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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第9章 少女激闘する(予定)

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319話 陣形

319話 陣形



<激闘! うさ追い祭り₍ᐢ。 ˬ 。ᐢ₎ その3>



<午後3時 イリノモテ村 ふれあいの森どうぶつ王国>


㋐「昨日の夜に到着して、朝からウサギをしこたま追いかけ、もふもふして癒やされましたな~」


㋛「可愛かったね」


㋞「“可愛かったね”じゃないのよ! いや、可愛かったけど! 地味だし面白くも何とも無いから、省略されているじゃない! 何しにきたのか解らなくなっているじゃない!」

 

㋐「そこで、この<ふれあいの森どうぶつ王国>のノエミンソンさんの提案で、夜に森の中に行って、イリノモテヤマネコという可愛い山猫を探しにこうとなりました」


㋨「ヤマネコかわいい…」


白髪のジト目が答える。


㋞「アナタ、ノエミよね!?」

㋨「……」


ノエミンソンは「何を言っているの? このツンデレツインテール?」と言った感じで、ソフィーをジト目で見つめたまま黙っている。


㋐「では、夜をお楽しみということで!」


<午後9時 ふれあいの森どうぶつ王国近くの森>


㋐「夜の9時、いよいよこれから、森の中でイリノモテヤマネコをもふもふしに行きますよ!」


㋞「その子見つかるまで、<探す>って言っているのよね?」


コクッ ノエミンソンは頷く。 


㋐「見つからないと大変な事になりますよ」

㋛「では、山に向かいましょう!」


<午後11時30分 ふれあいの森どうぶつ王国近くの道を走る馬車の中>


森の中を2時間掛けて捜索したが、ヤマネコは結局見つからず、「もういいじゃない、帰って寝ましょうよ」というソフィーの意見を無視して、ノエミンソンの知る次の生息ポイントに向かって暗い夜道を光属性魔法の照明を頼りに馬車を走らせていた。


馬車はノエミンソン、紫音、ソフィー、アフラ組、アキ、エレナ組の2台で走っており、アキ組は後方を走っている。


㋐「夜の11時半、熱気に溢れていますね」

㋓「因みに次の場所で居なかったら、どうするんですか?」

㋐「次の生息地にGOでしょうね」


<午前0時50分 ふれあいの森どうぶつ王国近くの道を走る馬車の中>


㋐「さあ、こちらの馬車にソフィーちゃんをお呼びしました」

㋞「どうも!」


㋐「3つ目の生息地にもいなかったので、3つ目の生息地にむかっています。これは、もうノエミンソンちゃんの意地といいますか…」


㋞「今のあの子は私達を長時間連れ回した手前、完璧に後戻りできなくなっているわね。今の所、あの子の理解者は人のいいシオン先輩だけで、アフラはあの激しく揺れる荷台ですっかりお休み状態よ」


<午前1時20分 ふれあいの森どうぶつ王国近くの道を走る馬車の中>


㋞「もうやめてくれないかしら、私はもう眠いのよ!」

㋐「あんなに躍起になっている彼女に、今更こっちから明日にしようなんて言えないよ。しかも、これからヤマニャンコを誘き出すための小魚を捕りに行くらしいですよ!」


㋞「どうして、こんな深夜に小魚捕りなんてしなくてならないのよ!」

㋐「捕りなよ! 捕ってあげなよ!」


㋞「考えてもみなさいよ! 普段家にいて、こんな深夜に尋ねて来て『おい、小魚捕りに行くぞ!』って、言われても『行かないわよ、この馬鹿!!』って返すでしょうが!」


深夜のヤマネコとの死闘と二人の口論はまだまだ続く。


#######


「そもそも、チョコスフレを1つずつしか作らなかったシオンさんにも責任があるッス!」

「えー! 私の責任なの!?」


「そうね、気を利かせて2つずつ作りなさいよ! だから、ダメ先輩なのよ!」

「ひどい!!」


せっかく作ったのに、褒められるどころか罵声を浴びせられ涙目になるダメ先輩。


「まあまあ、3人共。ここは仲良く四等分にしたらどうかな?」

「4等分? シオン様、3等分ではありませんか?」


罵倒され折れかけた心を何とか立て直した紫音の提案内容に、アリシアは不思議そうな表情でいるが、前回の経験からピンときたソフィーとリズは納得する。


「そうね、4等分ね」

「4等分ッス」


4等分に切り分けられたチョコスフレは、アリシア、ソフィー、リズ、そしてミリアに渡された。


「なるほど、ミリアちゃんの分だったんですね」


アリシアは嬉しそうに食べているミリアを見て、ほっこりとすると同時に納得する。


(どうですか、ケットさん!)


紫音が、成長した自分をミリアの肩に乗っているケットさんに尋ねるように見ると


「ナー(少しは気遣いの出来る大人に近づいたみたいね)」


と、褒めてくれたような気がした。


「じゃあ、オーガ討伐に向かおう!」

「おーー!!」


一同はオーガが巣食う近くの山に向かうことにする。


「オーガ発見ッス! 数は10、頭上に表示されているレベルは30ッス!」


イーグル・アイを使用したリズが、今やすっかり死に設定になっている冒険者プレートを所持していると魔物の頭上にレベルが表示される機能を使用して、みんなに敵の情報を報告する。


「レベル30は危険だから、一体残して、即殲滅するよ!」

「そうね、そのほうがいいわね!」


紫音の作戦に鞘から抜いた武器を構えてソフィーが答えると、エレナのプロテクションの魔法が掛けられると戦闘開始となった。


「ミー、GRファミリア発射ッス!」

「ホーー!」


着弾予測眼で6体のオーガの頭部にマークすると、リズはミーにGRファミリア発射を命じる。


発射された魔法の矢は、6体のオーガの頭に向かい一直線に飛んでいくと、見事に命中して綺麗に頭部を消し飛ばして魔石に変えた。


「あれ…?」


リズや一同が拍子抜けしていると残りの4体が、リズ目掛けてその巨体を揺らしながら迫ってきたので、リズはみんなの元まで走って逃げてくる。


「いけっ! GMファミリア!」


紫音の左肩上空に浮くプラットフォームから、オーラを纏った8つの勾玉型ファミリアは、飛翔すると3体のオーガの頭を切り刻みこれまた呆気無く魔石に変えてしまう。


彼女達が要塞防衛戦や本拠点侵攻戦で、相手をしていた魔物は最低レベル40以上の猛者揃いであり、それを相手にしていたため強さの感覚が麻痺しており、そこに彼女達の成長と女神武器の性能が加わり、数ヶ月前まで苦戦していたレベル30が弱く感じてしまったのであった。


オーガはアリシアの盾に装着されている誘引灯に釣られ、彼女を攻撃対象にするとその盾目掛けて攻撃を開始する。


「くっ! ゴブリンよりも攻撃が強いです!」


とはいえ、午前中相手をしていたゴブリンと比べると強敵ではあり、長身とその体躯から繰り出される攻撃は、攻撃を受けるアリシアの体に負担を掛けていく。


「早く攻撃をお願いします…」


アリシアが一堂を見ると、紫音達はCの字に並んで立っている。

これは、紫音が今回の訓練に出発する前にアキから教わった”戦う味方に意志を伝える応援方法”であった。


(これこそは、アキちゃんに教えてもらったCの陣形! 意味は”とにかく頑張れ!”)


「早く助けてください~!!」


だが、戦闘初心者のアリシアには、そんな陣形の意味を考える余裕はなく、ソフィーがすぐさまオークを斬り伏せ魔石に変える。




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