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181 ミノタウロスを一撃?



キョウジの戦闘スタイル。

素手で戦う格闘スタイルだ。

そういえば、京都でも徒手格闘だった。

俺とのレベル差があるにも関わらず、何かヤバい感じがしていた。

キョウジは自分のスキルを隠すのでもなく、思う存分使って戦っているようだ。

自分の能力を確認しているのかもしれない。

ただ一言、強い。

全く危なくない。

瞬時に相手の弱点を見極めて攻撃をしかける。

その攻撃は容赦がないというよりも、迷いがない。

キョウジとは基本が違っているように思う。

俺もゼロやイリアスに鍛えてもらったはずだ。

それなのに何か違う。

才能。

そんな言葉が俺の頭に浮かぶ。

俺は頭を軽く振って考えを吹き飛ばす。


経験を積み重ね、その才能が持っているポテンシャルを埋めるべく努力をするのだろう。

そして、その才能に追いつき追い越す。

俺が今まで生きてきた中でその瞬間がとても充実していたはずだ。

そして、努力で超えた壁は確実に自信になる。

才能ある者が同じ努力をすれば脅威だが、そういう人物は稀だろう。

だが、このキョウジはその才能を伸ばすという言葉ではなく、無駄なく使っている感じだ。

戦うその姿を見ていると、単純な言葉で片づけたくなる。

天才。


「キョウジさん、あなたの戦闘は凄いですね」

俺は素直に言葉に出す。

「ヘッ、テツこそ刀で戦うスタイルが随分サマになっているじゃねぇかよ」

「ハハ・・でも、こんな世界になるまでは刀なんて持ったこともなかったですよ」

「そうかい」

「はい・・でも、時代劇などは好きでしたね。 それに昔の剣客の話なんかも好きでしたから、その自分なりのイメージが出来上がっていたのだと思います」

あれ?

何正直に話しているんだ、俺は。

俺はついつい余計なことまで口走っていた。

・・・

俺たちは何の問題もなく39階層に到達していた。


俺は以前に来たことがあるはずだが、どんな魔物がいるのか忘れていた。

ただ、41階層・・タイタンがいたはずだ。

あれは脅威だった。

その強烈なイメージだけは焼き付いていた。

ピ!

ミノタウロス:レベル39×2、バジリスク:レベル33×5などが強そうな魔物だろう。

後はどうということはない。

「テツ、お前さんは相手のレベルや種族がわかるスキルを持っているんじゃねぇか?」

キョウジが聞いてくる。

俺は少し迷ったが正直に答えてしまった。

「え、えぇ、すべてではないですが、わかる魔物もいます。 それでこのフィールドにはレベル39:ミノタウロスという魔物が一番高レベルですね。 それが2体います」

「アハハ・・テツ、正直に答えるこたぁないぜ。 自分のスキルを相手に言ってどうする? ま、いいさ。 さてと、そのミノタウロスとやらを拝んでおくか。 俺も相手のいる位置はわかるんだがな」

キョウジは話しつつ、まっすぐにミノタウロスに向かって進んで行く。

途中、バジリスクが迫って来たがお互いに瞬殺。

ミノタウロスが目視できるところまで来た。


ミノタウロスが斧を振り上げて振り下ろそうとしていた。

俺は思いだした。

そういえば、こいつら固有結界を作るんだった。

「キョウジさん、こいつら固有結界を作って自分の有利なフィールドで戦わされるんですよ」

俺がそう言い終わらないうちにキョウジがさらに駆け出していた。

速い!

キョウジは一気にミノタウロスの眼前まで進む。

ミノタウロスの斧が既に振り下ろされていた。

!!

斧が地面に到着するよりも前に、キョウジの拳がミノタウロスのボディを貫く。

俺は驚いた。

固有結界など無意味じゃないか。

発動前にその本体が倒されるんだからな。


キョウジがミノタウロスのボディから片手を引き抜くと、隣のミノタウロスの斧が地面と衝突して金属音が響く。

ガキィィーーーン!!


前にフレイアと来たときには妙な膜のようなものが広がったが、今は何も起こらない。

ミノタウロス2体が同時に行動しなければ、固有結界は発動しないのかもしれない。

詳しくはわからないが、とにかくただのミノタウロスになった。

それにしてもレベル39のミノタウロスだろ?

それを1撃で仕留めたな。

やはりあのキョウジという男は脅威だ。

別に敵対的ではないが友好的でもない。

誰の指図も受けない感じだな。

だが、妙に信用できそうな気がする・・なんだ?

俺がそんなことを考えていると、もう1体のミノタウロスもキョウジが片づけていた。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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