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42 オーガキングってバカランクがキングクラスのことか?



「ジェネラルたちよ、そのオスの頭は俺がいただく。 後は好きにしろ」

オーガキングが言う。

オーガジェネラルはニヤッとしながら手にしていた大型の包丁のような剣を振り上げる。

俺の身体よりも遥かに大きな包丁のような剣を振り下ろす。

ブン!!

空気を切る音がする。

・・・

オーガキングがニヤニヤしながら見ていた。

だが、すぐに異変に気付く。


包丁を振り下ろしたのはいい。

その後、地面に激突するか人間の身体に当たるか、何らかの打撃音が聞こえるはずだ。

だが、その音が全く聞こえない。

少しのタイムラグがあって、ボトボト・・ガシャーン という落下音が聞こえた。

その落下音のする方を見ると、包丁を握ったオーガの腕が落ちていた。

!!

なんだ?

オーガキングは状況がわからないらしい。


俺はオーガジェネラルが包丁を振り下ろした瞬間に、3体まとめて腕を斬り落としていた。

動きの速度が違い過ぎる。

カタツムリと戦闘機以上の速度差があるだろう。

無論、オーガジェネラルがカタツムリだ。

俺は、オーガジェネラルの腕を斬り落とすと同時に、3体を真っ二つにもしていた。

腕が落ちた後、ドーンと木が倒れるような音もする。

その後、オーガジェネラルたちは蒸発。


オーガキングはまだ状況がわからないらしい。

言語能力を得た代わりに、自分の予測と全く違った状況に即座に対応できないのだろうか。

俺がゆっくりとオーガキングへと近づいて行く。

「・・に、人間? なんだ?」

オーガキングがつぶやいている。

「オーガキングと呼べばいいのか? お前、アホだろ?」

俺がそういうと、その言葉に反応した。

「アホだと? 俺はオーガキングだぞ! 人間ごとき下等種とは違う」

オーガキングはそう言って、背中からバカでかいなたのような長剣を取り出す。

「人間、どうやったかわからぬが、お前は俺に倒されるべきなんだ」

オーガキングがそう叫びながら俺に斬りかかってきた。

俺はオーガキングの剣を受けてみようと思った。

どれくらいの力があるのだろう?

そんなことを考えながら飛燕でオーガキングの大剣を受けてみた。


ガキィーーーーン!!


オーガキングの大剣が飛燕で受けたところから割れて俺の後ろの方の地面に刺さる。

オーガキングは驚いた表情をする。

「バ、バカな! 俺の剣戟けんげきを受けて立っているなんて・・」

・・・

俺は言葉を返すことができない。

バカすぎる。

このオーガキングというのは、バカランクがキングクラスじゃないのか?

そう思えるほどだった。

剣戟といっても、ミノタウロスの方が遥かに凄い。

ゴーレムの方がもしかして打撃だけなら上じゃないのか?

このオーガの進化って、いったい何で進化したんだ?

そんなことが頭をよぎるが、どうでもいい。


俺は一歩踏み込んでオーガキングを横薙ぎし、そのまま真っ二つに縦斬りにした。

オーガキングは信じられないという表情をしながら蒸発する。

後にはオーガの魔石が残っていた。

少しだけ色が違うような感じもするが、どうでもいい。

オーガたちの魔石を拾いアイテムボックスにしまうと、俺はルナのところへ戻って行く。


ルナが、俺の近づいて来るのを微笑みながら見ている。

「お疲れだな、テツ」

「はい、疲れました」

「あはは・・そうだろう。 見るからにバカそうな魔物だからな。 元が元だ。 いくら進化したといっても知れている」

ルナが笑いながら言う。

俺も苦笑いしていると、次の階層への扉が開いていた。

俺とルナは目的の25階層へと向かって行く。


◇◇


<バナヘイムの三巨頭たち>



ダンジョン、25階層にジャンプした三巨頭がいた。

ドウブ、インパ、シーナ達だ。

昔、3人で何とかたどり着いた階層だった。

ドウブが階層入り口からフィールドへとゆっくりと歩いていく。

その後を2人もついていく。

「うむ。 久々に来てみたが、ダンジョンはいいものだな。 ワシもまた鍛えてみたいものだ」

ドウブはうそぶく。

「あぁ、そうだな。 また我らで攻略でもしてみるか?」

シーナが微笑みながら言う。

「ん? インパ、どうしたのだ。 元気がないようだが・・」

ドウブが聞く。

「いや、そういうわけではないのだが・・何か、言葉にできない不安があるようだ」

インパがそう答えていると、ドウブがフィールドを睨む。

「魔物か・・」

ドウブはそうつぶやくと、その視線の先から5体の魔物が近づいてくる。

トロウル:レベル28×5


「トロウルか・・こいつら、魔物のくせに魔法道具を使いやがる。 ふざけたものだ」

ドウブがそういいながら、魔法の杖を構える。

シーナも懐から魔法銃を取り出していた。

ドウブとシーナが顔を一瞬見合わせ、うなずく。


シーナがトロウルに向かって魔法銃を発射。

青い小さな点がトロウルに向かって行く。

少しすると、トロウルのいるところに氷の柱が突き出した。

「おぉ、アイスピラーか。 しかも威力が違う!」

インパが目を大きくしながらつぶやく。

その直後、ドーブが魔法杖を振りかざす。

ドーブの前面に炎の渦ができ、竜巻のように氷の柱へと向かって行った。

「こちらはファイアストーム。 さすがだ」

インパは驚いていた。

インパが知っている魔法レベルよりも高いレベルの魔法が放出されている。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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