表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/236

2 神官長

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

感謝です。


途中、いろいろと話が盛り上がった。

この遺跡までかなりの時間をかけて来るそうだ。

何故かわからないが、自分の力で登って来ないと到達できないという。

他の移動手段を使うと、入り口付近をループするようだ。


また、神殿都市と呼ばれる都市国家に属しており、周辺諸国とも争わずに良好な関係を築いているという。

ただ、死霊国家という国があり、生きている人の近寄るところではないらしい。

この世界は、魔法と機械文明の融合した世界のようだ。

聞いているとアニム王国みたいだが、それほど発達しているようでもない。

とにかくそんな感じだ。

後、俺たちはどこかの王族の忍び旅なのですか? と聞かれた。

ルナJrが偉そうに話すのと、俺が従者のように見えると言う。

なるほど・・そういうことにしておこう。

俺は内緒にしておいてくださいねと伝える。

ルナJrは笑っているだけだ。


また、この世界にはいろんな都市があると言う。

農業や漁業などの生産に特化した都市。

鍛冶や工業に特化した都市。

他にもいろいろあるようだが、それらを統括している感じになっているのが神殿国家らしい。

そういった都市が世界にはあるようだ。

諸外国は魔法や技術に偏りがあり、そのバランスが整い勢力が一番大きいのがこの神殿国家、ブレイザブリクの国という。

・・・

・・

いろいろと教えてもらい、この世界の大まかな感じがつかめた気がする。

この子の名前はスノトラというらしい。


あ、ステータス画面が見えるのかどうか試してないや。

俺はそう思い、女の子の後ろを歩きながらステータスオープンと念じてみる。

パッと現れた。


テツ(ランクSS)

レベル:53

種族 :人?

HP :1010/1030 

MP :950/950 

力  :1050     

防御 :998     

敏捷 :1210     

技能 :889    

運  :77    

職業 :超人9


固有スキル 

神威かむい

祝福☆+Δ(デルタ)

神光気しんこうき

調理4


う~ん・・この世界で、これが凄いのかどうかわからない。

でも、ステータスが出るということは能力もそのままだろうな。

俺はそう思うとルナJrを見て、念話を送ってみる。

・・・

ルナJrが俺を見て、

「なんだ、テツ? 夜伽よとぎにはまだ早いぞ」

ブフォ!!

ゴホ、ゴホ・・。

「あ、あのね、ルナさん。 念話を送ろうとしたのですが、ルナさんとパーティになっていないと思いまして・・」

ルナJrはすんなりと受けれてくれた。

これで念話が送れる。


俺が咳き込んでいると、スノトラが心配そうに振り向いた。

「どうかされましたか?」

「い、いえ、ちょっとお姫様が変なことを言うもので・・」

俺は慌てて答える。

スノトラは笑いながら、前を向き直って案内してくれる。

ほんっとにこのルナJrは・・何考えているのかわからないな。


「あ、見えてきました。 あの神殿が私の所属するところです」

スノトラがそう言って指をさした先に、近代的な感じのする建物があった。

俺は神殿などというから、てっきりギリシャ神殿のようなものを想像していた。

全然違った。

まだ、アニム王国の方が神殿らしい雰囲気がある。

これはオフィスビルに近いじゃないか。

ちょうど東京都庁のような感じだ。

その神殿に近づいて行く。

人が結構行き交っている。

スノトラがみんなと挨拶しながら、俺たちを先導してくれる。

「神官さん、今日もお勤めでしたか?」

街行く人たちが笑顔で挨拶をする。

スノトラも「はい」と元気よく答えていた。


『ルナさん、このままついていっても問題ないですかね?』

俺はルナJrに念話を送ってみた。

『なんだテツ、そんなことを気にしていたのか。 問題ないだろう。 もし気に入らなければ、この一帯を吹き飛ばせばいいんだ』

『・・あのね、ルナさん。 そんなことできるわけないでしょう』

『わかっている。 冗談だ』

ルナJrは別に表情を変えるでもなく、前を向いてついて行く。

ほんとにこの人は疲れるよな。

なんか俺って、振り回されてない?


