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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第3章 冒険者の少女、新しい力を求める

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56話 絶体絶命!?






「さすがに、純粋な近接戦闘はアナタのほうが上ね、紫音・天河」


 黒い女魔戦士は紫音に抑え込まれた薙刀を、強引に振り上げ刀を払うとそう言って距離を取った。


「アナタは一体誰なんですか? 人間なんですか!?」


 紫音のこの問いに、黒い女魔戦士はこう答える。


「アナタが私に勝てたら答えてあげる!」

「その前に、いでよゴーレム!」


 魔力を込めた薙刀を掲げると彼女の前に大きな魔法陣が現れ、その中から高レベルのロックゴーレムが現れた。


「ロックゴーレム!?」

「どう、懐かしいでしょ? アナタ達が試験で戦った私特製のゴーレムの強化版よ!」


「あの時のロックゴーレムはアナタが!?」

「そうよ。私が元いたゴーレムを倒して入れ替えておいたの」


「おかげで酷い目にあったッス!」


 リズが女魔戦士に文句をつける。


「この子は、あの時よりも強力よ! アナタ達が私達の戦いを邪魔しなければ、襲わないからおとなしくしていなさい!」


 ロックゴーレムはリズ達の近くまで歩いていくと、彼女の言う通りそこから動かなくなった。


 女魔戦士が造り出したロックゴーレムはLV30で、紫音抜きでは倒すのにかなり苦戦するであろう。ソフィーとアフラはその事を今迄の経験で察し、戦闘に入るのを躊躇していた。


「さあ、再開しましょうか。紫音・天河!」


 女魔戦士がそう言うと同時に、紫音はオーラステップで急加速して間合いを詰め、手前でフェイントを入れサイドステップし、女魔戦士の死角に入り込む。


 そして、いつの間にかオーラブレードで強化した刀で斬りつけようとした瞬間―


「ステュムパリデス!」


 彼女の背中から突然金属製の鳥が飛び出して、紫音目掛けて飛んで来て攻撃を行う。

 紫音はそれをギリギリ刀で受け流し事なきを得るが、その間に女魔戦士は後ろにバックステップして距離を置く。


「危ない、危ない。使いたくなかったけど仕方ない、ステュムパリデス!」


 さらに五つ金属製の鳥が彼女の背中から飛び出す。

 紫音は刀を見ると、少し欠けていることに気づく。


「オーラで強化しているのに……、さっきの攻撃を防いだ時に欠けたの?」


 紫音が驚いていると、女魔戦士は親切にも教えてくれる。


「それはそうよ。アナタの刀は玉鋼製、私のステュムパリデスはオリハルコン製。その程度のオーラ強化では、この硬度の差は覆らない。アナタが武器で防げば防ぐほど武器にダメージが蓄積される」


「どこまで、防ぎきれるか精々頑張りなさい!」


 女魔戦士は四体に攻撃命令を出し、二体を防御に回す。

 四体はシオンの周りを飛び回り、次々と紫音に襲いかかる。


「くっ!」


 紫音は回避できるものは回避するが、連続で攻撃を仕掛けられると刀で切り払わざるを得なくなる。そうなると刀が少しずつダメージを受けてしまう。


 ソフィーはその様子を見て、ロックゴーレムとの戦闘を決意する。


「アフラ、リズ、仕掛けるわよ! エレナさんは後方支援、ミリアちゃんは私達が両腕を破壊するまで待機!」


(このままでは、シオン・アマカワがヤバイ! 急いでこいつを倒さないと!)


 ソフィーがそう焦りを感じながら、思っていたことは他のみんなも同じだった。


(早くロックゴーレムを倒して、助けないと!)


 みんなはその強い思いを胸にし、ロックゴーレムに戦いを挑む。


「このままだと刀の切れ味自体がなくなる……、それなら!」


 紫音は意を決し、刀に宿らせるオーラを多くしさらに武器を強化する。


(このまま防いでいても、刀がボロボロになり壊れてしまう。それなら、オーラによる強化を高めて、刀がオーラに耐えきれなくなる前に短期決戦で決める!)


