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159 間違いなくダメ人間になるな



なるほど・・この状況を利用すればお手つきもアリなのか。

だが、俺にはそこまでの性欲はない。

それに、もしそうなれば今までの信用が崩れていく感じがする。

付け加えて、フレイアが怖い。

レアにしてもそうだ。

ロイヤルガードたちが恐ろしい。

何をされるかわからない。

こりゃ嫁とは違った意味で女が怖くなるな。

おっと、そんなことより風呂だ。

風呂の扉を開ける。

・・・

おい、何だこの広さは。

家の風呂だろ?

10人くらいは余裕で入れるぞ。

こんな広いのは要らないだろう。

後でテュールさんに相談しよう。

掃除も大変だ・・って、魔法で掃除ができるから問題ないか。

しかし、広ければいいってものじゃないだろう。

変に俺の貧乏性がうずく。


お風呂を堪能し、外に出てきた。

エイルが待っていた。

「あ、エイル、ありがとう」

エイルが静かに頭を下げる。

俺はそのままリビングへ向かう。

リビングではテュールが冷たい飲み物を用意してくれていた。

・・・

もはや俺に言葉はない。

至れり尽くせりだ。

間違いなく、俺はダメ人間になる。

俺は席につきながら飲み物を飲む。

さっぱりとしていておいしい。

なんだこれ?

いつも風呂上りは水だけだったが、これはいったい?

「テュールさん、この飲み物は何ですか?」

「はい、帝都で採れる果物を混ぜて作ったジュースです。 一日の疲労が取れますよ」

「おいしいです」

俺はゆっくりと飲み干した。


「ふぅ・・おいしかったです。 あ、それとテュールさん、こんなに俺にしなくてもいいですよ。 自分のことは自分でしないとダメ人間になってしまいます」

俺の言葉にテュールが笑う。

「ハハハ・・テツ様、ありがとうございます。 これも我々の仕事です。 お気遣いなく。 それにテツ様は今でも十分手のかからないお方です。 我々の仕事がなくなってしまいます」

「そ、そうですか」

ヴェルとエイルもうなずいていた。


さて、俺があまり長いこと起きているとみんな眠れないだろう。

寝るか。

時間は22時。

「テュールさん、それにヴェルとエイル。 今日はありがとう。 また明日からよろしくお願いします」

俺はそう挨拶すると、寝室へと向かって行く。

ヴェルが案内してくれるようだ。


<テツの就寝後>


テュールたちは明日の準備と片付けを終えるとリビングに集まっていた。

時間は22時30分。

「ヴェル、エイル、どんな感じかね、テツ様は?」

ヴェルが答える。

「はい、まだ初見ですが、何と申しましょうか・・自然体といいますか、欲がないといいましょうか・・不思議なお方です」

「えぇ、私もそう感じました。 王様からは邪神王の時に命を助けられたと聞かされておりました。 もっとの強い方かと思っておりましたが、逆にその強さすらうかがえません」

エイルが言う。

「ふむ。 確かにな。 ミランからも聞いていたが、実際接してみると駆け出しの冒険者のような印象を受ける。 だが、その動きや目の奥に感じる深さを覗こうとすると身震いを感じる。 決して触れてはいけない何かがそこにあるような感じだな」

テュールの言葉にヴェルが反応する。

「本当ですか? テュール様」

テュールはうなずく。

「まぁ、まだまだこれからお付き合いしていくお方だ。 我々も出来る限りのことをしたいと思う」

「「はい」」

ヴェルとエイルはゆっくりとうなずいた。



朝4時半。

俺はいつも通りに目が覚める。

しかし、こんな時間に起きてはテュールたちが迷惑するだろう。

俺は布団の中で少し時間を潰す。

それにしても、この部屋も広いな。

どこのスイートルームだ。

部屋にも風呂があるし。

あの広い風呂って必要なのかな?

そんなことを考えていると5時になっていた。

俺は起き上がり、身体を整えてリビングへ行く。


「おはようございます、テツ様」

リビングの入り口でテュールが挨拶をしてくれた。

「あ、おはようございますテュールさん。 早いですね」

「いえいえ、いつもの私の時間でございます」

「テュールさん、俺いつもこれくらいの時間に起きてきますので、よろしくお願いします」

俺はテュールにそう伝えてみた。

確かに、家の主の行動時間がわからなければ苦労するだろう。

教えておけばテュール達の負担も減る。

テュールは3時か4時くらいには起きていたんじゃないか?

俺はそんなことを思いながらリビングに入って行った。

エイルが手を差し出して案内してくれる。

「おはようございますテツ様。 どうぞこちらへ」




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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