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96 交易都市へ



<ドレイクを乗せて交易都市へ>


輸送車の中では俺とルナ、ドレイクと付き人、アッカというらしい。

その4人で向かい合って座っている。

宿泊所を出て、ドレイクを乗せ交易都市に向かっている途中だ。

車の中はかなりのスペースがあるのだが、どうしてこうやって向かい合わなければいけないんだ。

俺は妙に緊張する。

ドレイクは微笑みながらルナに話しかけている。

ルナは聞いているのかいないのかわからないが、おとなしい。

ドレイクの横のアッカという男。

ジッと俺を見ている。

男に見られてもうれしくないし、息苦しい。

ドレイクもたまに俺を見たりする。

こ、殺すぞ!


「ルナ様、伺いましたぞ。 何でもビフレストの食べ物店を制覇したとか・・ギルドでも大盛り上がりだと報告がありました」

ドレイクがニコニコしながら言う。

ルナは微笑んでいるだけだ。

「確かに、ビフレストのお店はみんな職人気質なので、競い合ってよいものを作ろう頑張っているはずです。 うんうん・・」

ドレイクは一人納得してつぶやく。

ほとんどドレイクだけがしゃべっている。

「それよりもテツ殿も静かですな。 お疲れですかな? まぁ、それほど長い時間もかからずに到着できると思いますが・・」


あぁ、俺は疲れている。

いや、この輸送車に乗って移動し出して疲れた。

なんでおっさん2人を前にして座らなきゃいけないんだ。

そう言葉が出かかったが、かろうじて抑える。

「いえ、疲れているわけではないのですが、いったいどういった集まりになるのかと思いましてね」

俺は社交的な言葉で返す。

アッカというやつは、黙って俺を見ている。

こ、こいつ、やばい趣味でも持っているんじゃないだろうな。

変な考えが頭をよぎる。


「ふむ。 そうですな・・各種族にも連絡済みで、それぞれから代表が来るはずです。 ただ精霊族でしたか、そこだけは連絡ができずというか、連絡方法がわかりませんでした。 死霊国家と呼ばれている種族の代表が協議の内容を伝えるということで落ち着きましたから、後は龍神族の方ですな。 私も他種族の方々とお会いするのは初めてでして、少し気分が高揚しております」

ドレイクはワクワクしているような顔で話してくれた。

なるほど。

精霊族は接触できなかったか。

それともヘルヘイムの考えかな?

まぁ、両方の考えなのかもしれない。

俺にはわかるはずもない。

ただ、龍神族の代表っていっても、あそこは数がいないだろう。

またあの赤いドラゴンが来るのか?

大丈夫か?

俺は少し不安になる。

俺がそんなことを考えていると、俺の真剣な顔をずっとアッカが観察していたようだ。


アッカがうなずきながら言う。

「テツ殿は不思議な方ですな。 何もわかりません」

そのアッカの言葉を聞きドレイクが言う。

「アッカ、貴様・・」

アッカはドレイクの方向を向き、頭を下げる。

「ドレイク様、お許しください。 これが私の仕事です」

アッカがそう言うとドレイクが俺の方を向いて頭を下げる。

「テツ殿、失礼しました。 アッカが人物鑑定をしていたようです。 勝手なことをして申し訳ありません」

「い、いえ、別にいいのです。 ただ、ずっと真剣な顔で俺を見ていたので緊張しました」

俺は感じたことを伝える。

「テツ殿、失礼ついでにお聞きしたい。 アッカは人物を鑑定できるスキルを持っております。 ただ、自分のレベルより高い人物はよくわからないのです。 まぁ、近似値は出るかもしれませんが、ここまでアッカがわからないということは、テツ殿は相当なものだと思われます。 アッカも私もレベル30を少し過ぎたレベルです。 私の世界ではかなりのものだと思います。 それがわからぬとなると、正直脅威です。 お許しください」

ドレイクがそう言いながら探ってくる。

俺は一瞬迷ったが、正直に答える必要もないだろう。

「いえいえ、俺も逆の立場なら同じことをすると思います。 俺もそれほど高いレベルではないのですが、相手の鑑定スキルから隠蔽するスキルを持っていますからね。 ただ、自分のレベルは言いたくないです。 どういったことがこれから起こるかわかりませんから・・」

嘘だ。

ただ、誰だったか・・魔族の女の人がそういった隠蔽スキルを持っていたというのを思い出していた。

アストーだったかな?

とっさに俺はそう答える。

「なるほど・・そうですか。 それは当然ですな。 自分の手の内をさらすというのは自殺行為に等しい。 我々が失礼過ぎたのです。 お許しください」

アッカとドレイクは疑うでもなくうなずき、改めて謝罪をしてくれた。

「いえいえ、こちらこそ曖昧にしか答えれず申し訳ありません」

俺も少し恐縮しながら答える。

後は他愛ない会話が続くと、間もなく目的地に到着する。


俺たちは輸送車から降り、目的の場所へと歩いて行く。

歩いて行くといっても、俺たちに土地勘は全くない。

ドレイクの後をついて行くだけだ。

この交易都市、落ち着いている雰囲気のする街だ。

近代過ぎず、古すぎずといった感じか。

中世風の感じだが、どこか洗練されている。

街行く人も清潔な感じで笑顔が溢れている。

いい街だ。

「どうですかな、この街は。 もっとも、会議場まで乗りつけても良かったのですが、我々の街も見ていただこうと思い停車場に止まってもらいました。 議場も歩いてすぐの場所にありますのでお許しください」

ドレイクが微笑みながらルナに言っていた。

ルナは気にする風でもなくドレイクの後をついて行く。

ドレイクとアッカに連れられて、議場へ到着。

どこかの講堂かという感じだ。

ドレイクが近づいて行くと、入り口でいた警備兵だろうか、敬礼をしていた。

「うむ」

ドレイクが軽く挨拶をし、俺たちも中へ入る。

中は見た目と違って、広い空間が広がっている。

なるほど、ここも空間魔法で拡張してるんだなと、俺は一人思って見ていた。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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