296話 ヒュドラ撃破
前回のあらすじ?
<10月1日 午前5時 ミレーヌ屋敷 裏庭駐馬車場>
ミス・シオン(以後㋛)「さあ、今回から本編前の茶番の新企画が始まります。何かと言いますと秋野菜を使った料理企画です。その名も」
<シェフ ソフィー 秋野菜スペシャル>
㋛「料理をする皆様方の献立の参考になればと思っています。では、今回の主役、<炎のツンデレ目料理人>ソフィーちゃんです!」
ソフィー(以後㋞)「こんなに朝早くから、料理を作るって聞いてないんだけど!? そもそも、料理企画はジト目がやるべきじゃない? 悪いけど、私はこう見えても料理はソコソコできるから、面白い内容にはならないわよ?」
早朝からツンデレキャラ全開でいるソフィーを無視して、シオンは進行を続ける。
㋛「あと、今回もう一人ゲストがいます」
㋞「私を無視して、進行しないでよ!」
㋛「黒いポニーテールが似合う、FTV(フェミニーステレビ放送)のマスコット、ShiONちゃんです!」
シオンに呼び出されたShiONちゃん(中の人アフラ)は、大きな丸い胴体に手と足が付いており、後部にはポニーテールも付いている、所謂ゆるキャラである。
ShiONちゃん(×アフラ)は、画面に現れると軽やかに元気よく動き、場を和ませてくれる。
そして、その光景を見て馬鹿笑いするアキムラD(以後㋐)。
<ビストロ ソフィー 本日のメニュー>
㋞「前菜は、タコと三色のピーマンのマリネ。続いては鯛と秋野菜のシンフォニー」
そして、ソフィーは手に持った鞄から、”パイ生地”を取り出すと意気揚々と語りだす。
㋞「最後はコレ、このお姉さまに昨日わざわざ作って貰った”パイ生地”を使った料理、秋野菜のミートパイよ!」
その後、ソフィーはクリスに思いを馳せながら、頭お花畑で自分の計画を話し始める。
「後でお姉さまに御裾分けを持って行って、好感度をアップさせるんだから~」
クリスの故郷イギリスでは、パイ料理は代表的な料理で彼女もよく作っては、クランメンバーに振る舞っている。
そこで、ソフィーは自分もパイ料理を作って、敬愛するクリスに食べてもらい好感度をあげる計画である。
㋐「シェフ、ヤル気満々だね」
㋞「もちろんよ。そうでなければ、こんな朝早くから料理なんて作らないわよ!」
㋛「今回一つお願いがあります。できるだけ、美味しいものを食べさせてくだい」
シオンがリズに頭を下げてお願いすると、ShiONちゃんも続けて体を曲げてお願いしてくる。
㋞「安心しなさい! 少なくとも、ジト目のような膨れ上がったスパゲッティは出さないから!」
そして、一同は移動するために馬車に乗り込む。
キグルミであるShiONちゃんは、足の可動域が狭く馬車の荷台になかなか乗り込めずに”チクショー”とばかりに悔しがっている。
「いや、アンタ(アフラ)の身体能力ならジャンプすれば乗れるでしょうが!」
ソフィーのツッコミが決まったところで、一行は馬車に乗って現場へ向かう。
登場人物
ミス・シオン(紫音) ソフィー ShiONちゃん(アフラ) アキムラD
撮影・エレシノ(エレナ)
次回へ続く
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「援護のおかげで、だいぶ楽になったよ」
紫音、リズ、ノエミ、リディアの遠隔攻撃による援護を受けたアキは、ズゴーレムに攻撃目標の変更を、頻繁に行わなくて済むようになりかなり負担が減る。
ヒュドラの首は再生する度に、援護の四人の攻撃だけで落としているので、ズゴーレムはヒュドラの胴体への攻撃に専念することができダメージを与え続けていく。
こうなると、後はもう消化試合であり、ヒュドラ撃破は時間の問題となる。
作業は単純となり緊張感は薄まり、そうなると睡魔がアキを襲う。
「あっ… ヤバい… 寝落ちしそう… 」
アキが睡魔と戦いながら、まどろみの中でうつらうつらしていると、
「ちょっと、アキさん! 今、寝ようとしていたでしょう!?」
ソフィーが絶妙なタイミングで、突っ込んでくれたためアキは眠らずに済む。
「いやー、ソフィーちゃんのツッコミアラームが無かったら、危ないところだったよ。昨晩エレナさんと熱いカプ論議を夜中までしていたら、眠くなってしまって…」
アキはあくびをしながら、眠りそうになった理由をソフィーたちに語る。
「昨日眠る前に私が忠告したのに、結局夜ふかしをしたの!?」
それは、理由というほどのモノではない呆れる内容であり、それを聞いたソフィーは当然こう突っ込む。
「ソフィーちゃん…。腐女子が二人揃えば、カプ論議がおこなわれるのは、あたりまえと言われていることだから! むしろ、カプ論議をしたのに喧嘩別れしなかった事を、褒めてもらいたいぐらいだよ!!」
だが、アキからはドヤ顔気味で、このような逆ギレに近い反論が返ってきた。
しかし、そこはツンツン気の強いソフィーである。
「褒めるわけ無いでしょうが、この駄目先輩2号!」
一歩も怯まずに、ツッコミを入れた。
そうこうしているうちに、アキ達はヒュドラを倒すことに成功する。
「いや~、みんなで力を合わせて大型モンスターを倒す、MMORPGのボス戦を思い出したよ。そして、寝落ちしてPTに迷惑かけたことも… 今となっては何もかもが懐かしい…」
ヒュドラを撃破したアキは、魔力回復薬を飲みながら遠い目をして、懐かしき日々を思い出す。
「MMORPG? また、ワケのわからない単語を言って… まあ、解るのは今も迷惑を掛けているってことね」
「おっ、ソフィーちゃん。今日はいつにもまして、毒舌ツッコミだね。お姉さん、ツンツンツッコミは好きだけど、毒舌ツッコミは好きじゃないよ」
「誰がツンデレよ!」
ソフィーのツンツンツッコミが、決まったところで次回へ続く―




