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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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294話 主人公、再出撃する!




 前回のあらすじ


 百合百合パラダイスを見るために、頑張るレイチェル。

 だが、願い叶わず副官戦継続!


 そして、遂に今回主人公が動き出す



 #####



 レイチェルとリディアは、支給品の高級オーラ回復薬を数本飲んで、オーラを回復させると隣で副官クチビロと戦っているアーネスト・スティールの援護に向かう。


 その頃、紫音は―


「よーし! オーラとミリアちゃん成分も補充できたし、そろそろ前線に戻るよ!」

「シオン様、アリシア成分はもう少し必要じゃないですか!?」


「アリシア成分は、もうお腹いっぱいだから、大丈夫だよ。むしろ、しばらくは必要ないぐらいだよ」


「そんな!?」


 ショックを受けるアリシアに紫音は、優しい笑顔でこのように諭す。


「アリシアだって、沢山ケーキを食べたら、しばらくは食べたくないでしょう? アレと同じだよ♪」


「わたくしをケーキと一緒にしないでください!」


 アリシアは、食べ過ぎたケーキと同じ扱いをされ涙目でそう訴える。


「冗談はさておき、そろそろ前線に戻らないといけないからね。アリシア、これから【無念無想】に入るために、瞑想するから私を守ってね」


 紫音も流石に言い過ぎたと思って、今回はアリシアに守ってくれるように頼むことにした。

 これは、無防備になる自分の身を預けるという紫音から、アリシアへの信頼の証であった。


「はい! おまかせください!」


 アリシアは頼られたことで機嫌を秒で戻すと、嬉しそうに返事をして盾を構える。


 紫音はそんなアリシアの背中に回ると瞑想を開始して、【無念無想】から【無我の境地】に至るとユルカワイイ顔から、落ち着いたカッコカワイイ顔の紫音になった。


「じゃあ、前線に行ってくるよ。ソフィーちゃん、ミリアちゃんとアリシアをお願いね」


 紫音はそう言って、ムラクモブレードを腰の鞘から引き抜くと、前線に向けて走り出す。


「シオン様、ご武運を!」

「シオン先輩! やらかさないでね!」

「シオンさん… お気をつけて…」


 三人に見送られて、紫音は再び前線に向けて高速で走り出すと、軽やかに氷属性魔法で凍った氷の上を走り出す。




 ―が、滑ってしまい


「えっ!? あっ!? えっ! はうぅ~~~~!!」


 紫音は氷の上を変な声を出しながら、手をばたつかせるというお約束のポーズで数メートル程滑ると氷上に尻餅をついてしまう。


「あうっ!!」


 氷属性魔法で凍った氷の床は、凍ってから既に時間が経って溶け始め滑りやすくなっており、紫音は見事に足を滑らせてしまったのであった。


 そして、カッコよく出陣した紫音は、僅か五分足らずで強打したお尻を擦りながら、半泣きでアリシア達の元に帰ってきた。


「何をやっているのよ! 帰ってくるの早すぎでしょうが! まだ、五分ぐらいしか経っていないわよ!? 見なさいよ、流石のミリアも今のダメ先輩にドン引きよ!?」


 帰ってきた紫音にソフィーはすぐさまそう突っ込み、それを聞いた紫音は、


「ミリアちゃん… 」


 不安そうに涙目のままでミリアを見る。



「シオンさん… かわいそう… 」


 だが、紫音に憧れて妄信しているミリアは、お尻を擦る紫音を見て心配と同情してくれている。


 そして、当然アリシアも紫音を気遣うために近寄って、


「シオン様! どこが痛むのですか!? ここですか!? ここですか!!」


 そう言いながら、痛みを和らげるために紫音のお尻を擦るという同性でなければ、セクハラという行為をおこなう。


 ※注意 同性でもセクハラになる可能性があります


「アナタ達、ダメ先輩を甘やかしすぎよ! あと、アリシア様はドサクサに紛れて、セクハラ行為は駄目ですから!」


 ソフィーはツッコミと同時に、すぐさまアリシアを紫音から引き離す。


 そのツンデレお姉さんの行動をコクコクと頷きながら、彼女のツッコミを肯定するミリア。


「違いますから! わたくしは純粋にお尻をぶつけたシオン様を不憫に思って、お慰めしようとしただけだから! 決して、この期を利用してセクハラしてやろうなんて、思っていませんから! 良かれと思ってやったことですから!」


 図星を突かれた王妹様は、必死に言い訳をするがソフィーとミリアは疑いの眼差しを向けていた。


「シオンさん、盛大に転んでいたみたいですけど大丈夫ッスか?」


 そこに頭にミーを乗せ魔力回復薬を飲みながら、後方に戻ってきたリズが紫音を心配しながら合流してくる。


「まだ、少しお尻が痛いけど、大丈夫だよ」


 紫音が恥ずかしさから、苦笑いしながらそう答えた。

 すると、ソフィーがこのような事を言い出す。


「そもそも、オーラを足に纏わせて強く踏み込めば、オーラで強化された靴裏のスパイクが氷に突き刺さりやすくなって、滑りにくくなるはずよ?」


「えっ!? そんな方法があったの!? どうして、ソフィーちゃんもアリシアも教えてくれなかったの!」


 紫音はそんな良い方法があったのに、教えてくれなかったソフィーとアリシアを責める。


「知らなかったの? 冒険者学校で習ったでしょう?」

「私は、冒険者育成教習所しか通ってないから…」


 だが、紫音が自信なさそうに、そう言うと


「基礎だから、そこでも習うはずですよ?」


 アリシアが言いにくそうに、そう指摘してきたので、紫音は講習内容を思い返して、確かに習っていた事を思い出す。


「そういえば、習ったような気がする… 寒いところなんて行かないと思って、すっかり忘れていたよ…」


 紫音は気を取り直して、再びアリシアに護衛して貰い【無念無想】から【無我の境地】に至るとダメお姉さんの顔から、落ち着いたデキルお姉さんの顔になる。


「では、今度こそ行ってくるね」


 紫音はムラクモブレードを抜くと今度こそ颯爽と走り出す。


「シオン様、今度こそご武運を!」

「シオンさん… 今度こそお気をつけて…」


「シオン先輩、今度はもう5分で帰ってこないでよ!」

「シオンさん、今度は活躍して、自分の出番を減らして欲しいッス」


 四人それぞれの言葉で送り出された紫音は、氷が張っている手前まで駆けてくると足にオーラを纏わせて、氷の床を力強く踏みしめる。


 すると、スパイクが上手く氷に突き刺さり、滑ることなく走り続けることが出来た。


(なるほど… 確かに、これなら滑らずに走れそう)


 紫音は走りながら、ムラクモブレードにオーラを溜めてオーラの大太刀にすると、目の前にいたリザードに突っ込む。


 リザードは突進してくる紫音に対して、手に持った槍を突くが彼女はそれを進行方向斜め右に飛び込んで突かれる前に回避すると、横を通り抜ける際にオーラの大太刀を水平に振り抜いて、その首を切り落として魔石に変える。


 通常の刀身なら届かない所だが、オーラの大太刀の刀身をもってすれば、余裕で首まで届き撃破することができた。


 こうして、紫音は滑って転んだことを無かった事にして、活躍を始める。


「終わりよければ、”すべてヨシッ!”ッス! ”すべって”転んだだけに!!」


 リズはドヤ顔で、誰かに向けてそう言い放った。


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