダー殿、こちらへ」


 かつて被害者の侍女として仕え、現在はアイリス・ウスタライフェンに仕えている侍女ゾフィ・エルダーが入室した。

 見覚えのあるブルネットの女性が入室した時、ロベリアは彼女を用済みとばかりに放逐しただけで、それ以上の口封じを行わなかったことを後悔した。


「建国祭の日の王太子殿下の前例のない『宣言』の後、何が起こったかをお話しください」

「はい、ロゼライン様はそのまま控室に、私はロゼライン様のためのお茶を用意するために厨房に向かいました。そして厨房でお茶を用意していると奥様が入ってこられ自らカップにお茶を注がれました……」


「お茶を注いだからなんだというの! この女がお茶を用意する途中で毒を入れたかもしれないじゃないの!」

 ゾフィの証言を遮りロベリアはわめいた。


「それは不可能です。追跡魔法で明らかにされている通り、彼女は毒の瓶に指一本触れていないのですよ。瓶に触りもしていない者がどうやって毒を混入させるというのですか?」

 ホーファー伯爵が言った。

「つけくわえると、あなたをその日その時に厨房で見かけた証人は他にも大勢いるのです」



「『すべての不可能を排除して最後に残ったものがいかに信じられなくてもそれが真実である』、よく言ったものよね」

「それ知ってる、シャーロックホームズでしょ」


 クロとロゼラインは法廷内をあちこち移動しながら見物していた。


 クロの提案である。

 現在霊体であるロゼラインを視認できる者(彼女の死を心から惜しんでいる者)がどれだけいるのか探るために、法廷内をあちこち移動して彼女らの動きを目で追っている者たちをあぶりだしている。

 実際、ゼフィーロ王子は時々ちらちらとロゼラインの方を見やるし、ゲオルグに至っては上官に資料を手渡す時以外は、ずっと彼女らを目で追っている。


「あの人ずっと私たちのこと眼で追ってるのよね。それからあの人も、知ってる?」

 クロがそれ以外の自分たちを目で追っている人物を指摘した。

「ロートシールド伯爵、それから、フラウエン子爵、だったかな……? 裁判の後に起こるであろう一波乱でゼフィーロたちの味方になってくれそうね」


 そうこうしているうちにゾフィーの証言が終わった。


 法廷を出ていこうとする彼女に近づき礼を言うと、彼女は小さい声で「とんでもありません」と言ってほほ笑んだ。



「殺すつもりなんてなかったわ、ちょっと身体の具合が悪くなればいいと思っただけ、しつけのつもりだったのよ」


 震える声でロベリアは弁明した。

 

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