表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

139/236

139 予想外



<飛行船の中>


俺たちは北米ギルドを出発し、ジェニファーのパーティと一緒に帝都に向かっていた。

ケインがいろいろと話してくれた。

おかげでジェニファーという人物の俺なりの映像が出来上がる。

完全な個人主義派だな。

また集団の中でも、与えられた任務はこなすタイプだ。

結論として、帝都のやり方に反目するような人物ではないと思われる。

今の環境に満足して、むしろ生き生きとしている感じだ。

アニム王にはそう報告しておこう。


後は、ケインのパーティの男たちがフレイアにまとわりついてうるさい程度だな。

フレイアがやけに俺にくっついてくるが、まぁいいだろう。

また、ケインの仲間たちが俺の刀:飛燕に興味を持ち、持たせてくれという。

・・・

俺はテーブルの上に置いてみたが、予想通りビクともしない。

ジェニファーでも、かろうじて動く程度だ。

それも5cmも動いてないだろう。

「な、なんだこの武器は・・」

「全く動かないんだが・・」

・・・

・・

ジェニファーも驚いていた。

俺専用の武器だと回答。

帝都にはドワーフのお店もあるので、相談すればいいと回答するとみんなで盛り上がっていた。

俺は少し眠くなってきたので、寝させてもらうことにする。

フレイアには悪いが人身御供になってもらおう。

少し席を外して、俺は横になる。

フレイアが恨めしそうな顔で俺を見ていた。

後が少し怖いな。



<帝都ギルド>


城戸たちがギルドに帰って来ていた。

「城戸、やっと一つレベルが上がったな」

「あぁ、俺たちももうすぐAランクになるな」

「そうなると、いろんな面でハーレムだよな、ハハハ」

城戸たちは明るい声で会話していた。

ただ、城戸は少しもやもやした気持ちがある。

ギルドで聞いた情報だ。


どうやら町田が、帝都ギルドでは英雄になっているという。

あんな奴がか?

初めから気に入らなかった。

初めて会った時の印象、真面目で頭が良さそうだった。

何となくだが、俺が気勢を張っていなきゃいけない感じだった。

俺よりも女にもてるはずもない奴だが、組織内では上司受けがいい。

俺もきちんと仕事はしていたが、町田の方が受けがいい。

お茶入れとか雑用を真面目にこなす。

俺も一応やるが、やるだけだ。

ただの真面目バカだと思っていた。

その違いが評価につながっていたのだろう。

俺はそんなに一生懸命に雑用なんてやる気にもならない。

だが、すべてそつなくこなしていたと思う。

城戸は気づいていなかったが、所詮若者が上手にやっていることなんて、できた大人にはまるわかりだったのだろう。

城戸には、俺とは何かが違うとだけ感じていた。

・・・

何かが引っかかる。

わからない・・だが、ムカつく感じだ。


「・・城戸、どうしたんだ?」

城戸の仲間が聞く。

「あ、あぁ、いや何でもない。 さて、少し休憩してまた挑戦するか」

「そうだな」

「では、また明日の朝にこの場所で」

城戸がそう言うと、パーティの仲間たちは分かれていった。

城戸とエルフが残っている。

時間は14時頃。


エルフは城戸にべったりだ。

城戸はエルフに微笑むと、一緒に宿泊施設へと向かって行った。

エルフにはわかっていた。

タカシは戦いが終わると、いつも私を求めてくる。

これからお楽しみの時間だ。

他の連中もどこかに獲物を求めて行ったことだろう。

私はタカシに抱かれるだけで満足だ。

何も望まない。


<城戸敬>


時間は16時半。

エルフを部屋に置き去りにして、街を歩いていた。

エルフは大満足で動くことができず熟睡中だ。

城戸は歩きながら考えている。

何で町田のことが引っかかるんだ?

あんなカスみたいな奴。

俺が気にすることなんてない。

なのになぜ頭に引っかかるんだ?

わからない。


城戸はギルドで町田の家の場所は調べていた。

町田は結婚して家族を持っているという。

城戸も家庭は持っていたが子供はいなかった。

それに、こんな世界になってすぐに住職なんてやめて飛び出した。

自分の妻も捨ててきた。

別に心が痛むこともない。

そのうちエルフなんて見たこともない美人を見つけて仲間にした。

自分の知っている連中とつるんでパーティを組み、レベルを上げていった。

順調だった。

すべて順調に行き、帝都というところにいろんなものがあるという情報を得る。

一度行ってみたいと思っていた。

来てみれば、町田と偶然出会う。

すると、これだ。

全く・・いったい何だというんだ、このモヤモヤしたものは。

何でこのタイミングで予想もしない奴と出会ったんだ?



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


よろしければ、ブックマークなど応援お願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