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213 出撃の知らせ



メサイアが顔を少し赤くしてモジモジしている。

「テ、テツ殿・・そんなに力を込めて私の両肩を掴むなんて・・心の準備が・・いえ、テツ殿の事は嫌いではありません。 ですが、こんな場所では・・それに私にもお付き合いしている方がいるのです・・」

は?

何言ってるんだこいつは?

「メサイア・・お前、何言ってるんだ? 俺は訓練場を案内してくれるだけでいいと言ったんだ」

「え? はぁ? こ、これは・・失礼しました。 余計なことは言わなくていいって言われたので、てっきり私のすべてを受け入れたのかと・・」

・・・

俺とメサイアはしばらく見つめ合う。

「だっはははは・・これは失礼しました。 私としたことが・・申し訳ありません」

メサイアがカラカラと笑っている。

俺には言葉がない。

早とちりにもほどがあるだろう。


その後はメサイアがいろいろと案内してくれた。

本当に騎士団員たちはよく訓練するな。

感心した。

レベルよりも基礎訓練に重点を置いている。

動作が無意識で出るくらいに反復練習。

即座に状況から最適の反応が出来る訓練。

凄いな。

・・・

・・

俺はメサイアにお礼を言って騎士団を後にする。

時間は11時頃。

今日は家で食事をしよう。

俺はそのまま帰路につく。



俺は出発の指示があるまで何もすることがない。

平和なことだ。

毎日、帝都ホテル並みの料理が出て来る。

ラピット亭に入り浸っていた頃が懐かしい。

フレイアやばあちゃんなどを指示が来るまでに招待していたりしていた。

凛と颯は、ばあちゃんたちを招待するときには必ず呼んだ。

嫁は来なかったが。


フレイアが来たときには、優とレイアも呼んでみた。

優たちは完全にかかぁ天下のようだ。

俺と同じか・・いや、俺は言葉すら届かなかったからな。

優たちを見ていて思う。

やはりエルフというのは怖いな。


見た目は抜群に良い。

完璧という言葉が当てはまるだろう。

人当たりも良い。

・・・

だが、何故女系社会か何となくわかったような気がする。

男はオスの役目を果たすだけでいい。

後は完璧なんだ。

要らないといえばそれまでだが、邪魔にさえ思える。

これはリアルに生活を共にしないとわからないだろう。

怖いぞ・・。


そしてついに出発の連絡がきた。

時間は21時。

テュールが俺の寝室の部屋をノックする。

コンコン・・。

「どうぞ」

「失礼します」

テュールが静かには行って来た。

「どうしたのですか、テュールさん」

「はい、テツ様・・今、王宮からの係の者が来ております。 お気をつけて」

テュールは余計なことは言わない。

「来ましたか・・わかりました。 すぐに準備をしていきます」

俺はテュールにそう告げると、壁に掛けてある飛燕を手に取る。

飛燕・・俺の相棒・・常に俺を守ってくれていた。

ありがとう。

・・・

これって、フラグだよな?

いや、単純に感謝しているだけだ。

俺はそう言葉を繰り返す。

飛燕を腰にぶら下げて、机の上に置いてあるシルバーをアイテムボックスに収納。

魔弾はかなり作ってある。

実はスーパーノヴァもいくつか作っていた。

使うところはないだろうが、どうしても作ってみたかった。

試してはいない。

ダンジョンにもそれほど行ってないし。


俺は今一度確認すると、部屋を後にする。

テュールたちがリビングで待っていた。

王宮の係の人もいる。

5分も待たせてはいないだろう。

「テツ様、お気をつけて。 お早いお帰りをお待ちしております」

「「お気をつけて」」

ヴェルとエイルも見送ってくれる。

「じゃ、行ってきます」

俺は片手を上げて微笑むと、係の人の後を歩いて行く。


<テツを見送ったテュールたち>


「テュール様、テツ様は大丈夫でしょうか?」

ヴェルが何となく言葉にしていたようだ。

「フフ・・邪王討伐というのは問題ないだろう。 おそらくテツ様に勝てる邪王はいない。 ただ、テツ様の一瞬の判断の遅れが致命的になるかもしれない」

ヴェルとエイルがテュールを見つめる。

「いや、すまない。 おそらく問題はないと思う。 相手が同種族というのと子供たちが邪王化していると、その剣戟に迷いが生じないかと懸念するのだよ」

ヴェルたちはうなずいている。


実際はそのテュールたちの考えは杞憂きゆうに終わる。

テュールたちもテツの雰囲気、見た目に惑わされていた例だろう。

テツは心に決めていた。

子供といえどもレベルを上げていくということは、何かの犠牲の上に成り立っている。

大人と同じ責任を持つ。

女の人だろうが関係ない。

目の前に来た邪王は遠慮なく、迷わず斬る。

何度もシミュレーションしていた。

そのイメージトレーニングがなければ迷っていたかもしれない。

そんなことはテュールたちが知ることはない。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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