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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第2章 新米冒険者、異世界で奮闘する。

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34話 スピード勝負!

 


 紫音とソフィーは、お互い間合いを取りながら相手の様子を窺う。

「このまま、にらめっこしていてもしょうがないわね!」

 先に動いたのはソフィーであった。


 ソフィーは紫音に向けて突進すると、紫音の眼の前で高速で切り返し彼女の視界から一瞬にして消える。

「速い!!」

 紫音は一瞬彼女の姿を見失ったが、動体視力を駆使してソフィーの動きを捉える。


 だが、既に紫音の斜め後ろでサーベルを振り上げていた。

 紫音は何とか初撃を刀で防ぎ、二撃目も防いだ。


 彼女の斬撃は軽るく、まともに受けても平気だった。

(非力な女の子が、片手持ちしているから斬撃が軽いんだ)


 しかし、移動スピードは速い! 私もかなり速いほうだと思うけど、彼女は私と同じかもっと速いかも……


「私の動きに反応した!?」

 ソフィーは今までこのスピードで相手を翻弄し、隙を突いて連撃を入れる戦法を得意としてきた。

「やっ、やるじゃない! でも、ここから本気で行くんだから!」


 ソフィーが攻撃をしようとすると、先に紫音が動いた。

「あのスピードを出される前に先に行く!」


 紫音はソフィーに向けて突進すると、ソフィーの眼の前で高速で切り返し彼女の視界から一瞬にして消える。

「私と同じ動きして!」


(しかも、スピードも私と同じくらい速いじゃない!)

 紫音はソフィーの後ろから、袈裟斬りを繰り出す!

「オーラステップ!」


 ソフィーは、足に溜めたオーラで地面を力強く蹴って急加速する技、”オーラステップ”で攻撃を回避すると紫音の斬撃は空を斬る。

「!?」

 紫音は空振った刀を構え直すと、ソフィーの動きを追う。


 ソフィーは紫音を中心に、円を描くように高速移動し隙を窺っている。

 彼女は意を決し、紫音に向って間合いを詰める!

「ファントムステップ!」


 ソフィーはオーラステップによる超加速で左右にステップし、残像を生み出し相手を撹乱する応用技”ファントムステップ“で、紫音を撹乱する。

「もらった!」


「オーラステップ!」

 紫音はソフィーの斬撃が当たる寸前に、超加速でバックステップし残像斬撃を回避した。


 紫音はスライムの時におこなった掌にオーラを集める要領で、ソフィーが隙を窺いる間に足の裏にオーラを集めいていたのであった。


 だが、うまく集められなかったので少しの距離しか移動できなかった。

 そのためバックステップの着地と同時に、”攻撃は最大の防御”とばかりに前に出て、ソフィーの追撃に斬撃で対抗する。


「やあっ!」

 ソフィーは続けて左で斬撃を放つ!

「はあっ!」

 その左手のサーベルの斬撃に、紫音は横薙ぎを合わせてソフィーの左手のサーベルを弾く。


「なっ!?」

 両手で刀を握って放つ紫音の斬撃の威力に、片手持ちのソフィーは簡単に左手のサーベルを弾かれ体勢を崩した。


「そこだ!」

 紫音は体勢を崩したソフィーに追撃で斬撃を入れるが、またもやオーラステップによる急加速で回避されてしまう。


「これじゃあ、きりがない……」

 紫音は初めて戦う自分と同じスピードで動いて、回避する相手に戸惑っていた。

 そしてそれは、ソフィーも一緒であった。


 ”もう、何なのよアイツ! 速くて当たらないし、私より斬撃も重いし!”


 このままだと、オーラステップが自在に使える向こうのほうが有利だ。

 なんとかしないと……


 紫音は剣士としてこの手は使いたくなかったが、ある戦法を使うことにした。

「仕方ない、この戦法で行くか。まあ、それでも勝てるかどうかわからないけど!」

 紫音は、ソフィーの周りを高速で走り出す。



「さっきの私と同じ戦法で、仕掛けてくるつもりね!」

 紫音はオーラを足に集めるまで周りを走ると、ソフィーの隙を突いてオーラステップで急加速して攻撃する。


 彼女にオーラステップで回避されると、すぐさま距離を取りまた周りを走り始める。


(この高速戦闘、止まっているほうが死角を突かれて不利だわ! こっちも動いて先手を取り、戦いの主導権を握る! そして、何よりも私がスピード勝負で負けるわけにいかない!)


 ソフィーは紫音の仕掛けた高速移動戦闘を受ける。


 二人は並行移動で距離を取りながら走り、相手の背後を取ろうと円を描くように走り続け、オーラステップで急接近し斬撃を交え、再び距離を取り走り続ける。


 お互い何とか相手の死角に回り込もうとするが、相手が速いため不毛な追いかけ合いを続けるしかなかった。


「しかし、二人共すごくスピードが速いですね……。きっと速さのスキルが、すごく高いのですね」

 エレナは目の前で行われている高速戦闘に、感嘆の言葉を発した。


「アレだけ速く走れるのは、二人ともあの走るのに向いたフラットな胸のお陰ッスね! 空気抵抗良さそうだし、何より揺れないから、動きの邪魔にならないみたいッス!」


「「誰の胸がフラットよ!? あと微かにだけど揺れているから!!!」」


 紫音とソフィーは、息のあった二人同時の怒りのツッコミをリズにおこなった。


「はうっ!? ごめんなさいッス……」

 リズは二人同時に怒られたため反射的に謝ってしまった。


(そうか、彼女に感じていた親近感は、同じ速さ重視の戦闘方法ではなく、同士だったからなんだ。こんな出会いでなければ、いい友達になれたかも知れない……)


 紫音が同士を見る目でソフィーの胸を見ていると

「ちょっと、何を”仲間!”みたいな眼で見ているのよ! 私はAサイズあるから! アンタとは違うんだから!」

 ソフィーはアナタと一緒にしないでと言わんばかりに反発してくる。


「わっ、私だってAだから!」

 そんなソフィーに対して、紫音はまた見栄を張ってしまった。


 そして、それを聞いたエレナとリズは目を逸らしていた。







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