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43 三巨頭との接見



トロウルは氷と炎の魔法を受け、5体がすべて消滅していた。

それを見たインパは、先程までの不安はどこかへ消えてしまったようだ。

この2人がいれば、何の問題もない。

人種族ひとしゅぞくでこれほどの魔法使いはいまい。

最長老ですら及ばないだろう。

それに私もそこそこはできる。

魔法を増幅させる武具はまだ所持していないが、そのうち武装都市ででも作ってもらおう。

そんなことを考えながらインパがドウブたちに話しかける。

「さすがだな。 見事な魔法だ。 これならば何も恐れることはない」

インパの言葉を聞くとドウブが言う。

「なんだ? インパよ、何か恐れていたのか? まさかここに来るであろう神殿騎士のことか? 所詮は神殿騎士だぞ」

ドウブがドヤ顔で言う。

「あはは・・インパ、それで不安そうな顔をしていたのですか? 我らが3人もいれば、トロウルですらあんなものですよ。 それにこの魔法銃、ドウブの魔法杖があります。 相手が気の毒ですよ」

シーナも笑いながら言う。

「そうだぞ、インパ。 それに、ここで不幸な事故が起きても誰も不思議に思うものはいまい」

ドウブがやや顔を引き締めながらつぶやく。

その言葉を聞きながら、インパはふとダンジョン入り口を見つめた。

別に何かを感じたわけではない。

偶然その方向を向いただけだ。

25階層の入口に2人の人影が見える。

テツとルナが25階層へと到達していた。


「ん? あれは・・」

インパがそうつぶやくと、ドウブとシーナがインパの視線を追う。

「人? なるほど、噂の神殿騎士のようだな」

ドウブが言う。

「うむ。 なかなか早いな。 まぁそういうスキルを持っているのだろう」

シーナもニヤッとしながら言う。

「さてと、我々も挨拶しなければな」

ドウブはそう言うと、テツたちの方向へゆっくりと歩き出す。



俺とルナは25階層の入口に来ていた。

全面に広がる草原よりも岩や土が多い地形。

殺風景だが、きれいな空間だ。

一歩フィールドに踏み入れた瞬間に索敵。

ピピ・・

視界でもとらえていた。

レベル32、31、30の3名がいる。


「ルナさん、人がいるようです」

俺はルナに言う。

「うむ。 そのようだな」

ルナは気にするでもなく答える。

「ダンジョンの攻略者でしょうか? ゆっくりとですが、こちらに向かって来ているようです」

俺もそう言いながら、移動してくる3人に向かって歩いて行く。

ルナは特に何も言わずに一緒に歩いて行く。


俺はこの世界では、みんなもっとレベルが低いのだと思っていた。

だが、レベル30くらいもあるのなら、帝都騎士団レベルじゃないか。

結構なことだと思い、少し変な安心感を感じつつ近づいて行く。


お互いの距離が近づき、大体40メートルくらいになっただろうか。

相手が片手を挙げて手を振ってくれた。

俺はホッとしながら、案外気さくなダンジョン攻略者だなと思い、手を振り返す。

そのままゆっくりと距離を詰め、お互いの顔がはっきりとわかる距離になってきた。

7メートルくらいだろう、それくらいの距離になった。

俺がまずは声を出す。

こちらの世界では完全な後輩だからな。

「こんにちは、ダンジョンの攻略者の方々ですか?」

俺がそう聞くと、3人組は少し、はぁ? という表情をしてお互いの顔を見合わせている。

すぐに笑いながら俺の方を見てきた。

「あはは・・こりゃいい。 そりゃそうか。 我らを知るはずもない、当然だろう」

大柄の男が言う。

俺には何がおかしいのかわからない。


「いやいや、これは失礼した。 我々は、バナヘイムの魔術師で三巨頭と呼ばれている。 私はドウブという。 こちらがシーナ、そしてこちらがインパだ」

ドウブと名乗った男は、他の連中をそれぞれ紹介してくれた。

シーナとインパも軽く会釈をして笑っていた。

だから、何が可笑しいんだ?

全くわからない。

だが、自己紹介してくれたのだから、こちらもしなければな。

大人のマナーだ。

「私は、神殿騎士の称号をいただいている、テツといいます。 そしてこちらがルナです」

俺がルナを紹介した時、ドウブという男が反応した。

まるで舌なめずりするように見ている。

どこかのスケベおやじか!


ドウブ以外の二人が、少し嫌悪感を示していた。

「ドウブ・・後でね」

シーナと紹介された人がドウブにささやいている。

ドウブは少し咳払いすると、普通の顔に戻ってルナの方を見ながら話してくる。

「君たちが、神殿国家から来たという神殿騎士だね。 何でも外の世界から来たとか。 また、夜の王の使途やら龍神族の眷属という話だが・・」

ドウブがそう言って話す。

俺は恐縮しながら答える。

「い、いえ、そんな大げさなものじゃないのですが、あの測定器って正確だったのですか? それに・・」

俺がそうしゃべっている途中でドウブが言葉をかぶせてきた。

「まぁ、そんなことはどうでもいい。 単刀直入に聞こう。 光の巫女を探し出してどうするつもりなのかね?」

俺は驚いた。

すぐに返答できなかった。

というのは、光の巫女を探してくれと言ってきたのは、神殿の神官長だったはず。

それが探し出してどうするとは、いったいどういうことなんだ?



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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