表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

158/236

158 ハーレム?



俺は一応ポーネにお礼を言って席を後にする。

ポーネが笑顔で見送ってくれた。

もしかしたら、ポーネの優しさだったのかもしれない。

俺のレベルダウンやいろんな事案など、詳細はわからなくともそれとなく感じるのだろう。

ギルドの受付をやっているんだ。

人を見る目はあるだろう。

俺はギルドを出る前に一度振り向いて、ポーネに軽く手を振ってみる。

・・・

ポーネは違う人を接客していた。


<嫁の家>


時間は21時15分。

凛たちは魔法で身体をきれいにして寝る用意をしていた。

「ママ、今日はとってもおいしかったね。 それにしてもパパすごいなぁ」

「うん、テツってすごいな」

颯もバーンを頭に乗っけてうなずいている。

「神様すごい、神様すごい」

バーンが颯の頭の上でオウムのようにしゃべっている。

スラちゃんがスリスリと颯にすり寄ってきていた。

それを凛が抱っこする。

「キャッ、スラちゃん冷たぁーい」

颯があくびをする。

凛もつられてあくびをした。

「ふぁあ・・颯ぇ、もう寝ようか」

「うん。 お腹もいっぱいになったし・・おやすみママ」

凛と颯は一緒に寝室の方へ歩いて行った。


お義母さんと嫁がリビングで座っている。

「梓、あなたもテツさんのところで住ませてもらったら?」

お義母さんが軽く聞く。

「・・うん」

嫁は歯切れの悪い返事をする。

「そうしたら、私も一緒に住まわせてくれるかしら?」

お義母さんはポジティブシンキングのようだ。

「そ、それは難しいんじゃないかしら・・」

嫁が答える。

「どうして?」

「だって、パパさんは一応英雄でしょ? だから特別な扱いになったんじゃないのかな。 よくわからないけど」

「あ、そうか・・そうよね。 テツさんのお母さんも一緒に住んでないわけだし、無理ね。 でもねぇ・・改めて考えてみたらもの凄いことが起こっているわね。 昔の生活が考えられないわ。 今だって空中都市ですものね。 それにいろんなことをするのも魔法なんてあるし、いいことだらけだわ」

お義母さんは1人つぶやきながらニコニコと上を向いていた。


嫁は素直に喜べない。

あの旦那とは一応家族としてつながりがあると思っている。

だが、私はパートナーとして必要ないと言われた。

私もどうでもいいと思っていた。

だが、現実の格差を感じている。

私も以前から比べれば、遥かに豊かな生活ができている。

問題はない。

だが、あの旦那は規格が違う感じがする。

言葉にならないが、旦那との間に決して埋められない溝を感じ始めていた。


<テツの屋敷>


俺は自分の家に帰って来ていた。

家に入るとヴェルが出迎えてくれる。

「お帰りなさいませ、テツ様」

「ありがとう、ヴェル」

俺は片手を上げて礼を言う。

家の中はきれいに清掃されていた。

俺がギルドに行って帰ってくる間に片づけたようだ。


するとテュールがやってくる。

「テツ様、お身体をきれいにされてはいかがですか? お風呂がちょうどよい感じに整っておりますよ」

「あ、そうか。 お風呂もあったのですね。 わかりました、ありがとうございます」

俺はテュールにお礼を言って風呂場に向かう。

エイルが案内してくれた。

「テツ様、こちらです」

「エイル、ありがとう」

俺はエイルの前を通過して風呂に入って行く。

「テツ様、お背中でもお流しいたしましょうか?」

エイルが言う。

俺の足が止まる。

背中を流す?

どこのドラマだ。

「エイル・・冗談だよな?」

俺は取りあえず聞いてみる。

「いえ、冗談ではございません。 我々はテツ様のお世話をするためにここにいるのです。 何等ご遠慮はいりません」

エイルは微笑みながら答える。

・・・

マジか。

エイル・・美人というよりかわいい感じがする。

こういった子が傍にいてくれる方が一番幸せなのかもしれない。

フレイアは確かに美人だが、凶暴さも見えるしなぁ。

などと、勝手な理屈が俺の頭に浮かぶ。


俺はエイルの顔をしばらく見つめていた。

「テツ様、私に恋愛対象を求めておられるのでしたら、無理でございます」

エイルがはっきり言う。

「は? まだ俺、何も言ってないけど・・」

「テツ様、我々はお世話係です。 テツ様とは立つべき位置が違います。 それに、フレイア様やレア様・・とても恐ろしい方々です・・おっと、これはご内密にお願いします」

エイルが少し慌てた感じで話す。

可愛いぞ、エイル。

「い、いや、そういうわけじゃないんだが・・まぁ、背中くらいは自分で洗うよ。 俺が動けなくなった時によろしく頼む」

「わ、わかりました」

エイルが顔を赤らめながらうなずいていた。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


よろしければ、ブックマークなど応援お願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