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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第3章 冒険者の少女、新しい力を求める

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52.5話  束の間の休息





 整備屋に装備を預けてから帰ってくると、紫音は台所を借りてお菓子を作り始める。

 紫音は帰路で購入してきた材料を並べると、昨日から考えていた作戦を実効することにした。


 その作戦の名は―

 <美味しい手作りお菓子で、NTRナツカレトラレされたミリアちゃんの心を取り戻すぞ!ついでにリズちゃんにも懐いてもらうぞ! 大作戦>である。


(これで、ソフィーちゃんにNTRナツカレトラレされた、ミリアちゃんを私の元に取り戻してみせる!)


 ※あくまで紫音の勝手な思い込みです。


 数時間後―


「できた、生キャラメルチョコ!」


 元の世界にいた時に料理レシピサイトで、”簡単生キャラメルチョコ!“を見て覚えた通りに作ったが、我ながら上手く出来たと思う。


(しかし、この世界でもチョコやキャラメルがあるんだ……)


 異世界に来てからというものの、紫音は元いた世界にあったものがこの世界にもあるという事に対して驚くことが多い。簡易的であるとはいえ家電もあるし、食材も同じような物が多い。


 この世界を創造したフェミニースは、元いた世界を管理していた事がある女神なので、管理のし易さから色々と元の世界から設定を持ち込んでいるのであろう。


 そう思いつつ紫音は、ミリアに食べさせるシミュレーションをしてみる。


 ###


「㋛:どう……、ミリアちゃんこのお菓子……。外は硬いのに、中はトロトロでしょう?」

「㋯:はい、外は硬いのに……、中はトロトロ、こんなの初めてです……」


「㋛:この味を覚えたらソフィーちゃんのクッキーでは、もう満足できないでしょう?」

「㋯:はい、もうあのお姉さんのクッキーでは、満足できないですぅ」


「㋷:あの……、二人で何をしているッスか……?」

「㋛:リズちゃんにも、私の生キャラメルチョコを食べさせてあげるわ……」


「㋷:私……、こんなの……、初めてッス……。もっとシオンさんの……、生キャラメルチョコを……くださいッス!」


「㋛:フフ……、リズちゃんもすっかり私の生キャラメルチョコの虜ね。さあ、三人で生キャラメルチョコを楽しみましょう……」


「㋯㋷:はい♡♡♡!!」


(※あくまで生キャラメルチョコを、食べさせる妄想― 想像をしているだけです。)


 ###


「我ながら完璧だよ! これで二人の憧れのお姉さんは再び私になるよ!! あっ、エレナさんとミレーヌ様と、今回お世話になったクリスさんと、レイチェルさん、それとアリシアの分も別けておかないと……」


 生キャラメルチョコはこの後、みんなで普通に美味しくいただきました。


 翌日、紫音がアリシアに連絡して、お菓子を渡すため冒険者育成高等学校の校門の側で待っているとその彼女を見て、学校内の生徒が特に女性徒が色めき立つ。


 紫音の容姿は胸以外とても整っており、女性らしい服を着ていれば当然同年代からは注目される、さらにこの世界では珍しい神秘的な黒髪が注目を集める。

 高校時代も注目を集めていたが彼女にその自覚がなく、さらに剣術に明け暮れていたため浮いた話はなかった。


(何か学校の方から視線を感じる……。まあ、この世界では黒髪に黒い瞳は、珍しいからかな……)


 彼女が、鈍感主人公全開で居るとアリシアが現れる。

 美少女二人が会話をしている姿に、さらに色めき立つがその会話内容は……


「アリシア、ちゃんとレイチェルさんに渡してよ! アナタが一人で食べたら駄目だからね!」


 紫音の念押しにアリシアは、目を輝かせてこう返事をする。


「安心してくださいませ、シオン様! わたくしは食いしん坊キャラではありませんわ!」


 違和感を覚えた紫音は、問答を開始した。


「私が作ったものは全部一番の親友である自分のモノ! とか考えてないよね?」


「そんな、はしたない真似いたしませんわ。まったく馬鹿馬鹿しいですわ! いいえ、むしろ心外ですわ!」


 違和感の正体であるいつもと違う口調でそう答えるアリシアに、紫音は突っ込みを入れる。


「じゃあ、どうしてそんな解り易い不自然なお嬢様言葉になっているの!? やましいことがあるからじゃないの?!」


「わたくし、以前からこんな喋り方でございましたわよ?」


 紫音が疑いの眼差しで見ていると、アリシアは独り占めする気だったことを謝罪して、こう言ってきた。


「レイチェルに、ちゃんと渡します……」


 アリシアのその誓いの言葉を聞いた紫音は、最後に彼女自身に言葉をかける。


「お願いね。じゃあ、私はこれで。アリシアも勉強頑張ってね」

「はい、シオン様もご武運を」


 アリシアと別れた紫音は、次にクリスに会いにいくことにした。


(さて、次はクリスさんに渡しに行こう)


「その前に、連絡しないと」


 紫音はさっそく教えて貰ったクリスの栞に、今から訪問してもいいかどうかの連絡を送る

 連絡をしてから暫く歩いていると、栞から着信音の可愛い猫の鳴き声が聞こえてきた。


 ”丁度よかった、今からこの前約束した話し合いをしましょう。待ち合わせ場所はフェミニース教会前にしましょう”


 栞を再生させると、こう返事が入っていた。

 紫音は待ち合わせ場所に、フェミニース教会に向かう。


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