Episode.4 怒り
「アラタさん……」
「来たか勇者よッ!」
私とアラタさんを引き離すかのように、お父様はアラタさんの前に立ちはだかった。
先程までの落ち着いた雰囲気は無く、禍々しく殺意に満ちているようだ。
仮にも魔族の頂点である魔王だ。
幾千の同胞が彼の手によって亡き者にされている。
その同胞を思ってのことだろう。
しかし、
「お前が……魔王っ!」
アラタさんは気圧されることも無く、むしろお父様にも負けないくらいの凄みを出している。
「俺の故郷を焼き付くし、破壊させた張本人……そして今、俺の大切な人を傷つけようとしているっ!」
「そうであったか……なるほど、主の怒りの根源はそれか……。」
「あぁ……俺はお前を許さないっ!」
アラタは剣を構える。
それを見たお父様が魔力を具現化し、剣の形に変えていく。
黒く、そして大きな剣をお父様は構えた。
「話し合いの余地などないな……向かってくるというなら、望み通り跡形も無く消してやろうッ!」
「絶対に負けないっ!うおおおお!」
ガキンッ!
2人の剣と剣が交わる。
死闘が始まった。
今回も短いです
更新頻度高めで、ゆっくり話は進んでいく感じです
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