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146 奇跡



魔石をアイテムボックスから取り出し、俺は並べてみた。

特に高いレベルの魔石を並べる。

レベル40くらいの魔石がゴロゴロと並ぶ。

アニム王も同じように魔石を並べてくれた。

魔石を見ながらアニム王はうなずく。

「うむ、問題ないだろう。 早速始めるかね?」

アニム王がさらりと言う。

ゼロもイリアスも成り行きを黙って見守っている。

!!

「あ! アニム王、凛の時間ですが、城戸と出会う前に戻していただけませんか?」

俺はパッと閃いたことを言う。

アニム王が不思議そうな顔で俺を見る。

俺はおそるおそる聞く。

「はい、せっかく戻るのなら怖い思いを残したくないのです。 可能ですか?」

アニム王はゆっくりとうなずく微笑む。

そして、凛の魔法ステッキをベッドの上に置く。

両手を広げて何やら詠唱していた。


凛の復活には俺の血筋による恩恵というか、つながりが必要らしい。

俺は凛の魔法ステッキに触れる。


アニム王の腕が白く光る。

凛の魔法ステッキのところに小さな光の粒が集まって玉を作っている。

その玉が白から金色や銀色に輝きながら人の形になっていく。

・・・

・・

しばらくすると、凛がそこに居た。

俺は思わず膝をついてしまった。

「凛・・」

それ以上の言葉は見つからない。

・・・

ゆっくりと凛が目を開けて起き上がる。

何度がまばたきをして、周りを見渡す。

俺とばあちゃん、じいちゃんの顔を見るとキョトンとした顔でつぶやく。

「パパ、どうしたの? それにばあちゃんも・・ここはどこ?」

!!

凛だ!

凛がいる。

「うぅ・・」

俺はただ震えていた。

目からは自然と涙が溢れていたようだ。

言葉が出せず、しかも動けないでいる。

そんな俺は泣きながらうなずくだけだった。


「パパ、どうして泣いているの? 変なの」

凛が俺に近寄って来て俺の頭を撫でる。

「よしよし、パパどこか痛いところあるの?」

「凛ちゃん!」

ばあちゃんが凛を呼ぶと同時に凛をギュッと抱きしめていた。

じいちゃんは俺の後ろで黙って泣いているようだ。


「ば、ばあちゃん苦しいよ」

凛が言う。

「あ、あぁごめんよ凛」

ばあちゃんは凛をベッドに座らせる。

「ばあちゃんもどうして泣いているの?」

「あぁ、これかい? テツも私もうれしいんだよ」

「ふぅ~ん・・」

ばあちゃんがもう一度凛をギュッと抱きしめる。

周りの人たちは微笑みながら黙って見ていてくれた。

しばらくするとアニム王が話す。

「凛ちゃん、君はね王宮の近くで転んで気を失っていたみたいなんだ。 それでここへ運んできたのだよ」

凛がアニム王の方を向いて不思議そうな顔をしている。

「・・ふぅ~ん・・そうなんだ。 ありがとうございます」

凛は少し考えていたかと思うと、アニム王にお礼を言っていた。

アニム王はうなずくと、俺に少しいいかなと言って部屋を出て行く。

みんなもゾロゾロと部屋を出て行った。

部屋の中には、ばあちゃんとじいちゃん、それにフレイアと凛が残っている。



部屋の外に出るとゼロが俺に話しかけてくる。

「テツ、良かったね。 また後でね」

ゼロはそれだけを言うとイリアスと一緒に王宮を後にした。

「テツ、今回の件ではいろいろと課題ができたよ」

アニム王が言う。

俺は黙ってアニム王を見る。

「ま、今から少し政務官やギルドなどと協議をする。 明日にでもまた来てくれないか?」

「え、えぇ、わかりました。 それよりもアニム王、本当にありがとうございました。 なんと感謝してよいやらわかりません」

俺は大きく頭を下げ、心からお礼を言った。

「気にすることはない。 私はできることをしただけだ。 それにテツのステータスにも何か変化はないかな? 時間遡行をすれば、何らかの代償を支払わなければいけないと思うよ」

「え? あ、はい、わかりました。 後で確認してみます。 それよりも、代償を支払うというと・・アニム王も何かあるのですか?」

俺は即座にそれを思った。

「いや、私自身が媒体になっているわけではないので問題はない。 君が凛ちゃんの遺物に触れていただろう。 君が支払っているはずだ」

アニム王の言葉を聞き、俺は安心した。

俺の代償など安いものだ。

「アニム王、本当に、本当にありがとうございました」

俺はまた深く頭を下げお礼を言う。

アニム王たちは俺の肩をポンと叩いて去っていく。

ルナも一緒について行ったようだ。

俺はアニム王たちの背中をしばらく見送っていた。

早速ステータスを確認してみる。

ステータスオープン!



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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