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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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288話 主人公、活躍し続ける




 前回のあらすじ



 リザード本拠点攻略が開始される。


 開始序盤、今のところ紫音は活躍を続け、ミスをせずまるで主人公のような活躍をする紫音。


 サブタイトルを見た読者の中には、


「『主人公が活躍し続ける』のは、当然じゃないか! サブタイにすることか!」


 と、思われた方もいると思うが、本作主人公においては珍しいことであり、今回このようなサブタイトルとなりました。


 #####


 一方、オーガ本拠点では―


「来ないね」

「来ないわね」

「来ないの~」

「わん!」


 ユーウェインの策に乗せられた事を知らないリーベ達は、昼を過ぎても姿を見せない人間達を、城壁の上から様子を窺いながらヤキモキしながら待ち続けていた。


「暇だから、トランプでもする?」

「するの~」


 暇なクロエはトランプを取り出して、そう提案すると同じく暇を持て余したアンネがすぐさま食いついてくる。


「二人共、私達は遊びできている訳じゃないのよ!」


「まあ、いいじゃない。気を張り詰め続けても、疲れるし気晴らしも必要よ。私が見張っているから、三人でオールドメイド(外国でのババ抜きのような遊び)でもすればいいわ」


「真悠子さんが、そう言うなら…」


 真面目なエマは当然許さないが、リーベは子供達の集中力と体力を考えて、休憩も兼ねてトランプで遊ぶことを許可して、エマもリーベがそう言うなら賛同する。



 その頃、リザード本拠点では―


 人間達とリザード軍の攻防が続いていた。

 紫音がリザードに近づいて目の前で停止すると、その彼女を攻撃しようとリザードは右手に持った剣を振り上げる。


 攻撃を誘発して武器を振り上げさせると、紫音はリザードの右側に移動して、そのガラ空きとなった胴にオーラの大太刀を振り抜いて真っ二つにした。


「ふう~。これで、20体くらいかな…。これじゃあ、キリがない。よし、アレで一気に倒そう! 女神の祝福を我に与え給え!」


 女神武器の特殊能力を発動させた紫音は、両腕を伸ばして両手で握ったムラクモブレードを前に突き出すように構えて、刀を地面に水平にすると刀身に大量のオーラを込めてハイパーオーラバスターの準備に入る。


 すると、前回と同じようにGMファミリアがプラットフォームから分離して、ムラクモブレードの切っ先2メートル先に輪になって展開した。


「ハイパーオーラバスター!!」


 オーラを溜め終わった紫音は、そのGMファミリアの輪に目掛けて、ハイパーオーラバスターを放つとその輪を通過したハイパーオーラバスターは更に威力を増して、太いオーラのビームとなって射線上にいるリザードを消滅させながら300メートルほど伸びていく。


 紫音はいつものようにハイパーオーラバスターを右側にスライドさせていき、射線状にいるリザードを消滅させながら、自分を中心に最初に放った位置から右に100度ほどスライドさせるとそこでハイパーオーラバスターを終了させる。


(よし、今回は体から力が抜けるような事はないね。でも、かなりオーラを消耗したから、一旦後方に下がって回復しよう)


 ハイパーオーラバスターで、リザードを50体以上一気に消し飛ばした紫音は消耗したオーラを回復させるべく、一度アリシア達がいる後方に下がることにした。


「な… なにィ!? いつもは調子に乗って、130度から160度までスライドさせ、オーラ切れを起こして動けなくなる紫音ちゃんが、途中で止めただとォー!」


 その様子を見ていたアキは、大袈裟な感じでまるで解説風に驚愕の声を上げる。


「そんな、あのダメダメ先輩が、やらかさないなんてェー!!

 …まあ、流石のシオン先輩でも学習はするみたいね…」


 ソフィーもアキに乗せられて、解説風驚きセリフを言ったが、恥ずかしくなってしまったのか後半は素に戻ってしまう。


(そろそろ敵の頭数を減らして、数の優位を得たほうが良いかもしれないな…)


 その紫音のハイパーオーラバスターを戦いながら見たユーウェインは、対ヒュドラ、四天王、そして王との戦いに女神武器の特殊能力を温存していたが、ある程度数を減らして戦況を優位にする事を選択する。


「エドガー! 女神武器の特殊能力で、数を減らしてくれ!」

「了解!」


 エドガーはユーウェインの指示を受けるとケーリュケウスに魔力を込めて、特殊能力を発動させるとリザード達の足元の水の中に巨大な魔法陣が現れる。


「フリーズ!」


 彼がそう唱えるとその魔法陣から極大の氷柱が現れ、リザード達を氷漬けにしながら天に向かって伸びていき、天高くまで伸びきると飲み込んだリザード達と共に砕け散る。


「キラキラ光って、綺麗です」


 砕け散った氷は太陽光を反射してキラキラと輝いて美しく、アリシアはそう感想を口にしたがそれは遠くから見ているからで、近くで戦っている者達にはそのような感想を持つ余裕はない。


 だが、エドガーの広域フリーズによって、氷の床の面積は更に広がり、その上リザードの数も減ったので、人間達はまた一歩本拠点に迫ることが出来た。



「シオン先輩。今回はちゃんと自分の足で帰ってきたじゃない」


 ソフィーはオーラ回復のために後方に戻ってきた紫音に、最近アフラに担がれて後方に帰って来ていた彼女に少し意地悪な感じでそう話しかける。


 すると、紫音はオーラ回復薬を飲みながら、落ち着いた声でこう答えた。


「人は成長するんだよ、ソフィーちゃん。お姉さんも日々成長しているんだよ」


(オマエが言うな!!)


 アキはそう思いソフィーもそう突っ込むだろうと彼女を見ると、ソフィーは頬を赤くしてそれを紫音に見られないように顔を逸している。


 何故なら、今の紫音はまだ【無念無想】状態なので、心が落ち着き冷静でいるために凛とした表情をしていた。


 その彼女がいつものような


「酷いよ! ソフィーちゃん!! 確かに、最近はそうだったけど、そんな事を言わなくてもいいじゃない! ソフィーちゃんの意地悪! ソフィーちゃんのひんぬー!」


 と、駄目なお姉さんで返さずに、上記のことを余裕のある年上お姉さんの優しい笑みを浮かべながら答えたため、ソフィーはそんな紫音が一瞬クリスと重なってしまいドキドキしてしまった。


(なっ、何よ! ダメダメなシオン先輩の癖に… お姉さまみたいにカッコいいなんて…)


 ソフィーはそんな事を思いながら、紫音から顔を逸したままモジモジしている。


 そんなカッコカワイイ紫音を見て、アリシアは目をハートマークにし、ミリアは憧れの眼差しを向けている。


(な… なにィ!? あの紫音ちゃんが、ラノベ主人公みたいに複数の美少女から、好意の眼差しで見られているだとォー!?)


 そして、その光景を見たアキは、ブレずに心の中でそう突っ込んでいた。


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