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130/236

130 ケインのパーティ



25階層へ到達。

サバンナのような風景が広がるエリアだった。

辺りは見渡しのよい感じだが、逆に敵にもすぐに発見されるだろう。

ケインの仲間の男、ジョーが静かに立ち目を閉じる。

「どうだ、ジョー」

ジョーが目を開けて微笑む。

「あぁ、いるな。 レベル的には問題ないと思う。 ただ、俺のところから500メートルくらいしかわからないがな」

「さっすが! 索敵魔法なんてレアなんだろ?」

「アベル、魔法じゃないって。 スキルなんだよ」

「ほんとにアベルは何も知らないわね」

「何言っているんだよ、知ってるよ。 じょ、冗談だよ」

「ほんとに~? ま、いいわ」

「アンは口悪いよな」

「なんですってぇ!」

・・・

ケインは笑いながら聞いていた。

チラっとジェニファーの方を見る。


ジェニファーは気にするでもなくケインたちの後をついて来ていた。

ジェニーは笑わないな。

ケインは思っていた。

人とは交わらない。

というか、人との接し方がわからないような感じだった。

見た目は天使のような美しさだ。

だが、ガラスのような冷たさもある。

みんなジェニーに声をかけるが、すぐに離れていく。

人としての温かみがないという言葉も聞く。

だが、ケインは知っている。

ジェニファーは牢獄に感情こころを閉じ込めているのだと。

大きくなってわかる。

小さい時に親兄弟が誰もいない。

よく今の年齢まで育ったものだ。

ジェニーは自分で自分を教育したのだろうか。

誰もモデルになる人物が近くにいない。

俺が人として接してやらなきゃ、誰がジェニーに人を教えてやれるんだ。

ケインは本気でそう思っていた。


ケインの仲間たちの小さな言葉が聞こえる。

「・・あのケインの知り合いのジェニファーって子、何も話さないよな」

「そうなのよ。 私が話しかけても笑ってうなずくだけ。 気持ち悪くなってくるわ」

「見た目はスゲー美人だが、人形のようだしな・・」

・・・

ケインにはかろうじて聞こえていた。

ケインが近寄って行き注意しようとする。

ジョーが言葉を出す。

「敵が動き出したぞ。 どうやらこちらに気づいたらしい」

その言葉で全員が一斉に前に集中する。

ジェニファーは特に変化はない。


敵はガーゴイル:レベル19×多数、オーガ:レベル23×10、ハイオーガ:レベル26×3が迫って来ていた。


ケインは自分の両サイドにぶら下げているホルスターから拳銃を引き抜いた。

西部劇で出て来るガンマンスタイルだ。

だが、火薬で飛ぶ銃弾ではない。

自分の魔力を弾丸に変え撃つスタイルのようだ。

弾倉はない。

ジョーは魔法、アベルは刺突剣を使う。

アンは見た目は華奢だが、自分よりもでかい大剣使いだ。

自分のアイテムボックスから愛用の大剣を取り出す。

「アンのその何でもボックスだっけ? いつ見ても不思議だよな。 何にもないところからそんな大きな剣が出てくるんだからな・・」

アベルはそう言いつつ、アンの手元を見ていた。

いや、違ったようだ。

アンの胸元を見ていたらしい。

「そう? それに何でもボックスじゃなくて、アイテムボックスよ」

アンはそう答えつつもアベルの目線を追ってみた。

「・・ちょっとアベル」

そう言うと、大剣でアベルを殴る。

ゴン!

「痛ってぇなぁ・・なんだよ、アン!」

「あのね、どこ見てんのよ。 人の胸見るより敵を見ろ!」

「アン、仕方無いじゃないか。 そんなに強烈な胸を見るなっていう方が無理だよ」

「そこまでだ。 来たぞ!」

ケインが声を掛ける。


ガーゴイルが迫って来ていた。

ケインが両手で銃を構える。

すぐにケインの銃から魔弾が発射された。

テツが作っているような魔弾ではない。

普通の銃の弾薬のようなイメージで作っているのだろうか。

ケインが連続でトリガーをく。

ババン! バン! バン!

次々にガーゴイルに命中する。

小さな爆発が起こり、ガーゴイルが落下しながら蒸発していく。

威力的には小さなファイアーボールといったところだろうか。

「これじゃぁ、俺たちの出番はないな」

アベルがその状況を見ながら言う。

しばらくすると、上空を舞っていたガーゴイルはいなくなった。

地上にはオーガ:レベル23×10、ハイオーガ:レベル26×3が迫って来ていた。

「よし、今度は私たちの番ね」

アンが大剣を肩に担ぎながら言う。

「アン、敵がオーガだからって油断するなよ。 ダンジョンはほぼ階層と同じレベルの魔物が現れる。 だが、その保証はないんだからな」

「わかってるって」

「ケイン、油断はしない」

アベルもそう言うと、アンと一緒に前から迫ってくるオーガとハイオーガに向かって行く。

その後をケインとジョーがついて行く。

ジェニファーはその後から黙って歩いて行った。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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