スノトラが通路先の扉の前で何やら操作をしている。

「スノトラです。 ただいま帰りました」

「どうぞ」

ドア越しにでもはっきり聞こえる声で案内された。

スノトラが俺の驚いた顔に気づいたのか、説明してくれる。

「あ、テツさん、これは扉越しに会話できるようになっているのですよ。 相手の許可があってのことですけどね」

そう言いながら、扉の中へ入る。


目つきの厳しい、少し年配の女の人が大きな机に座ってこちらを見ていた。

横には細身の若い男が立っている。

「スノトラ、その方々は?」

年配の女の人が言う。

「はい、神官長様。 あのストーンサークル遺跡のところで迷子になっておられた方々です」

スノトラがそう報告をすると、神官長の目が一瞬ピクッとなった。

「遺跡で? どういうことですか」

・・・

・・

スノトラが、俺たちが説明した通りに説明していた。


神官長と横の若い男が向き合って、何やら少し会話していた。

「わかりました。 スノトラ、お疲れ様でした。 旅のお方は少しお話を聞かせてもらってもよろしいですか?」

神官長がそう言うと、スノトラは挨拶をして部屋を後にした。

扉が閉まる。

神官長が立ち上がり、俺たちの前に来た。


「あなた方は、この世界の住人ではありませんね」

俺は驚いた。

この人は外の世界というのを知っているのか。

俺はすぐに答えれなかった。

ルナJrが答える。

「そうだ。 どうやら転移させられたようでな」

「転移ですと・・」

神官長がそう言うと、若い男を見てうなずく。


少しすると、若い男がボードパネルのようなものを持ってきた。

「旅の方、このパネルに手を置いてもらってもよろしいかな?」

神官長が言う。

「あ、すみません。 説明不足でしたね。 これは触れた人のステータスを表示させるものです。 あなた方は遺跡に転移させられたということですね。 普通の方々ではないのは明白です。 もしこのことが知られるようなことになれば大変なことになります」

神官長は真剣な顔で言う。

俺が少し考えていた矢先、ルナJrは何の躊躇ちゅうちょもなくパネルに手を置いていた。


ボードパネルが黒がかった紫色に光る。

神官長と若い男はまぶしそうに腕で目を塞ぐ。

すぐに光は消えた。

神官長と若い男がボードパネルを見つめる。

・・・

しばらく見つめている。

ゆっくりとルナの方を向く。

「あ、あなた様は夜の王の使徒様なのですね。 これはご無礼をいたしました」

神官長と若い男が頭を下げていた。

「別に良い。 それよりもなぜワシの種族を知っておる」

ルナJrが聞く。

「は、はい。 我々の種族といいますか、この世界の住人ですが、どこか他星系の移民者らしいのです。 もう長い時間が経過して、詳細がわからなくなっております。 今のこの世界では神々が絶えて久しいのです。 勝手に神を名乗って振舞っている輩はおりますが、まさか本物の使徒様に出会えるとは思ってもみませんでした」

神官長は何やら興奮しているようだ。

「使徒か・・」

ルナJrがつぶやく。

「何かお気に障るようなことを申しましたか?」

神官長が不安そうな顔を向ける。

「いや、なんでもない」

ルナがそう言うと、今度は俺の方を向いてきた。


「そちらの従者の方も一応確認したいと思いますが・・」

神官長が言う。

従者ですか・・ま、いいけどね。

俺は嫌な顔をすることもなく、ルナJrと同じようにパネルに手を置く。


パネルが今度は白く発光する。

神官長と若い男は、また眩しそうに腕で目を保護する。

すぐに光も収まってきた。

神官長と若い男は沈黙してパネルを見入っている。

・・・

動かないな。

俺がそう思って見ていると、神官長がゆっくりと俺の方を向く。

即座に若い男と一緒に床にひれ伏した。

「も、も、申し訳ありませんでした! まさか龍神様の眷属の方だとは・・それを従者などと・・どうか、どうかお許しください」

俺は気が滅入ってしまう。

あのね、年配者が簡単にそんな態度をするものじゃないですよ。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

よろしければ、ブックマークなど応援お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