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170 順調に進む



!!

山下たちがお互いに顔を見合わせた。

目を大きくしてうなずく。

「い、今、レベルが2つ上がらなかったか?」

「あぁ、2回レベルが上がりましたって聞こえたぞ」

「ま、マジか?」

「俺たちって、レベル30を超えて、31になったって言うのか?」

また3人はお互いに顔を見合わせてから笑う。

「アハハ・・・最高だな、帝都ダンジョンは!」

「あぁ、全くだ!」

「こんなに簡単にレベルが上がるなら、余計なことをしなくて良かったよな?」

「あぁ、俺たちが地上最強だぜ」

「間違いないな」

「あの福本・・サクッとやってやるぜ」

「ハハ・・山下、あんな小物、今となってはどうでもいいじゃねぇかよ」

「そうだよなぁ・・だが、けじめはつけなくちゃな」

「山下は執念深いな・・怖い怖い」

「後藤、お前も結構ネチッこかったぞ」

「あ、それを言う? あの街の女だろ? あいつが言うことを聞いていれば死なずに済んだんだよ」

「まぁ何でもいいや。 少し休憩したら戻って福本でもやるか」

「山下、そればかりだな。 次のエリアをカウントさせて少し様子を見てから考えるぜ。 こんなに軽くレベルが上がるのなら後少し上げたい気がする」

「まぁな・・次を見てからだな」

・・・

山下たちは完全に浮かれていた。

次の階層への入り口を探して歩いて行く。

歩いていると、驚いた顔をして転がっている石像を見つけた。

「おい・・これ見てみろよ」

「うぉ! 今まで生きてたみたいな石像だな。 それにこの表情、リアル過ぎるぜ・・」

山下たちがそこまで言葉にした時だ。

すぐに理解した。

!!

「こ、これって、バジリスクに石化された奴じゃね?」

「あぁ、さっき逃げて行った奴が言ってた仲間か・・」

山下たちは辺りを見渡す。

「これ一体しか見当たらないな。 たった2人でこの階層に来たのだろうか?」

「まさか・・もしそうなら帝都の冒険者もなかなかやるな」

実際は5人パーティだったのだが、3人は石化して食べられていた。

・・・

山下たちは顔を見合わせてうなずく。


山下が抜刀。

後藤が山下にバフをかけていた。

「ふぅ・・」

ザン!

山下が石像を両断する。

石像はしばらくして消えていく。

「あれ? やっぱレベルは上がらないな」

「ハハ・・やっぱり帝都の冒険者は大したことはなかったんだ」

「あぁそうだな。 あの逃げた奴は最高の判断をしたようだ」

「運が良いいやつだ、全く」

・・・

山下は悪びれるでもなく剣を収納し、仲間と一緒に次の階層への入り口に向かって行く。


「・・・」

キョウジは静かに笑い、一定距離を保って後をつけて行く。


<31階層>


山下たちはこの階層に足を踏み入れて辺りを見渡している。

「きれいだなぁ・・」

木村がつぶやく。

「あぁ、全くだ。 こんなエリアがあるんだな」

「さすが帝都ダンジョンだ」

「もしかしてこのエリアって、ヒールエリアか?」

「わからないな。 だが、雰囲気としては圧迫する感じはしない」

木村が言う。

「俺もそう感じる」

後藤もうなずきながら答える。

山下たちの周りに木々の間から光が差し込んでいる。

「山下、少しこの森で休憩して行こうぜ」

「そうだな。 どうせ俺たちみたいにこんなところまで来る奴なんていないだろうしな」

ゆっくりと歩きながら森の中を進んで行った。

キョウジも気づかれずに一定距離を保って尾行する。


何の問題もなく31階層を通過。

山下たちは次の階層へと向かって行った。

「完全に回復できたな」

「あぁ、食事もできたし完璧だ」

「俺もだぜ。 ステータスチェックしてみたが、レベル31ってのが信じられねぇ。 それに固有スキルが増えていたぜ」

「お前もか・・どんな・・いや、これはお互い聞かない約束だな」

「フフ・・あぁそうだ」

山下たちは笑顔で32階層へ向かって行く。


「後藤、この32階層をカウントして地上へ戻っていいんだぜ」

山下が言う。

「戻る気もない癖によく言うぜ。 さっきのエリアで完全に回復できたからな」

「帝都って、何階層まであったっけ?」

「ギルドが言うには60階層まであるって話だったぜ」

「そうだな・・そんなこと言ってたよなぁ」

「それに40階層って誰も到達してないって言ってなかったっけ?」

「忘れたよ」

そこまで会話した時だった。

前方からゴーレム:レベル32×3、ジャイアント:レベル33が迫って来る。

上空では多くのガーゴイルたちが円を描いていた。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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