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41 オーガキング

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

感謝です。



テツとルナ。

ダンジョン20階層でピクニックのようにくつろいでいた。

まだ魔物の討伐はしていない。

というか、魔物が近寄って来ない。

魔物もある程度のレベルになると、相手の脅威を感じるのだろう。

特にヴァンパイアなどは天敵以外の何物でもない。

いくら本体の1/10とはいえ、ルナはルナだ。

魔物の本能のなせるわざだな。

俺は一人そんなことを考えながら、ルナとゆっくりくつろぐことができていた。


「さて、行くか」

ルナはそう言いながら立ち上がり、ボス部屋の扉の方へ向かって行く。

「ルナさん、魔物が周りに結構いますが、どうします?」

「放っておけ。 無理に狩ることもあるまい。 ボスは別だがな」

雑魚に用はないらしい。

このフロアボスの扉の前に到着。

俺たちは何の躊躇ちゅうちょもなく扉を開ける。

ズーーーン・・と扉が開いて閉じられた。


ピピ・・

俺は索敵をしてみる。

レベル26:トロウル×5

俺は軽くため息をつく。

何か弱いものいじめみたいだ。

だが、こいつらを倒さないと次のフロアにいけない。

仕方ない。

俺は飛燕を確かめて前に出る。

「ではルナさん、行ってきます」

「そうか、頼むぞ」

ルナが微笑みながら見送ってくれる。


俺たちの前方に均等に左右に広がってトロウルが待機していた。

どれでもいいが、俺は右端のトロウルに向かって行く。

トロウルは全員メイスを持っていた。

確かいろんな属性魔法が付与されたメイスだったよな?

そんなことを思い出したが、今の俺のレベルには無意味だろう。


俺が向かって行ったトロウルのメイスが帯電したように見えたが、飛燕を抜刀。

トロウルはメイスを帯電させたまま上半身が少し滑り、ズレ落ちて倒れる。

俺はそのまま次々とトロウルへと向かって行き同じように倒す。

ただの素振りみたいだが、今のレベルあってのことだろう。

ほんの少し前なら、トロウルですら強敵だった。

すべてのトロウルを倒し魔石を拾う。

全部で5個。

まぁこの世界で、もうお金に困ることもないだろうが、何かの役に立つだろう・・きっと。


俺はルナのところへ帰って来た。

「ルナさん、次に行きますか」

「うむ」

俺たちは21階層へ向かう。

後は同じことの繰り返しで、ボス扉の前まで魔物と出会うことはない。

ボスだけを倒すだけでいい。

ボスといっても普通の魔物たちだ。

ただ24階層にオーガキング×1、オーガジェネラル×3がいた。

これは初見だった。

オーガは出会ったことはあるが、その上位種に出会ったのは初めてだった。

ルナが言うには、どの魔物も、長いこと生きていると稀に上位種に進化するようだった。

レベルも一気に跳ね上がる。

当然、強くなるそうだ。

オーガキング:レベル30

オーガジェネラル:レベル27×3

この階層では凄いんじゃないか?

俺はそう思いつつもどんな魔物か確認したい衝動に駆られる。


「ルナさん、オーガキングとオーガジェネラルという魔物がいます」

ルナはあくびをしながら答える。

「ふわぁ・・そうだな。 甘いものを食べたら眠くなってきたな」

・・・

ルナさん、あんたねぇ。

ほんとにピクニックだな。

「そ、そうですか。 では、俺が相手してきます」

「うむ、頼んだぞ。 ワシはここで休憩だ」

ルナはそういうと、魔法で完全にリラックスできる椅子を作ってすぐにくつろいでしまった。

飲み物まで持っている。

やれやれ・・俺はそれを見ながら、オーガキングとオーガジェネラルに向かう。

ゆっくりと歩いて行く。

相手はそれほど動く気配はない。

オーガキングを中心に、オーガジェネラルが俺に対して翼を広げるように待機していた。


オーガジェネラルだろう、3体が見えて来た。

お互いの距離は50メートルくらいだろうか。

オーガジェネラルが俺の方を見つめる。

・・・

ちょっと怖いな。

レベル的には全く問題ないだろう。

だが、何と言うか強面こわもてのヤンキーににらまれている感じだ。

苦手な雰囲気だな。

俺はそう思いつつも、ゆっくりと近づいて行く。

俺が近づくに従って、オーガジェネラルが身構えるのがわかる。

さて、俺はどんなものかと思いながら飛燕を抜こうとした。

すると、オーガジェネラルの後ろから言葉が聞こえて来た。

言葉?

なんだ、誰かいるのか?

俺は少し驚いた。

オーガジェネラルの後ろに一回り大きなオーガが現れた。

オーガよりも洗練されている感じがする。

顔は魔物というより、よく屋台などで見かけた鬼のお面に近い感じだ。

オーガキングだろう。

「貴様、人の子か?」

!!

オーガがしゃべった。

俺は言葉が出ない。


「クックック・・我に驚いて言葉もないか。 ここに入ったが最後、どちらかが果てるまで出ることは叶わぬ」

オーガキングが流暢りゅうちょうに言葉を話す。

俺はまだ驚いている。

なんて滑らかに言葉を使うんだ。

そう思っていると、オーガキングが言葉を続ける。

「言葉が出ないならそれでもいい。 人間を食べるのは久々だが、お前よりも後ろにいるメスがおいしそうな感じがする・・少し変な感じだが、久々のメスだな・・グフフ・・」

・・・

なるほど、言葉は使えるが頭は良くないようだ。

それに変に言葉ができる分、本能が衰えたんじゃないか?

メスってルナのことだろう?

天敵の種族すらわからないのか?

余程、そこら辺の魔物の方が賢いぞ。

俺がいろんな意味で呆けていると、相手はビビっていると勘違いしているようだ。

オーガジェネラル3体が俺を囲むように近寄って来る。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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