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64 ジャイアントの攻撃



ドレイク達はジャイアントが投げてくる岩をかわしながら、次のゴーレムに向かう。

やはりジャイアントはその場を動くことはない。

あの位置から俺たちの動きを見ている方が攻撃しやすいのだろうか。

ゴーレムごと俺たちを潰すつもりらしい。

それにしても、ゴーレムは仲間じゃないのか?

いや、魔物にそもそも仲間意識があるのかどうかも怪しい。

ドレイクはそんなことを思いながら、残りの2体のゴーレムを倒すことができた。


ゴーレムたちをすべて倒し、一度距離を取ってみる。

ジャイアントと距離を取ると、ジャイアントは岩を投げることなく動くこともなくなった。

ドレイクはその動きを見ながら言う。

「あのジャイアントは、一定距離に近づくと岩を投げて攻撃を仕掛けてくるようだ。 あの岩の大きさは脅威だが、当たらないように移動して近づければ攻撃がしかけられるだろう。 俺の剣で一度攻撃をしてみて、また距離を稼いで様子を見ようと思う。 無論、速度のバフはかけておく。 お前たち、援護をよろしく頼むぞ」

「ド、ドレイク様。 そんな危険をおかさなくても・・」

アッカが言い、アーオインもうなずく。

「お前たち、ワシ以上に速く動けるのか?」

ドレイクが笑いながら言う。

アッカたちは言葉がない。

「ならば、ワシが行くしかあるまい。 残りは1体だけだ。 心配するな、無理はしない。 それに先ほどのゴーレムを倒したおかげでレベルが上がっている」

ドレイクは心配そうに見るアッカたちに言葉をかける。

アッカたちもそれぞれレベルが上がっていた。

ドレイク:レベル33 

アッカとアーオインはそれぞれレベル30になっていた。


ドレイクはスッとその場で立ち上がると、ゆっくりとジャイアントとの距離を詰めていく。

やはり先ほどのゴーレムたちのいたところになると、ジャイアントが岩を投げてくる。

ドレイクもレベルが上がり、身体の動きも調子がいい。

これならばそれほど苦労なく近づけるだろう。

予想通りジャイアントに近づいて行くことができた。

ジャイアントの手前50メートルくらいに来たときだ。

ジャイアントのあまりの大きさに、ドレイクは少し動きが鈍くなる。

「で、でかいな。 これがジャイアントか・・」

ジャイアントは岩を投げると、その場で立ち上がってきた。


立ち上がると、さらに威圧感を増す。

ドレイクの近づいて行く足が止まる。

まだかなりの距離があるはずだ。

なのに見上げるように上を向かされる。

大きな岩の塊のような魔物。

ジャイアントが一歩ゆっくりとドレイクの方へ足を進める。

まるで周りの地面が地震のような感じで揺れる。

目の前にいるわけでもない。

だが、確実にドレイクに近づいてくる。


ドレイクは自分でも自負している。

決して臆病ではないと。

だが、身体が拒否しているのだろうか。

動きが鈍い。

しかし、ジャイアントとレベル差は1つのはずだ。

そう自分に言い聞かせてジャイアントをにらむ。

「このぉ!!」

意味のない言葉を大きな声で吐き出しながらジャイアントを見つめる。


ドレイクは少し違和感を感じた。

その違和感をすぐに確認。

ジャイアントは武器を持っていない。

どういうことだ?

そう思っていると、ジャイアントが右腕をそのままドレイクに向けて突き出してきた。

ドレイクは運が良かったと言うべきだろうか。

意識してではなく、今までに染みついた動きだろう。

ジャイアントの右横に大きく飛んでいた。

飛びながらジャイアントの繰り出した右腕を見ている。

ドレイクがいた場所の地面が大きく穿うがたれていた。

まるで巨大な谷が出来たようだ。

その地面の土は一種の攻撃武器のように、ジャイアントが腕を振り抜いた方へ石礫いしつぶてと土を巻き上げ、山を作っていた。

あの腕の所にいれば、跡形もなく吹き飛んだだろう。

そして、あの石礫や土に埋もれれば間違いなく死が待っている。

ドレイクはそう思うと、ジャイアントは向きを変えドレイクを追撃する。


今度は左腕を振り抜こうと、ドレイクに放ってきた。

ドレイクは少し反応が遅れる。

「ック!!」

剣を前で構えつつ、ジャイアントの左腕の外側へ身体を避ける。

ジャイアントの腕があまりにも巨大すぎて、距離感がどうも掴みづらい。

ギン!

ドレイクの剣をかすめつつ、ジャイアントの腕がまたしても地面に突き刺さる。

地面は鋭くえぐられ、土と石礫を巻き上げる。

ドレイクの剣はジャイアントの左腕と接触した時に折れた。

その衝撃でドレイクも吹き飛ばされる。

これが幸運だったようだ。

ジャイアントととりあえず距離を取ることができた。


ドレイクのところへアッカとアーオインが駆け寄ってくる。

「「ドレイク様ぁ!!」」

ドレイクはその声を聞きつつ、ジャイアントから視線を外すことはない。

「お前たち、次が来るぞ!」

ドレイクは声を大きくして言う。

ジャイアントはその言葉通り、ただ腕を振りまわすというより、目標に腕を突きを出しているだけだ。

だが、その威力と速度、それにほとんど疲れることがないのではないかというくらい同じテンポで攻撃を繰り返す。

・・・・

・・

ドレイク達はどれほど避け続けただろうか。

避けるだけで体力が削られる。

休むこともできない。

ジャイアントは同じ動作を繰り返すだけだが、それが脅威だった。

当たれば即死。

避けるのも大きく避けなければ、攻撃の余波に巻き込まれてしまう。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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