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34 神殿の中

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

感謝です。



どうやらスイーツの言葉はかなりの効果があったようだ。

俺もルナと一緒に歩いて行く。

神殿の場所はギルマスたちに聞いていたので、すぐにわかった。

まともといったらおかしいが、神殿都市のような近代的なものではない。

見るからに神殿という作りになっている。

この魔術都市は、俺的にはイメージ通りの感じだ。

神殿の前に到着。

尾行していた連中は、俺たちが神殿に入ると自然と消えていた。

神殿の入口は広く外に開かれている。

誰でも入れるようだ。

入り口を通過。


ん?

やはり薄い膜を通過したような感覚があった。

セキュリティも兼ねて空間を仕切っているのだろう。

アニム王のところと同じだ。

神殿の中の通路を歩いて行くと、受付のようなところがあった。

受付に座っていた女の人がこちらに気づき、にっこりと微笑み立ち上がる。

「ようこそ、バナヘイムの神殿へ」

透き通るような声だ。

俺はその声にかれるように受付へ近寄って行く。

「こんにちは。 俺たち旅をしているのですが・・」

俺はそういってとりあえず神殿騎士のライセンスカードを提示してみた。

受付の女の人は少し驚いたような顔をする。

「神殿騎士様でしたか。 ご苦労様です。 神官長をお呼びいたしますね」

女の人は受付の中のパネルをタッチして神官長を呼び出していた。


しばらくして、奥の方から歩いて来る人がいる。

受付の女の人がその人に深々とお辞儀をして、俺たちを紹介する。

「神官長様、神殿騎士様たちがおいでです」

神官長はうなずくと俺たちの前に来て話し出す。

「よくおいでくださいました、テツ様とルナ様ですね。 神殿都市の神官長から伺っております。 私はこのバナヘイム神殿の神官長を任されておりますナナバと申します。 よろしくお願い致します。 早速ですが、いろいろお話をお聞かせいただけますか? 光の巫女の行方を私どもも捜索しているのですが、一向に手がかりがありません。 どうぞこちらへ」

ナナバはそう言うと俺たちを先導してくれた。

俺は受付の女の人の声がもう一度聞きたかったが、仕方ない。

ナナバの後をついて行く。

ルナは黙ったまま俺の横を歩いている。

なんかルナさん、眠そうだな。


ナナバに案内されて応接室のような部屋に到着。

入った瞬間にわかる。

贅沢な感じだ。

別にキラキラしてるわけではない。

ただ、重厚感があり、どれも高価な感じがする。

俺たちはソファに座り、前に神官長が座る。

神官長の後ろに2人の神官が立っている。

ボディガードだろうか。

俺がそんなことを思っていると、神官長ナナバが話しかけてくる。

「ルナ様でしたか・・お疲れのようですね」

ルナの頭が船を漕いでいる。

「神官長様、ここで少し横にさせてもらってもいいですか?」

俺は聞いてみる。

ナナバは嫌な顔一つすることなく、どうぞと言ってくれる。

ルナをソファーに横にした。


「神官長様、ありがとうございます。 光の巫女のことですね」

俺はそういって話始めた。

特に、これと言って手がかりはない。

だからこそ街を巡って情報を集めているのだが、集まらない。

そんなことを話してみた。

・・・

・・

「なるほど・・やはり手がかりはなしですか・・」

神官長はゆっくりとうなずいている。

そして、俺の顔をジッと見て話して来た。

「テツ様でしたね。 1つお伺いしたいのですが、イザベルの街でダンジョンに潜っておられたということですが、なぜダンジョンに向かわれたのでしょう?」

ナナバが聞く。

俺は一瞬迷ってしまった。

まさかダンジョンを攻略するために向かって、攻略しましたとも言えるはずもない。

「あ、あぁ、それですか。 神官長様も我々の立場をご理解されていると思います。 我々がどの位の魔物と対峙できるのかなどを確認したかったのです。 結局は途中で冒険者にいただいた転移石で転移して脱出することに成功しましたが、飛ばされた場所がよくわからなかったのです。 いろいろ移動しているうちにだんだんと場所がわかり街に戻って来た次第です」

俺は取りあえずそう答えて反応を探ってみる。

ナナバは顎に手を当てて大きくうなずいていた。

「なるほど・・そうですか。 それで転移されて街に帰還するまでに時間がかかってしまったわけですね」


おい!

