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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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306話 腐女子少女、考える





 <シェフ ソフィー  畑から開墾して、料理する春野菜スペシャル その6>


 ㋛「土地を開墾する所から始まったこの企画。前回野菜も実り、寒空で料理を作ることになったソフィーちゃん。果たして、今回こそ料理が作れるのでしょうか?」


 #####


 <1月23日 午前10時 農園>


 ㋐「えーと、フライパンに鍋に… アレ? リズちゃん、食器は?」 


 慌てて馬車の荷台を探す衣装担当リズマツ(以下㋷)であったが、どうやら見つからなかったらしい。


 ㋐「もしかして、食器を忘れたの?! 皿がないと料理できないよ!?」

 ㋛「お皿がないと完成した料理を盛りつけできないね…」


 ㋷「お姉さん達、ごめんなさい。リズね… 昨日、夜遅くまでカードデッキの構成を考えていて、夜更ししちゃったから朝起きられなかったの… それで、お皿忘れちゃったの…」


 リズは上目遣いと潤んだ瞳で、庇護欲を大いに掻き立てながら<あざとリズ>で謝罪してくるが―


 ㋞「可愛さで誤魔化しているけど、忘れた理由に同情の余地がひとつもないじゃない!!」


 ソフィーには、あざとリズは通用せずにしっかりと突っ込まれてしまう。


 ㋛「リズちゃん、いいんだよ! 過ちは誰にでもあるんだから!! それに、お皿なんて【作れば】良いんだから!!」


 だが、紫音にはクリティカルヒットなので、彼女は可愛いあざとリズを抱きしめながら、その失敗を許すと同時にとんでもない発言をして、しっかり者のソフィーは当然聞き逃さなかった。


 ㋞「はあっ!? 今、何をシレッととんでもないこと言ったのよ!? このダメ先輩!!」

 ㋐「それは良い意見だよ、紫音ちゃん! 確かに無ければ【作れば】いいだよ!!!」


 アキはソフィーの発言と存在を無視して、台本通りに話を進める。


 ㋐「畑も1から作ったのだから、皿も1から作ればいいだけの話だよね!!!」


 だが、そこは気の強いソフィーなので、大人しく引き下がるわけもなく、アキとの舌戦を開始する。


 ㋞「”皿も1から作れば―”じゃないのよ!! 皿なんかなくても、フライパンや鍋から直接食べなさいよ! そもそも、こんな機材も禄に揃ってない所で料理するんだから、皿がなくても問題ないでしょうが!!」


 ㋐「だからこそ、盛り付けだけには拘るべきでしょうが! それに、”シェフ”ソフィーちゃんも料理人として、盛り付けにこだわりあるでしょう?」


 ㋞「別に拘りなんて無いわよ!! 直食いが嫌なら、そのへんで適当に食器を買ってきてあげるわよ!!」


 ㋐「こんな畑ばかりの所に、近くに食器屋なんてないよ?」

 ㋞「それを言うなら、皿を作るところもないじゃない!!」


 次回に続く



 ######



「アキさん、どうしたのよ? 急に真面目な顔で、考え込んで…」


 ソフィーは、いつもと違う真面目なアキの表情に、そう尋ねると彼女は考えるのを中断して、こう答える。


「わかったかも知れない… リザードの王、撃破の方法… 」


「えっ!?」


 そのアキの思いがけない言葉に、一同は思わず驚きの声をあげた。


「本当に!?」


 ソフィーが食い気味でそう質問すると、アキは自分の仮説の話をする前に、そのソフィーとアフラにこのようなお願いする。


「ユーウェインさん達にも、作戦の提案をしたいから連れてきて欲しいの。ユーウェインさんが無理なら、リディアさんかエドガーさんを連れてきて。クリスさんは絶対に連れてきて!」


「わかったわ!」

「おっけー!」


 ソフィーとアフラは前線に向けて、急いで彼らの元に向かう。


 彼らを呼びつけたのは、前線で説明している所を、デイノスクスに襲われたら元も子もないからである。


「さて、私はその間に作戦を詰めるから、邪魔しないでね」


 そう言うと、アキは自分の顔の前に”フレミングの左手の法則の形にした左手“を当て、作戦を考え始めた。


 だが、傍から見たら赤いノースリーブとサングラスを掛けた格好をした人物が、フレミングの左手を顔に当てて真剣な表情で考え込んでいる姿は、情報が多すぎて渋滞を起こし掛けている。


 彼女の脳裏には、次々と過去のゲームの記憶が蘇る!


「まずは、尻尾から斬りましょう!」

「こんなもの運ゲーじゃない!」

「やっぱ、エルフ♂だわ~」


「えっ? 何故パーティが男キャラだけなのかって? もちろん私の趣味に決まっているじゃないか、紫音ちゃん」


「えっ? どうして、美少年二人が、裸で一緒のお風呂に入っているのかって? 別に不思議なことじゃないでしょう? 私達だって、小さい頃は一緒に入っていたじゃない」


「えっ? どうして、カッコイイ男性二人が、裸で一緒のお布団に入っているのかって? 別に不思議なことじゃないでしょう? 私達だって、一緒に入って寝たじゃない」


「私達は裸で一緒に寝たことは一度も無いよ!!」


「さあ、言ってみ。その可愛いお口で、ライアスの”グレートランス”で、何を連想したのか言ってみ?」


「アキちゃんのバカ~!」


「さあ、エフエフでもするか~。おまっ お前コレ! エフエフはエフエフでも、”エ”イジと”フ”レドリックが、”エ”キサイティングに”フ”ァイトする(もちろん性的)、略して”エフエフ”じゃないか!!」


「アキちゃんの馬鹿~!」


(ダメだ! 後半、紫音ちゃんへのセクハラ行為しか思い出していない!!)


 しかし、思い返すと紫音にかなりのセクハラをしていることに、自分でも少し引きながら、それでも親友関係でいられるのは、紫音の闊達な性格のおかげであろう。


 お詫びに感謝の言葉を言えればいいのだが、恥ずかしいので後で何か奢ろうと考えつつ、今度はちゃんとした事を思い出すために集中する。


 アキの脳裏には今まで培ってきたゲームの経験、主にRPGのボス攻略の経験が駆け巡っていた。


 そして、それを参考にデイノスクス討伐の作戦を練り上げる。


「撃破までの道が見えた!」


 アキは目をカッと見開く演出を行い閃いた感を出したが、サングラスを掛けているので誰も気づかなかった。


 そもそも、アリシアは紫音の戦闘を応援するのに夢中でアキを見ておらず、ミリアもそうかなと彼女の方を見ると、ミリアはアキのことを不安そうな表情で見ていてくれた。


(かっ 可愛い… 紫音ちゃんが事あるごとに理由を付けて、抱き締めたくなるのが解る!!)


 ミリアが紫音ではなくアキを見ていたのは、デイノスクスが怖いからという単純な理由であり、そのため考え込んでいるアキを見ていたのであった。


「ミリアちゃんはいい子だね~」

「???」


 ミリアは何故アキに褒められたのかわからないので、少し不思議そうにしており、その姿もまた可愛い。


 アキはユーウェイン達が来るまで、ミリアの帽子を左手で彼女の頭から持ち上げると、右手で彼女の頭を撫でて癒やしを得ることにした。



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