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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第9章 少女激闘する(予定)

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316話 鬼軍曹再び




 前回のあらすじ


 前回リザードのでる道、氷の床を歩きテントの中で豹に怯え、オチのない料理を作り、苦労した割には手応えの無かった前回の企画。


 疲れ果てた19歳前の年上ズ3人は、次回の企画は温泉回にして、「お気楽お色気路線にしよう!」と話し合う。


 ところが、それに一人異議を唱えたのが、血気盛んな17歳のソフィーであった。

 彼女は次の企画への要望として、次のような驚くべき提案をしてくる。


「私はね、もっと、カッコイイ姿を見せたいのよ。角のある魔物の突進やドラゴンのブレスを、華麗に躱したりする活躍する描写を見せたいのよ!」


「ソフィーちゃんは、スピード自慢だからね」


「そうよ、それぐらいの緊迫した姿を見せないと私の子猫ちゃん(読者さん)達が満足しないのよ」


「魔物は危険だから、牛でもいい?」


 子猫ちゃん達を満足させたいソフィーは、相手に強敵を指名してくるが流石に危険なので、アキは相手を牛にすることを提案した。


「まあ、少し物足りない相手だけど、牛でもいいわ。その代わりにできるだけ、荒々しい牛を用意してよ?」


 だが、牛では満足できないソフィーは、凶暴な牛を要求する。

 流石は冒険者である。


 その熱意に打たれた年上ズは、お気楽お色気路線を棄却して、新たな企画を<激闘! 牛追い祭り>とすると、すぐさまコミケのBL本購入のついでに牛追い祭りの見学に向かったのであった。


 こうして、次回より<激闘! 牛追い祭り>が始まる事になる。


「ちょっと! 何よこの前回のあらすじ! 私あんな事言ってないんだけど!?」

「アキちゃんの編集だね」


 ソフィーのツッコミに対して、紫音がそう答えると


「とんでもない技術をもっているわね、あのメガネ先輩…」


 彼女はアキをそう評価する。


 ###################




 紫音が冒険者組合に向かった、次の日―


 朝食を食べた紫音達が、食堂でのんびり過ごしていると朝食後すぐにミリアを連れて部屋を出ていったミレーヌが、緑色の帽子を被って扉を荒々しく開けて入室してくる。


「いつまで、呑気に過ごしているつもりだ、このノンビリ娘ども! さっさと右の壁に整列しろ、このお気楽娘ども!」


「サー! イエッサー!」


 ミレーヌの命令に紫音とエレナ、アキが、そう返事をして右の壁に並ぶ。


「えっ!? えっ!? 何!?」


 アリシアとソフィーが驚いているとレイチェルが


「騎士団の訓練を思い出すな! 了解です! 団長殿!」


 そう言って、新米騎士の頃を懐かしみながらの壁に並ぶ。


「団長ではない! 私は訓練教官のミレーヌマン先任軍曹だ! ちなみに、”軍曹”とは何だと聞かれても私も知らん!」


 ミレーヌマン先任軍曹は、そう訂正すると同時に自分の役名を発表した。


 状況が飲み込めずにいるアリシアとソフィーに、リズが近づいてきてジト目でこのように説明する。


「最近はやっていなかったッスが、私達のPTは何かする前には、お姉さん達が考えた茶番の発表会に付き合わされるッス。言われたとおり大人しく並ぶッス」


 リズはそう言うとレイチェルの隣に並び、ソフィーとアリシアの二人もその彼女の隣に並ぶ。


「ようやく並んだか、この鈍亀娘ども! 遅いのは、シオン君の胸の成長だけで充分だ!」

「酷いです、サー…」


 紫音は半泣きで答える。


「話し掛けられた時以外口を開くな! 分かったか この鈴虫ども!」

「サー! イエッサー!」


「ふざけるな! 大声出せ!」

「サー! イエッサー!」


「貴様ら、お気楽娘が私の訓練をこなした時、各人が魔物を屠る死の武器になる。その時までは、お前達はピヨピヨうるさいヒヨコだ!」


「わかったか!」

「サー! イエッサー!」


 ミレーヌマン先任軍曹は、整列する一同の前を往復しながら、厳しい言葉を放ち続けると紫音の前で立ち止まると彼女に名前を尋ねてきた。


「おい、ポニー。貴様名前は何という?」

「シオン・アマカワです…」


「今日からオマエを<|揺れるのはポニーテールだけ《まないた》>と呼ぶ。いい名前だろう?」


「以前より、酷い名前です…、サー」


 紫音は涙目で返事をする。

 因みにいぜんというのは、夢ではあるが同じようなあだ名を付けられたことである。


「お前達は、厳しい私を恨む。だが、憎めばそれだけ学ぶ。私は厳しいが公平だ、AA(紫音)だろうがレイチェルだろうが、私(E)の前では等しく同類ヒンヌーだ」


「サー! イエッサー!」


「ふざけるな! 大声出せ! 小さいのはソフィー君の胸だけで充分だ!」

「サー!! イエッサーー!!」

「誰が小さいのよ!!」


 アキが予測して書いた脚本どおりのツッコミを、ソフィーは入れてしまう。


「誰だ! 今のお喋り娘は! どこのツンデレツインテールだ!」

「バッチリ、誰か把握しているじゃない!」


 ソフィーはいつもの調子で、続けて突っ込んでしまう。


「貴様か、ツンデレ娘! 勇気ある、コメディアンめ。今日からお前を<フラットチェスト(まないた)>と呼んでたろう」


「先輩とルビが変わらないじゃない!!」


 ソフィーのツッコミが決まったところで、ミレーヌは帽子を脱いで紫音達にこのような言葉を掛けてくる。


「では、シオン君、アキ君、私はそろそろ庁舎に出仕するよ」

「はい、ありがとうございました」


 ミレーヌは帽子を食卓に置くと、部屋から出ていって代わりにミリアが不安そうな顔で入室してくる。


「というわけで、今日から訓練をしようと思います!」

「普通に発表しなさいよ!」


 紫音の宣言にソフィーは、疲れる様子もなく4回目のツッコミをおこなうが、紫音は無視して話を続けた。


「とりあえず、今日は外に出て周りのゴブリンを相手に、アリシアの実戦訓練をして、明日冒険者組合で受けてきたオーガ討伐に向かうね」


 アリシアは、瞳を潤ませ不安そうな表情を浮かべるという、ミリアを見て学んだ庇護欲を刺激する表情で紫音の手を握るとこのような事を言ってくる。


「シオン様… 実戦は学校で、何回か行いましたが緊張します。わたくしを守ってくださいね」


「いや、アリシアは盾職だよね? 守るのはアリシアの役目だよね?」


 だが、紫音には通用せず彼女はそう言いながら、握った手を振りほどこうとしてくる。

 こうして、紫音達はアリシアの訓練のために、街の外に出かけることになった。


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