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118 次の仕事に備えて



<地上の街>


ギルドではアポロが忙しそうに、いや慌ただしく動いていた。

動くだけ邪魔な感じで、ただウロウロしているといった方がいいだろうか。

「えっと、これはこっちだったかな? それと、もうすぐ帝都から人が来るとか言っていたが・・」

アポロはブツブツつぶやきながら作業を進めて行く。

「ギルドマスター、それは私が処理します。 後は奥で少し休んでいてください」

ココがテキパキと業務をこなしていく。

「で、でも僕もお手伝いしないと・・」

「アポロ・・いえ、ギルドマスター。 邪魔です!」

ココがはっきりと言う。

ギルマスはかなり情けない顔で奥へ引っ込んで行った。

「・・ボクだって好きでギルマスになったわけじゃないのに・・誰か代わってくれないかな・・」

ココはそんな愚痴など聞く耳を持っていないようだ。

「さてと、これでいいわね。 後は帝都から来る調査員を待ってこれからのことを考えなきゃ。 えっと、この街は・・」

ココはパネルで地図を見ながら、飲み物を飲んでいた。


<テツ視点>


俺は王宮を出て帰宅。

時間は9時過ぎ。

ばあちゃんたちに報告をして出発しようと思っていた。

持って行くものはない。

ほとんどアイテムボックスに入っている。

軽く持ち物をチェックすると、そのままばあちゃんの家に向かう。


ばあちゃんの家の呼び鈴を押してみた。

「はーい」

ばあちゃんの声だ。

扉が開かれてばあちゃんが俺を見る。

「おはようテツ。 どうしたんだい?」

俺は王宮とギルドの依頼で調査に行くことを伝える。

「そうかい、少しお茶でも飲んで行くかい?」

ばあちゃんがそう言って家の中へ入れてくれた。

リビングに入ってみる。

俺は驚いた。

かなり部屋が変わっている。

俺はその場で部屋を見渡していた。

「驚いたかい?」

ばあちゃんがお茶を淹れながら言う。

「すごいな、ばあちゃん」

俺は思わず言葉が出た。

「そうだろう。 本当に魔法は便利だねぇ」

ばあちゃんはお茶を俺の前のテーブルに置いてくれた。

じいちゃんは王宮へ仕事に行っているみたいだ。


部屋は和洋折衷わようせっちゅうというか、やや和風だが座るところは椅子だ。

部屋の片隅には畳風の場所もある。

寝ころがれるだろう。

基本はログハウス風の感じになっている。

凄いな。

外から見たらわからないぞ。

俺がキョロキョロしていると、ばあちゃんが話しかけてくる。

「それでテツ、お仕事は大丈夫なんだろうね」

ばあちゃんは相変わらず心配してくれる。

そういえば、昔に海将の人が家に帰ったら自身母親に身だしなみの心配をしてくれたと、笑いながら話してくれたことを思い出した。

外では偉いさんでも母親にとって子供は、いつまでも子供なんだと改めて思う。

そして、その気持ちに感謝だ。

「うん、大丈夫だよ。 戦闘とかないから。 それに地上の街では報告を聞くだけだし、北米ではどんな人物かを見てくるだけだから」

俺はそう答えながらお茶を飲む。

・・

やっぱりうまいな、このお茶。


ばあちゃんはゆっくりうなずくと席を立った。

「さて、私も王宮へ行って来るかね。 テツも気を付けて行っておいで」

「うん」

俺はばあちゃんの家を後にする。

さて、嫁と優の家だが学校へ行っているかもしれない。

優の家の前に到着。

どうも人の気配がしない。

取りあえず呼び鈴を押してみる。

・・・

反応なし。

今度は嫁の家に行ってみた。

呼び鈴を鳴らす。

・・・

「はーい」

あれ?

この声って、お義母さんの声だよな?

ドアが開く。

お義母さんだ。

「あらテツさん、おはようございます」

「おはようございます、お義母さん。 梓や子供たちは学校ですか?」

俺たちは普通の会話をしている。

「えぇそうですよ。 私は今日は受ける講義がないものですからね」

お義母さんが言う。

俺は仕事で少し出てくるので、一応知らせに来たと伝える。

お義母さんは「はい、はい、わかりました」と軽く答えてくれた。

・・・

さすが、お義母さんだな。


さてと、後はフレイアのカフェに行こう。

時間は10時頃になっていた。

カフェの入り口を開ける。

カラン、カランと音をたてて入って行った。

「いらっしゃいませ~」

フレイアが迎えてくれる。

・・・

カウンターに黒い髪の女の人が座っている。

俺はゆっくりと近づいて行き挨拶をする。

「おはようございます、ルナさん」

「うむ」

ルナの前を見ると、相変わらずスイーツが並んでいた。


「・・ルナさん、大丈夫ですか?」

俺は思わず聞いてしまった。

「全く問題ないぞ」

そりゃそうでしょうね。

ルナがそう答えていると、フレイアが話しかけてくる。

「ねぇ、テツ。 このスイーツ見てよ。 とってもおいしいの!」

フレイアもうれしそうに食べていた。

俺はそれを見てうなずく。

あの遺跡の中の都市のスイーツじゃないか。

そうか、ルナさん大量に買い込んだんだ。

なるほど。


「フレイア、午後にでも俺は調査依頼に出発しようと思っているのだが、どうする?」

フレイアの動きが一瞬止まる。

その直後、ササッと入り口の方へ駆けて行ったかと思うと、本日閉店の看板を掛けていた。

まぁ、まだお客さんも来てないしな。

「テツよ、また調査なのか?」

ルナが言う。

「はい、地上の街とレアさんがいた大陸のギルドへ人物の調査です」

俺は聞かれるままに答える。

「人間というのは不自由な生き物だな」

ルナがスイーツを食べながらつぶやく。

「ルナ様、私はこれからテツと一緒に出掛けてきます。 カフェはランちゃんとレイアにお願いしておきますね」

フレイアはニコニコしながら話していた。

「ふむ・・仕方ないな。 ワシもお主がいない間に少し仕事でもしてくるか」

ルナはフレイアと会話を始める。

俺はフレイアに後でギルドで合流しようと伝えてカフェを後にした。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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