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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第9章 少女激闘する(予定)

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339話 覚醒! にゃんこ格闘家! その1




 前回のあらすじ


 ヨルムンガンドとアフラが相打ちとなり、2対2の戦いとなった。


 ###


 アフラとの別れの悲しみを振り切って、リング上ではツンツン対決が行われようとしている。


「ちょっと! ツンツン対決って何よ!?」


「ソフィーちゃんは性格が”ツンツン”、相手のエイクはヘラジカだから角が“ツンツン”。だから、“ツンツン対決”だよ? 何もおかしくないと思うよ? 試合を中断してまで、突っ込むところ?」


 ソフィーのツッコミにロ・ビーエルマスク(アキ)が、冷静なツッコミを入れた。


 本編でツッコミが出来ないので、ツッコミ大好きツンデレ娘である彼女が欲求不満になるのはわかる。だが、いくら茶番とは言え話の腰を折ってまで、強引にツッコミを入れるのは如何なものかと思う。


「ちょっと!! どうして、”地の文”までメガネ先輩の肩を持って、私が悪いみたいなことを言うのよ!?」


 ツンデレが更にツッコミを入れていた頃、お利口さんなヘラジカであるエルクは、空気を読んで動かずに待っている。もし、これが空気の読めない紫音ならチョップを繰り出して、グダグダな展開にしていただろう。


「私まで”地の文”に口撃された!?」


 突然の流れ弾に驚く紫音。本編茶番共に出番が少ないから、ここで出しただけである。


「そんな理由で!?」


 影の薄い主人公がセリフを喋っている間に、ソフィーとエルクが戦闘態勢に入る。

 そして、ソフィーが間合いを詰めようとしたその時――!


「はうぅ!? 痛い!!」


 ソフィーの足に”なんかいい感じの棒”があたり、彼女はそのまま前のめりに地面に倒れてしまう。その何かいい感じの棒を彼女に投げたのは―― なんと! マオであった!!


「まっ マオちゃん!? どうして、私にいい感じの棒を投げたのよ!?」


 ”なんかいい感じの棒”のことには一切突っ込まずに、そんなマオに抗議するソフィー。


「そうだよ、マオちゃん! どうして、そんな酷いことをしたの! ”めっ!”だよ!?」


 そして、続けて紫音も抗議というか、悪戯をした子供叱るような言葉をマオにぶつけるが……


「黙らんかー! 紫音!!」

「あうぅ!? ごめんなさいー」


 しかし、逆に幼女に一喝され、その迫力に負けて秒で謝ってしまう。


「頼れるお姉さんを目指すなら、そのように喚きたてずに成り行きを見守り、危うくなれば助ければよいのだ! 今はまだ黙って見ていろ」


「はうぅ~~」


 マオに叱られて涙目になる紫音。


(理由はわからないけど、マオちゃんに言われると何故か納得してしまう……)


 紫音は素直にマオの言葉を受け入れた自分を不思議に思う。


「ブモモモ!!」


 空気を読んでまた待っていたエイクが、まだ地面に倒れているソフィーに突進を再開させる。


「ブっ ブモモモ~~!?」


 ――が、運悪く転がっていた”なんかいい感じの棒”を踏んで足を滑らせてしまったエルクは、ソフィーの横を凄い勢いで転がりコーナーポストに激突してしまう。


 すると、激突したコーナーポストは、エルクの強力な角で大破したのであった。


「も… もしも、マオちゃんがソフィーちゃんの足に”なんかいい感じの棒”を投げていなければ、ああなっていたわけか……」


「す… すると、マオちゃんはヘラジカさんの角突進の破壊力を見越して、”なんかいい感じの棒”を…!!」


 コーナーポストの破壊状況を見て、アキがマオの行動の真意を語ると紫音も同調する発言が続けて疑問も口にする。


「でっ… でも、それなら口で注意したらよくない?」


「わかってないね、紫音ちゃん。あの突っ込むのが大好きなツンツンソフィーちゃんが、クリスさん以外の忠告を素直に聞くと思う? どうせ”はぁ!? 私があんな鹿に負けるわけがないじゃない! 私を馬鹿にするんじゃないわよ! 鹿だけにね!”とか言って、ツンツン全開でエイクに突っ込むに決まっているじゃない」


「確かに……」


「”確かに……“じゃないわよ、このダメ先輩!! 私はそんな負けん気の強いキャラじゃやないから、ちゃんと言ってくれたら忠告は聞くわよ! あと、”鹿だけにね!”とか寒いこと言わないから! 最後に私が好きなのは”ツッコミ“であって、突っ込む(突進)じゃないわよ!!」


