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172 楽観



「後藤、岩を魔法で投げれないか? ゴーレムが避けれないように俺が腕とかを切断するよ。 木村の攻撃でわかった。 頭を潰せばいいんだよ」

後藤は目を大きくしてうなずく。

すぐに魔法を詠唱し始める。

山下はゴーレムに向かってダッシュした。

木村は山下が向かっていない方のゴーレムに照準を合わせる。

次の発射まで少し時間がかかるようだ。


山下がゴーレムの右腕、左腕と順番に切断していく。

その後で足も切断していった。

「山下ぁ、ゴーレムがバランス崩すと狙いがつけられねぇ」

後ろから後藤の声が聞こえた。

山下は片手を上げて応える。

2人とも木村の一発で余裕が出てきたようだ。

山下が四肢を切断したゴーレムの腕が再生しようとしていた。

だが、再生よりも早く後藤のストーンバレット、岩の塊が飛んでくる。


ドン!

見事にゴーレムの頭にヒット!

岩が突き抜けて、ゴーレムの後方へ落下。

同時にゴーレムが砂のようになって崩れていく。

「後藤、やったな!」

山下はそう声をかけて隣のゴーレムを見る。

!!

その瞬間、ゴーレムの頭部が弾け飛んでいた。

山下は目線を木村へ急速移動。

木村がゆっくりと立ち上がろうとしていた。


山下と後藤は木村のところへ集まって行く。

「木村、魔法の上塗りか? 強い魔弾を放つなんてよく思いついたな」

山下が声をかける。

「さっきレベルが上がっただろ? それで試してみたんだ」

「なるほどな・・やっぱゴーレムは頭部が弱点だったんだ」

3人は少し疲れているようだったが、負傷はしていない。

一息つくと同じ方向を見る。

ジャイアントだ。

「あの上位種・・結局動かなかったな」

「あぁ、いったい何だろうな」

「お前たち、大丈夫か?」

「問題ない」

3人はお互いに確認すると、ジャイアントに向かって歩いて行く。

!!

あるところまで行くと、最初の時の行動をジャイアントがおこなう。

何かを投げるモーションだ。

見る間に大型トラックくらいはあるだろう岩が飛んできた。

ドォォーーーーーン!

山下たちのところに岩が突き刺さる。

初めに飛んで来た岩も、同じような位置に突き刺さっている。

山下たちは後ろへジャンプしていた。

するとジャイアントはまた動かなくなる。

3人はお互いに顔を合わせてうなずく。

「もしかしてあの上位種・・一定の距離にならないと攻撃をしかけて来ないのか?」

「俺も同じようなことを考えていた。 自分のエリアがあるんじゃないのかって・・」

山下たちは突き刺さった岩を横に見る位置まで移動する。

すると、ジャイアントがまた同じようなモーションを繰り返して岩を投げてきた。

岩に当たることなく回避。

そして山下たちは確信する。

お互いにうなずき合った。

「間違いない。 上位種はバカだ」

「山下の言う通りだな。 一定の範囲にならないと攻撃をしてこないようだ」

「ゴーレムもそうだったが、動きはそれほど速くない。 岩に気を付ければ問題ないだろう」

「そうだな。 3人で距離を取って近づけば一度に攻撃をするのは不可能だろう。 そして、俺たちなら上位種の攻撃を受けることはない」

山下たちは楽観的な見方をしていた。

急速なレベルアップで判断力が甘くなっているようだ。


<キョウジ>


キョウジは山下たちを見ながら思う。

やっぱ子供か。

ゴーレムを倒した時も弱点が頭らしいことはわかっていたようだ。

だが雑だ。

頭ごと吹き飛ばしたから何とかなったものの、もしもの時のことを考えていないのか?

今もそうだ。


ジャイアント。

大戦の前にはまだ街の外にいた魔物だ。

泉のところで保護され、街の外の警戒などをしていると遭遇することがあった。

力だけの魔物だが、舐めていると一気に形勢が逆転する。

あの岩の塊、距離がある時は避けることは何ともない。

ただ距離が近づくと想像を超える回転数で投げてくる。

それにその大きさゆえに避けるモーションも大きくならざるを得ない。

まぁ、よく見ていればなんてことはないのだが。

ジャイアント本体の強さも大したことはないが、あのガキどもはどうやるのやら。

キョウジは状況を分析しつつ観察することを継続。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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