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202 いらっしゃい



俺たちが会話をしていると、テュールが部屋に入って来る。

「失礼します。 テツ様・・颯様、凛様たちが玄関にお越しになっておられます」

「え、凛たちが?」

「はい」

「わかった、中に通してくれ」

「御意に」

「レアさん、少し席を外しますね。 申し訳ありません・・あ、ほんとだ、謝ってばかりですね」

レアが微笑みつつゆっくりとうなずく。

俺は軽く挨拶をして部屋を出る。


玄関には凛と颯、嫁さんとお義母さんがいた。

優たちはいないようだ。

「パパ~!」

凛が俺を見つけると笑顔で駆け寄ってくる。

「おはよう凛。 いったいどうしたんだ?」

俺は凛を抱っこしながら聞いてみる。

「うん、あのね昨日ね、颯と一緒にパパのところに美味しいものを食べに行こうってなったの・・それでね来ちゃった」

凛が慌ただしく話してくる。

・・・

なるほど。

凛を使って嫁やお義母さんが食べに来たんじゃないのか?

俺は一瞬そんなことを疑ったが邪推だろう。

素直に凛が来てくれたことを喜ぼう。

「そうか・・ようこそ凛・・って、ここは凛の家だぞ」

俺はそう言いながらテュールの方を向く。

「テュールさん、もしよろしければ凛たちの昼食もお願いしてもいいですか?」

テュールがにっこりとお辞儀をして言葉をくれる。

「もちろんでございます」


俺は凛を下ろすとみんなを見渡す。

バーンが颯の頭の上でジッとしていた。

俺の方を見つめている。

何か言いたそうな感じがするが放置しておこう。

颯の頭を撫でながら、

「今、俺の知り合いの人たちが尋ねて来てくれているんだ。 少しここで待っててもらえるかな」

そう言ってヴェルに軽く会釈をする。

ヴェルが近寄って来た。

「ヴェル、悪いけどこの家の中や周辺を案内してやってくれないかな? 俺はレアさんたちに話してくる」

「かしこまりました」

ヴェルが早速凛や颯と仲良くなり、嫁やお義母さんに挨拶していた。

凄いな、ヴェル。

頼むよ。


俺はレアたちを待たせている部屋に戻って来た。

「すみません、お待たせしましたレアさん」

「いえいえ、どういたしまして。 テツ様、凛さんや颯さんが来られたのですか?」

「え?」

俺は不思議に思った。

何故レアが凛や颯を知っているんだ?

面識はないはずだ。

「レアさん、凛たちを知っているのですか?」

俺は思わず聞いてみる。

「はい、少し前にお知り合いになりました」

「そ、そうなんですか。 えっと・・お昼ですが、凛たちも一緒に食べても大丈夫ですか?」

俺はぎこちなく聞いてみる。

「もちろんですわ。 賑やかになって楽しそうですわ」

レアが笑顔で答えてくれる。

「すみませんレアさん。 せっかくお越しくださったのに十分な対応もできなくて・・」

「テツ様、お顔をお上げください。 わたくしはテツ様のお顔を見に来ただけですから、お会いできて十分満足ですわ」

「あ、ありがとうございます」

レアが笑顔を絶やすことなく対応してくれる。

・・・

それからはロイヤルガードたちが俺の身体能力のことなどを聞いてきた。

一番興味を持ってくれたのはゼロのところの話だった。

クイーンバハムートを顕現させたなど、とても驚いていた。


時間は10時半くらいになっただろうか。

レアたちとの会話も終わり、俺たちは部屋から出る。

エイルがスッと近寄って来て俺にささやく。

「テツ様、ご家族様は外で過ごされております」

「ありがとう、エイル」

俺はお礼を言うとレアの方を見る。

「レアさん、凛たちが外でいるみたいなので呼んできますね」

「そうですか、わたくしもご一緒してもいいですか?」

俺に断る理由はない。

「もちろんです」

俺たちは外へ出る。


外は緑の草原が広がっている。

無茶苦茶広いわけではないが、牧場と呼べないこともない。

そこではドラゴンが飛んでいた。

バーンだ。

通常の大きさに戻って、颯たちを乗せて遊んでいた。

嫁とお義母さんは簡易的なテーブルと椅子に座って飲み物を飲んでいるようだ。

ヴェルが接待してくれていた。

完璧だなヴェル。


俺たちが近づいて行くとヴェルがそっと俺のところへ近寄って来た。

「テツ様、颯様のテイムされている魔物ですが、ドラゴンでしょうか?」

いきなりヴェルが聞いてくる。

「あぁ、そうだよ。 ワイバーンから進化したんだ」

俺が答えるとヴェルが少し沈黙する。

・・・

「ドラゴンのテイムとは珍しいことです。 お館様もさぞ驚かれる・・」

「オヤカタ様?」

俺はヴェルの言葉に驚いた。

ヴェルが慌てて言い換える。

「えへん、申し訳ありません。 あるじ様もお人が悪い。 さすがテツ様のご子息様です」

「やはり珍しいのかな?」

「えぇ、私の知る限り、片手で数えれるほどの人しかおりませんし、現在ではドラゴンテイマーは絶えているのではないですか?」

俺はヴェルの言葉を聞きながら思う。

そういえば、ドラゴンをテイムしてる人なんていないよな?

帝都騎士団はワイバーンを使役しているが、進化したなんて話は聞いたこともないし。

ということは、颯は凄いのだろうか?

よくわからない。

俺がそんなことを考えているとレアが嫁に近寄っていた。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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