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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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310話 撃破作戦 その2





 カシードが文字通りその身を盾にして、デイノスクスの尻尾攻撃の勢いを弱めてくれたお陰で、アフラはその尻尾に切り札である全てのオーラを込めたハイパーオーラパンチを、その尻尾に叩き込むことが出来た。


「グオォォ!?」

「はにゃにゃ~」


 ハイパーオーラパンチの衝撃による爆風で、アフラは地面を転がる。


 だが、全オーラを使ってしまったアフラは、体に力が入らないため先程のように起き上がることができず、そのまま爆風によって地面を転がり続けてしまった。


「きゅ~~」


 転がるのが止まったアフラは目を回し、地面で大の字になって倒れたままになっている。

 その側では、全身にダメージを負ったカシードも倒れている。


 爆風が晴れデイノスクスの尻尾を確認すると、3分の1まで消し飛んではいるが未だ健在であり、デイノスクスは地面で倒れているアフラを見ると尻尾で追撃しようとしたが、3分の2を失っているので足による踏みつけ攻撃を選択した。


 デイノスクスは、ファミリアや矢による攻撃を受けるが、物ともせずにアフラに近づく。


「アフラちゃん、危ない!」


 紫音がアフラの救援に向かおうとすると、視界が急に眩しくなる。


「まっ 眩しい…」


 それは、後衛職達が待機している所にミリアと一緒にいるアキの仕業で、彼女は太陽光を手鏡で反射させて、紫音の目にチカチカと点滅させながら当てていた。


 ※紫音は訓練されているため平気ですが、良い子は真似をしないでください


 その光の点滅は、モールス符号で行われており、当然紫音はモールス符号など知らないので、


「アキちゃん、チカチカ眩しいよ… 何だろう?」


 と、困惑していた。


 因みにその内容は―


 <ヨケイナ マネ スルナ コノ ヒンヌー マナイタ チヘイセン>


 紫音がモールス符号を知らないのを良いことに、言いたい放題であった。


「きゅ~~」


 地面で動けずにいるアフラに迫ったデイノスクスが、彼女を踏みつけるために右足を上げたその時―


「アフラ! カシード! お前ら、よくやったな! 流石は俺のクランメンバーだ!!」


 その瞬間を見計らっていたスギハラが、デイノスクスの死角から縮地法で急接近して、尻尾目掛けて高く跳躍すると頭の上に大きくエビ反りになるまで後ろに振り上げたオーラを込めた太刀を、残った尻尾に勢いよく叩きつけるように振り下ろす。


「奥義・地鳴!」


 地鳴は落下する力とエビ反りからの勢いを、大量のオーラを込めた太刀に乗せて、叩きつけるように放つ技で、その破壊力から命中時に地面が揺れ地鳴りのような音を出すことから名付けられた技であった。


 このように奇襲に近い形でないと命中しづらい技であるが、当たれば大ダメージを与えられ、デイノスクスの残った尻尾3分の1を見事に切断する。


 右足を上げた状態で尻尾を切断されたデイノスクスは、体勢を大きく崩してふらつくとその体勢を立て直すために、その場で静止することになり、それがスギハラとアキの狙いであった。


 これはスギハラのアドリブで、それを遠くから客観的に見ていてその彼の動きに気付いたアキとの連携であり、デイノスクスに足を上げさせるために、紫音の動きを止めたのである。


 そして、その隙きを逃すユーウェインではなかった。


「アイツばかりに、目立たせるわけにはいかないのでな。私の相手もして貰おうか、リザードの王!」


 ユーウェインはデイノスクスが体勢を立て直すために、静止した一瞬を逃さずオーラステップで急接近すると右膝裏に魔法剣を叩き込む。


「魔法剣フリーズ!」


 彼の予想通り膝裏には鱗は無く、グラムリディルでの斬撃は有効でその斬撃跡から魔法剣フリーズが発動して、右膝裏から足全体に巨大な氷柱が発現して右足を地面に拘束する。


「オノレ!!」


 右足を氷柱で地面に拘束され、身動きを封じられたデイノスクスは、両の拳で氷柱の破壊を開始した。


「私の魔力が尽きるのが先か、キサマが氷柱の拘束から逃れるのが先か勝負だな!」


 だが、ユーウェインは砕かれている氷柱を斬りつけ氷柱を再生させる。


「やっと、私の出番ね!」


 そこに左の背後から、ソフィーが拘束で接近して同じく左の膝の裏をミトゥデルードで、斬りつけ切断を開始した。


 特殊能力が発動したミトゥデルードの刃は、超高速で振動して所謂<振動剣>となっており、振動する刃はデイノスクスの膝裏を切断していく。


 流石のミトゥデルードの振動剣も、王の足を断ち切るのは容易ではなく、一気に切断とは行かない。


「きゃあ!?」


 そして、デイノスクスも黙って右膝の切断を待つはずがなく、右足が地面に氷漬けになっているのを逆に利用して、それを支えとして左足を前後に大きく振って、ソフィーを振りほどきにかかり、たまらず彼女はミトゥデルードを膝裏に残したまま一度距離を取る。


 膝裏のミトゥデルードを引き抜こうとするデイノスクスであったが、ミトゥデルードは選ばれた者しか触ることは出来ず、魔物には引き抜くことは出来なかった。


 そうこうしているうちに、左足の前にGRファミリアが三本飛翔して来て、マジックバリアを展開して、前への動きに制限を掛ける。


 突然発現したマジックバリアによって、デイノスクスは左足を壁にぶつけたような形になり、後ろに逸しながら思わず地面に足を付く。


 そこにソフィーが、高速で後方から移動すると膝裏に残したミトゥデルードを、再び握りしめて切断を再開させる。


 そして、残ったもう一本の左手のミトゥデルードを、膝当て側から斬りつけ、両面からの切断に切り替える。


 振動剣は火花を散らしながら、膝当てを断ち切ると続けて、その刃で膝を切り裂いていく。


 もちろん、デイノスクスはまた足を振ろうとするが、前面はGRファミリアのマジックバリア、後方からはGMファミリアのオーラのバリアに挟まれる形となって、足が振れなくなってしまう。


 足を大きく振れないために、前後のバリアにダメージを与えられず、バリアを破壊することができないその間に、ソフィーは膝を3分の2切断する事に成功するが、ここでデイノスクスは左拳を彼女に振り下ろす。


「!?」


 だが、ソフィーの頭上に先程まで左足前面にGRファミリアが移動してきて、マジックバリアを展開するとデイノスクスの攻撃を防ぎ、その間に彼女は距離を取ることとができた。


「助かったわ、ジト目!」


 ソフィーがリズの方を見ると、彼女はジト目で親指を立てている。



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