今の話を信用するのか?

俺なら疑うぞ。

俺は少し驚く。

だが、神官長は疑っていないような感じだ。

もし疑っていてもどうしようもないだろうが。

「神殿騎士様、これからどうされるおつもりですか?」

ナナバが聞く。

俺はすぐにでも魔法陣が展開されているところへ行って魔法陣を消したい。

そう喉まで声が出かかっている。

「とりあえずどこか休める場所があればいいのですが・・」

俺は喉まで出かかった言葉を抑え、神官長に聞いてみる。

「それでしたら、神殿にも来客用の休める場所がございます。 神殿騎士様ならなおさらです。 遠慮なく施設をご利用ください」

ナナバは笑顔で答えてくれた。

こんな笑顔で応対されると断りづらいな。

それに、神殿で宿泊したこともないし、今回は泊まらせてもらうか。


「ありがとうございます、神官長様。 ではお言葉に甘えて休息させていただいてもよろしいですか」

俺の言葉を聞くと、神官長は満面の笑みを浮かべ後ろを見る。

「神殿騎士様を宿泊できる部屋に御案内してください。 くれぐれも粗相そそうのないように」

ナナバがそういうと、ガタイの良い神官が丁寧にお辞儀をし、俺たちを先導してくれる。

「神殿騎士様、ごゆっくりとくつろいでくださいませ」

ナナバがそう言って見送ってくれた。


俺はその態度と言葉から頭に浮かんでいた。

神官長、絶対職を間違えてるぞ。

俺はルナを背負い、案内してくれる神官について行く。

それほど移動することもなく、神殿の中庭のようなところへ出る。

結構広い中庭だ。

緑が生い茂って落ち着いた感じがある。

その中庭に5~6個ほどの小さなロッジのような建物がある。

その1個の前に来た。

「どうぞ、こちらをお使いください。 もし何か足りないものがあれば遠慮なく御申しつけください」

そう言って、案内してくれた神官が建物のドアを開けてくれ、去っていった。

ルナはまだ俺の背中で寝ている。


俺たちは建物の中に入ってみた。

入り口から中の部屋に向けて空間が広がっている。

大きな感じがする。

もしかして空間魔法でも使っているのかもしれない。

外からの感じと大きさが違う。

部屋に入って行くと間地切った感じはない。

右端の方にベッドが置かれている。

そこへ行ってルナを横にした。


ベッドの横には丸いテーブルが置かれ4~5人は座れそうだ。

その奥にはキッチンだろうか。

隣部屋に移動してみるとドアがある。

ドアを開けると浴室のようだ。

トイレもある。

なるほど。

一つの空間を思う存分使っているな。

とてもリラックスできる感じだ。

俺はテーブルの前にあるソファに座り、くつろいでいた。


チラッとルナを見ると、少し動いたような気がする。

「・・う・・うぅ~ん・・」

ルナがゆっくりと身体を起こす。

「おや? また部屋が変わったな」

ルナがつぶやく。

いや、あんた寝てばっかりでしょ。

心の声です、はい。


「起きましたか、ルナさん。 ここは神殿の宿泊所みたいですよ」

「そうか・・」

ルナがそう返事をすると、俺の頭にいきなり念話を送って来る。

『テツよ、魔法陣だがな・・』

ルナが言う。

『はい・・ですが、いきなりどうしたのです?』

『うむ。 実はな、先程の神官長だったか、あの部屋でこの辺りの空間を探っておったのじゃが、やはりこの神殿の地下に妙な反応がある』

『地下って・・また魔法陣のようなものですか?』

『そうだろうな』

ルナが微笑みながらうなずいている。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] ものすっごくどうでも良い事なんですけど… バナヘイム神殿 を パナハイム神殿 と空目した!w バとパ、ヘとハ。似てるから仕方ないよネ! しかもどちらも移動と固定の違いはあるけど寝泊まりする…
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