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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第9章 少女激闘する(予定)

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324話 主人公と爽やか好青年



 <激闘! うさ釣り祭り₍ᐢ。 ˬ 。ᐢ₎ その8>


 <午前12時00分 ふれあいの森どうぶつ王国 イリノモテ野うさぎ飼育所>


 現在の獲得ポイント アフラ162P 紫音179P ソフィー194P


 ㋞「来たわ! うさぎが餌に食いついたわよ!」


 ライトに照らされたソフィーが持つ竿は、たしかに少し曲がり糸も張っている。


 ㋞「重いわ!」

 ㋐「凄い(糸が)しなっているね」


 ソフィーはうさぎを引き寄せる為に、曲がる竿を上に立て糸を巻き上げる。


 ㋞「ああっ 軽くなった… 」


 ―が、それに気づいたうさぎが餌を離したのか、餌が外れたのか竿への抵抗が一気に無くなり、糸も緩み地面に垂れてしまう。


 ㋞「逃げられたわ…」

 ㋐「餌が外れたみたいだね」


 ソフィーの今の気持ちを体現するように、巻き上げる糸は地面に垂れたまま竿に近づいてくる。


 ㋞「釣れる気がしないんだけど…」

 ㋐「もっと、慎重に丁寧に引き寄せないと」


 ソフィーの愚痴に、アキがアドバイスをしているとソフィーの隣で、紫音の竿に力が掛かる。


 ㋛「こっちもうさぎちゃんが、餌に食いついたよ!」

 ㋐「紫音ちゃん、ゆっくり慎重にね!」


 ㋛「うん」


 紫音はゆっくり慎重に糸を巻き上げ、うさぎを引き寄せる。


 ㋛「見えてきたよ!」


 照明の範囲に、糸の先の餌に食いついているうさぎが姿を表す。


 糸を巻いて近くまでうさぎが来ると、紫音は素早く前に移動して、地面にいるうさぎを捕まえて、胸の辺りで抱っこする。


 ㋛「もふもふだ~」

 ㋐「やったね、紫音ちゃん」


 ㋞「やるじゃない、先輩」

 ㋐㋫㋶「すごい、すごいー」


 両腕でうさぎを抱えた紫音はご機嫌である。


 ㋐「紫音ちゃん、30ポイント獲得!」


 現在の獲得ポイント アフラ162P 紫音209P ソフィー194P


 ㋞「なんか、このうさぎ… ジト目に似てない?」

 ㋛「リズちゃんに?」


 ソフィーの言う通り、銀色の毛でジト目気味のうさぎは紫音の腕の中で、ノエミンソンの作った餌の団子を一心不乱に食べている。


 ㋛「たしかに、ちょっと似ているかも」


 ㋞「捕まっているのに、それを意に返さず餌を食べている太太しいところなんて、あの子そっくりよ」


 ㋛「あははは……」


 ソフィーの言葉に、思い当たる紫音は苦笑いするしかなかった。


 #######


「そうか…。まあ、世間には自分に似ている者が3人はいるというから、私に似ている者がいても不思議ではないだろう。ところで、エレナ・ウェンライト君は、一緒ではないのかな?」


「エレナさんに、御用ですか?」


 そう聞き返した紫音は、失恋した先輩に似ているルークが、エレナの事を聞いてきたので、少し複雑な気持ちになってしまう。


「私は彼女のお父上から手紙を預かって、それを渡したいんだ」


「そうなんですか。エレナさんはミレーヌ様の屋敷に一足先に帰っています。案内しましょうか?」


 紫音は父親からの手紙を渡すのが理由と聞くと、少しホッとしてルークに道案内を申し出た。


「頼めるかい?」

「はい」


「ありがとう、紫音くん。それと良ければ、雑談でもいいから道中少し話をしないかい? 君とは一度話をしたいと思っていたんだ」


「はい。私で良ければ…」


 紫音はルークに道案内をするために、彼の横を歩きはじめると彼と雑談を始める。

 そして、その後ろをアキとソフィーもヒソヒソと話をしている。


「先輩も存外イケメンには弱いのね…」


「おや? ソフィーちゃんは、紫音ちゃんがイケメンと仲良くするのが、気に入らないのかな?」


「べっ 別にそんな事は無いわよ!」


 ソフィーはツンツンした感じでそっぽを向く。


「それよりも、ソフィーちゃん。あの人の剣の鍔に宝玉が付いていたのに気付いた?」

「そうなの? ということは、女神武器?」


「そうだと思う」

「悪漢を倒した腕前といい、あの人只者ではないわね」


 注視して見ると横のダメポニーと違って、ルークは歩く姿にも隙がない。


 屋敷までの道中、ルークと要塞防衛戦や魔王討伐を目指しているなどの話をしている内に、ミレーヌの屋敷に到着する。


「確かこの屋敷には、その… アリシア― 様も御座すのでしたね?」

「はい。そうですが…」


 紫音は彼の口から、再び他の女性の名が出てきて複雑な感情を抱いてしまう。


「私はこれでも貴族なので、王妹様と会うと色々気を回さなくてはならないので、申し訳ないがエレナ君を外まで呼んできてくれないか?」


「そういう理由なら、エレナさんを呼んできます。ソフィーちゃん、悪いけどアリシア様に見つからないように、エレナさんを呼んできてくれる?」


 アキが2人の話に割って入ると、ソフィーにエレナを呼んでくるようにお願いする。


「えっ!? わたし? いいけど… 」


 ソフィーはいきなり頼まれ驚くが、すぐに二つ返事で屋敷内にエレナを呼びに行く。


「あのー、ルーカスさん。1つ質問しても良いですか?」

「私に答えられることなら」


 そして、アキはソフィーが呼びに行ったのを確認すると、紫音の前でルークにこのような質問をする。


「ずばり、ルーカスさんは女性のバストサイズに拘りはありますか? やはり、大きい方が良いですか!?」


「アキちゃん!? 藪から棒に何を聞いているの!? 失礼だよ!」


 アキのその質問に、紫音はすぐさまそう突っ込むが内心では、彼がどう答えるか少し興味のある質問であった。


「いや、私は別に拘りはないかな。サイズに貴賤は無いと思うし、そんな事で女性に優劣を着けるつもりもないよ」


「そう… なんだ…」


 彼の答えを聞いた紫音は、少しホッとしてしまう。


「よかったね、紫音ちゃん」

「なっ 何が? 私は別に…… 」


 アキはニヤつきながらそう言ってくるが、紫音は自分の気持ちを誤魔化す。


 誤魔化すと言うより、今の自分のこの気持ちが何なのか解らなかったので、明言を避けたというところであった。


 アキがこのような質問をしたのは、紫音がフラレた理由からであり、ルークの答えを聞いたアキは紫音が彼に好意を持っても、今回は悲しい思いをしなくて済むかも知れないと少し安堵する。


(まあ、そうなった場合、王妹様の反応が不安だけど…)


 だが、その一方でそうなった場合のアリシアの反応に、不安を覚えるのであった。


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