 オーラステップで女魔戦士との距離を詰めようとするが、紫音はステュムパリデスにあらゆる方向から攻撃を受ける。だが、彼女の眼はすでに女神の秘眼が発動しており、その強化された動体視力で切り払い、捌きながら女魔戦士に近づいていく。


 オーラで強化された刀は、オリハルコンの攻撃を物ともしない。

 紫音が向かってきたステュムパリデスを刀で横に払い、次に斜め後ろから飛んで来た二体目を、体を捻って紙一重で回避し前に出た所を刀で下に叩き落とし地面に刺さらせた。


「そうか、どこかに上手く刺さらせることができれば、時間を稼ぐことが出来る!」


 紫音は三体目に来たステュムパリデスを、最小限の動きで回避すると横を抜けていく所を上から刀で叩きつけ地面にめり込ませその動きを封じた。


 そこに、続けて四体目、五体目が同時に襲いかかってくる。

 流石に連続で飛んでくる四体目、五体目は刀で受け流すだけしかできず、すぐさま襲ってくる六体目の迎撃をしようとする紫音。


 しかし、刀の刃を当てて受け流そうとした瞬間、恐れていたことが起きてしまう。

 刀の耐久度が尽き、刀の刀身が砕け散ってしまった。


「なっ!?」


 次に瞬間、紫音の右肩にステュムパリデスが突き刺さる!


「ぐっ!!」


 紫音はその激痛に表情が歪み、その場に片膝をついてしまう。


「シオンさん!!」


 エレナの叫びが戦場にこだまする。


「何をやっているのよ! シオン・アマカワ! 早く逃げなさいよ!」


 ソフィーがロックゴーレムと戦いながらそう紫音に叫ぶ。


「やらせないッス!」


 リズが着弾予測眼を使って、女魔戦士にヘッドショットを狙うが薙刀で矢を打ち落されてしまう。


「愛されているわね、紫音・天河。武器が壊れてしまったのは不運だったわね」


 紫音はこの世界で初めて受ける大ダメージと、それに伴う激痛に動けずにいた。


「今回は殺すつもりはなかったけど……。折角のチャンスだもの、逃す手はないわよね……。どうせ、教会で生き返れるのだから構わないでしょう?」


「ぅぅぅ……」


 紫音は激痛にうめき声を出すしか出来ない。

 彼女に刺さっている一体以外のステュムパリデスが、紫音の周りを旋回している。

 そのステュムパリデスに黒い女魔戦士が命令を出すために薙刀を掲げた。


(ごめんアリシア……、ごめんミリアちゃん……、ごめんみんな……)


 それを痛みに耐えながら見た紫音は、痛みで声がでないため心の中で某提督みたいな台詞でみんなに謝罪する……


 黒い女魔戦士が命令を出そうとした瞬間―!


「お待ちなさい!」


 戦場に女性の声が響き渡る!

 黒い女魔戦士が何者かと姿を探すと、高い所から見下ろすように何者かが立っていた。


 高い所に立っているため逆光を浴び見えにくいが、パンツスーツを格好良く着こなし綺麗な髪をアップで纏め、顔には“若女”の能面を着けた控えめな胸の女性が腕を組んで立っている。


「だっ、誰よ、アナタ!? そんなおかしな面を着けて!」


 黒い女魔戦士は、自分の仮面を棚に上げて突っ込んだ。

 だが、その気持は理解できる。


「“貧しい乳”と書いて“貧乳”……。貧しい“とは、”粗末・貧弱・乏しい“の意味であり、小さいからと言って貧しい事などない! むしろ小さいことには、たくさんの利点がある。


 清楚に見える、スポーツがしやすい、スリムに見られる、細い道をすんなり通れる、うつぶせも楽、細く見える、清楚な洋服が似合う、どんな服でも着られる… などだ!


 必要とされるのは大きさではない……、凛とした意志の強さであり、風が吹こうと地震が起きようと、決して揺れる事のない意思の強さと品性を持つことが大事なのだ……


 人、それを”品乳”という……」


(※インターネット検索”貧乳 品乳”より一部参照)


 黒い女魔戦士は、謎の能面仮面の口上を律儀に聞くと、さらに律儀にこう問いかける。


「アナタっ、何者よっ!」

「アナタに名乗る名前はない!」


 そう答えた瞬間、“若女”の能面が“般若”に変化し<般若仮面>になった!


「こっ、こわい……」


 般若の仮面を見たミリアは、すっかり怯えてしまう。


 次回

 般若仮面無双!!


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