 紫音たちの一連のやり取りを聞いていたソフィーは、最後に長いツッコミをおこなう。


 #####


「さて…… この娘は倒したし、次はシオン・アマカワを―― !?」


 エマは驚愕する。先程倒したはずのアフラが、いつの間にか立っていたからだ。

 しかも、ダメージも回復している。そのためエマにとって目の前の出来事は、まるで時間が飛んだような感覚であった。


「またやったわね…… あの女神!!」


 その光景を見ていた真悠子は、女神が初めてアフラにゴーレムを破壊された時の事と照らし合わせてそう呟く。


 エマは深呼吸すると動揺する心を沈めて、冷静さを取り戻す。


「何が起こったかわからないけど…… また、倒すだけよ!」


 そして、彼女は右腕右足を前に、左腕左足を後ろにして半身で構える。


「もう…… 負けない! みんなを守るためにも!!」


 アフラがそう言って、ミトゥトレットの甲を顔の前に掲げるとこう叫ぶ。


「女神の祝福よ! 我に最後の力を与え給え!!」


 すると、甲に装着された女神の宝玉が激しく輝きはじめる。

 それは、今までの女神武器の発動時に発せられる光より遥かに激しい輝きで、その光はアフラの体を包んでいく。


 あまりの眩しさに、エマは手で光を遮る。


「な…… 何よ、これは!?」


 やがて、光がおさまるとアフラの変化した姿に、エマは再び驚きの声をあげてしまう。


 アフラの頭には、ミトゥトレットと同じ材質『フェミニウムβ』で造られた猫耳カチューシャが付いており、ベルトの腰のあたりから同じ材質で造られた蛇腹状の尻尾も付いている。


 ミトゥトレットも左右に増加しているが、左手には女神の宝玉は付いていない。


 そして……


「猫耳だ! 猫耳アフラちゃんだ!!!」


 遠くからその姿を見た猫耳好きのアキは、アフラの姿に大興奮してしまう。


「今の私の相手はお姉さんじゃない。そこをどいてくれないかな?」


 いつものアフラとは違い落ち着いた声で、エマに道を開けるように言う。しかし――


「なっ!? パワーアップしたみたいだけど……!!」


 逃げるわけにはいかないエマが、そう言い放つと右篭手の宝玉が輝き始める。

 彼女は直感的にアフラの戦闘能力が上がった事に気づき、その攻撃が命中しないように以前紫音との戦いで使用したスピードを強化する特殊能力を発動させたのだ。


 使用せずともアフラの攻撃は当たらなかったが、念には念をというヤツである。


「当たらなければ、どうということはない!!」


 身体強化されたエマは、昔の紫音に匹敵する高速移動でアフラに迫ると蹴りを放つ!

 だが――


「えっ!?」


 アフラは既にそこにいなかった。

 そして、次の瞬間――


「ぐあっ!?」


 背後に打撃を受けるエマ。

 もちろん打撃を加えたのはアフラである。

 そして、エマはよろけながら、間合いを取るともう一度構え直す。


(どういうこと……? 私がスピードであの娘に負けたというの?!)


 だが、いつも冷静な彼女だが自慢のスピードで負けたために、その表情には明らかに焦りの色が見えていた。


「言ったでしょ? 今の私の相手はお姉さんじゃないって……」


 冷静なアフラに


「この! なめるなっ!」


 ここを通す事ができない事と、何よりスピード勝負で負けを認めたくないエマは再度アフラを攻撃するが、全て回避され逆に攻撃を受けてしまう。二人の立場は、今は完全に逆転した状態になっていた。


 アフラと対峙しているエマには、彼女のスピードアップの原因が見えていないが、この戦いを見守るソフィーとアリシアにはその正体が理解できている。


「二人には、にゃんこアフラちゃんの超スピードの秘密がわかっているんですか?」


 動体視力が二人程よくないアキは、彼女たちにその理由を尋ねることにした。

 すると、ここぞとばかりにアリシアがドヤ顔でマウントを取ってくる。


「ええ~ アキさんったら、そんなこともわからないんですか~ しかたがりませんわね~。わたくしが説明を~」


「あっ なんかイラッときたのでいいです。あと紫音ちゃんには、アリシア様が困った人にマウント取るような紫音ちゃんの胸と同じ小さい人だって、言っておきますね」


「ああ、ごめんなさい。普通に教えます! 教えます~!」


 こうして、二人(主にゆり王妹)の無駄なやり取りのせいで、アフラの超スピードの説明は次回に続く。


 #####


 ネクスト・リズンヒントッス!

 ヒントは「尻尾」ッス!

 次回もお楽しみッス!


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