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208 レアと一緒



「さて、これからの行動だが・・当初の予定通り、まずは静観する。 数が減ってきたところでの対応となるが・・」

アニム王が話始め、皆で意見の交換を行う。

・・・

・・

会議はそれほど長くかかることもなく終わった。

以前からの準備とルナの攻撃にも耐えうるという言葉が効いたようだ。

邪王の出現のニュースはすぐさま世界のギルドに配信された。

住民たちは案外落ち着いたもので普段通りの生活が変化することはない。

事前教育の賜物たまものだろう。

ただ、他の街へ行くことができないのが残念といえば残念なところだ。

行政などで急を要するときにはゲートを使ったりはするが、それは秘密だ。


アニム王は1人になった時に思う。

邪神王はいわば新世界の試練。

邪王は種族の試練。

テツ・・むごいようだがこの現実を乗り越えなければ、新世界の始まりはない。

すまない・・。



邪王が現れて1日目。

<テツの屋敷>


俺のところにはすぐに情報が届けられていた。

朝起きてくるとテュールが教えてくれる。

俺は朝食を済ませると、ギルドへ向かおうと思っていた。

いきなりアニム王のところに行くのも失礼だろう。

「テュールさん、それではギルドへ行ってきます」

俺はそう告げると家を後にする。

王宮通路へ出るとすぐに声をかけられた。

「テツ様、おはようございます」

王宮の係の人だ。

「あ、おはようございます」

「テツ様、アニム王のところまでお越しくださいますか?」

俺は少し驚いた。

この人、俺が出て来るまでこの通路で待機していたのか?

まぁ、それはいい。

邪王のことだろう。

俺はギルドへ行くことはなさそうだと思いながらついて行く。

時間は7時。


大広間に入って行くとアニム王がいた。

他にも何人か集まっている。

あれ?

レアさんじゃないか。

俺はそう思い近づいてく。

「おはようございます、テツ様」

レアが笑顔で挨拶してくれる。

「おはようございます、レアさん。 それからロイヤルガードの皆さん」

レアに挨拶をした後にアニム王にも挨拶をする。

「おはようございます、アニム王」

「おはよう、テツ。 邪王が現れたよ・・」

アニム王が軽く説明してくれた。

・・・

・・

「まぁ、後3日くらいは邪王同士が戦い続けてくれると推察している。 その後のことだ」

アニム王が言う。

俺は生唾を飲み込み聞き入っていた。

「おそらくレベルが45辺りの魔物となるだろう。 対処できる人間が限られてくる」

アニム王が俺を見る。

・・・

はい、わかっております。

俺も出撃ですね。


「テツ・・すまないが対応してもらえるだろうか?」

アニム王が言いにくそうに言葉を出す。

俺に断る理由などない。

覚悟はしていたことだ。

「はい、もちろんです」

アニム王が目を閉じてうなずく。

「本当にすまないと思っているよ、テツ」

「い、いえ、そんな・・」

「邪王を放置しておいても防御に関しては問題ないだろう。 だが、それでは安心が得られない。 それにそんな魔物を放置できるはずもない」

アニム王の説明を俺とレアたちは聞いていた。

たまにレアが質問をしたりする。

・・・

・・

つまり、俺とレアのグループで北米の邪王の処理に行って欲しいらしい。

詳しくは少し時間を置かなければ、判断できないという。

また呼び出しがあるようだ。


ただ、レアが大喜びをしていた。

アニム王からの依頼を聞いた瞬間に両手を合わせて飛び上がっていた。

間違いなく飛んでいただろう。

「まぁ! 本当ですのアニム様。 これはわたくしの運命の仕事ですわね」

レアがニコニコしながら俺の手を取ってはしゃいでいる。

その後ろで、名前・・忘れてしまった。

ピンクの髪の女が俺をジッと見つめていた。

や、やめてくれ!

そんな無感情の目で見られると、何か俺が悪いことをしているようじゃないか。

他のロイヤルガードたちは、やれやれといった表情だが、このピンク色の髪の女だけは違うな。

何だ?

まぁいい。

レアたちはアニム王とまだ話があるみたいだ。

俺は先に失礼させてもらう。

「ではレアさん、よろしくお願いします」

「えぇ、こちらこそよろしくお願いしますわ、テツ様」

レアは満面の笑みで見送ってくれる。

・・・

戦いだよな?

レアの雰囲気を見ていると、デート気分になってくる。


俺は大広間を出て王宮通路を歩いていく。

ギルドへ行ってみよう。

すると、通路で一人の男とすれ違う。

男が俺を呼び止める。

「テツさんじゃありませんか」

俺は声の方を向く。

ん?

見たことあるぞ・・誰だ?

俺が少し顔を見ていると、笑顔を作って笑いだす。

「フフ・・アハハ・・マティアスですよ」

マティアス?

名前はどうでもいいが、顔は知っている。

え~と・・どこだっけ?

「あ、え・・おはようございます」

俺は名前を呼ばずに挨拶をする。

確かに知っている奴だ。

だが、思い出せない。

「テツさん・・私のことを忘れたのですか? いやそんな感じじゃないですね。 エスペラント国のところの・・」

!!

「あ~! シュナイダーとかいうじいさんのいた・・」

俺の反応を見てマティアスは大きくうなずいた。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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