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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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315話 束の間の休息 その2




 リザード本拠点攻略が済んだ次の日、空が明け出しそうになった頃、本拠点では『魔力吸収宝玉』の回収作業が済んでいた。


「何とか間に合ったわね」

「そうですね… ふわぁ~」


 魔王の言葉にあくびをしながら、リーベが言葉を返す。


「エマ、リザードが集めていた高価な素材と金品は回収出来たかしら?」


「はい。【女神の大鞄】に詰めました。ですが、どうして今回だけ高価な物を回収するんですか?」


 エマの質問に魔王はこう答える。


「高価なモノが本拠点に無ければ、次回のオーガ本拠点攻略にそれを目的として参加するクランが減る可能性があるわ。こちらが有利なる手があるのだから、使っておくべきでしょう。さあ、陽が完全に出る前に撤退しましょうか」


 魔王は質問に答えると来た時と同じように、グリフォンに乗り込み暗闇に紛れて撤退する。

 そんな事とは露知らず、人間たちは朝を迎えた。


 紫音は朝食前に、アキとクリスに呼び出されて、少し離れた所で転生者同士の会話を始める。


「今更だけど、リザードってトカゲさんのことだよね? でも、この世界はどう見てもワニさんだったよね?」


「ゲームや物語によっては、リザードはトカゲ型だけではなくワニ型や恐竜型で描かれることもあるよ。爬虫類って括りの扱いだね」


 ファンタジー世界に詳しいアキが、紫音の疑問にこのように答えた。


「むしろ問題なのは、姿ではなく名前のほうだよ。イリエにナイル、ミシシッピなんて、私達が住んでいた元の世界のワニに名付けられているモノだからね」


「トロールの名前と合わせて、魔王軍には転生者がいる可能性はかなり高くなったわね」


 クリスが神妙な面持ちでそう自分の考えを述べると、紫音がその意見にこのような反応をする。


「本当に元の世界の人間同士で、戦わないといけないんだ…」


 紫音にとっては、転生者はフェミニースに選ばれた元の世界の仲間みたいな感覚でいたので、戦うのは正直気が引けてしまう。


「まあ、別に殺し合わなくても、戦闘能力を奪えればいいんだから、何とかなるよ」


 アキはそう言って、親友の落ち込んだ気分をあげようとするが、彼女自身がそんな事ができるのか疑問に思っているので、あまり効果がなかった。


「お姉さま… こんな朝早くから、先輩とアキさんと何を話しているのかしら」


 茂みからその様子を心配そうに窺うソフィー。


「シオン様… わたくしを放置して、3人で秘密のお話だなんて…」


 そして、その彼女の横で同じく様子を窺うアリシア。


「そろそろ、戻りましょうか。あそこで、心配そうにしている二人もいるし」


 クリスは茂みにいる二人に気付くと、キャンプ場に戻る事を提案して、この話し合いを閉めることにする。


 紫音達が、朝食を済ませてテントを片付けていると本拠点の探索に行っていた冒険者達が、めぼしいものが無かった事に対して愚痴を吐きながら帰ってきた。


「次の本拠点攻略に影響が無ければいいが…」


 その様子を見たユーウェインが、次の本拠点攻略時に今回宝を得られなかった彼らが参加しなくなることを危惧する。


 こうして、一抹の不安を残したままリザード本拠点は終了して、一同は街への帰路につくことになった。


 街に戻った紫音達は、疲れからその日はゆっくりすることにする。


 次の日、紫音はリザードの王をあんな形とは言え倒したので、冒険者ランクを確認するために久しぶりに冒険者組合に向かう。


 すると、冒険者ランクはCからAまで上がっていた。


「凄いわね、紫音ちゃん。ついにAランクよ。始めてここに来た時は、こんな覇気も何もない頼りなそうな娘が冒険者なんてやって行けるのかと思ったけど… こんなに立派になって、お姉さん嬉しいわ」


 シャーリーは、嬉しそうにそう言いながら、冒険者プレートを渡してくれる。


「シオンさん… おめでとうございます…」

「これで、高ランクの依頼も受けられるッス」


 ミリアとリズは紫音のランクアップに、祝福の言葉をかけた。


(そう言えば、この世界に来てから、冒険者としての依頼は数回しか受けていない気がする…。でも、アリシアの実力と実戦経験からすると高レベルの依頼は受けられないし…)


「これにしよう!」


 紫音はDランクの<近くの山まで行って、そこにいるオーガを10体退治する>という冒険者らしい依頼を受けることにする。


「よーし、頑張ろうね! 明日から!!」

「明日なの!?」


 ソフィーのツッコミが、決まった所で次回へ続く。


 ######


 シオ井以下㋛「というわけで、今回でこの章も終わりです」


 ソフィズミ以下㋞「相変わらず、グダグダだったわね」


 ㋛「ソフィーちゃん、まったり、ほっこりと言ってよ」

 ㋞「モノは言いようね…」


 ㋛「その代わりに、次の章は激闘だからね!」


 ㋞「次章では、荒々しく牛から逃げる私の活躍を見せるって書いてあるけど…、そんな馬鹿なことしないわよ?」


 ㋛「そんな事言われても困るよ、ソフィーちゃん。だって、今D二人(アキ村、エレしぃ)がコミケでBL本購入のついでに、視察してくると言って現地に向かっているので…」


 ㋞「あの人達、一体どこのコミケにBL本買いに行っているのよ!?」


 ㋛「新章は、<ソフィーちゃん、牛追いに参加する!>お楽しみに~」


 ㋞「いや、しないから!!」


 次回より、新章突入


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