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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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284話 出発!





 前回のあらすじ?


「前回のクロエちゃんの『3匹の子豚』は、中々ユニークなお話だったね。私は同じ創作家として、クロエちゃんの創ったお話は興味を惹かれたよ」


「そうかなぁ? 私は元のお話の方が好きだけど…」

「まあ、人それぞれの感性だからね」


 アキの意見に紫音はそう答えるが、その物語が面白いかどうかはアキの言う通り、好みの問題である。


「因みに紫音ちゃんなら、どんな『3匹の子豚』のお話を創る?」


「えっ!? うーん… 私なら最後はオオカミも一緒に仲良くがいいかな~」

「シオンさんらしいですね」


 紫音のハッピーエンド案に、同じくハッピーエンドが好きな温和なエレナとミリアが共感する。


「まあ皆仲良くという緩いラストが、ほのぼの好きのシオンさんらしいッスね」

「紫音ちゃんらしい、面白くも何とも無い答えだったね」


 だが、リズとアキには不評なようで、彼女達からはダメ出しを受けてしまう。


「じゃあ、アキちゃんならどんなお話にするの?」


 紫音は自分の和やかエンドを否定したアキに対して、逆に自分ならどういう話にするのかを安易に尋ねてしまう。


 もちろんアキの改変された『3匹の子豚』はこれである。


「そうだね… 私なら… 


 狼(♂)が甘い吐息を「フ~」と一番上の豚(♂)の耳に吹きかけると、豚(♂)の服はみるみる脱げてしまう。


 狼(♂)「さて、これでオマエを食べる為に邪魔なモノは無くなったな。オマエの身体をたっぷりと味あわせて貰おうか」


 一番上の豚(♂)「やっ、やめろ。この狼め…」

 狼(♂)「口では嫌がっていても、オマエの―  


「紫音パーーンチ!!」

「あぐぅ!?」


 ミリア達良い子にアキのBL3匹の豚を聞かせないために、紫音は彼女の肩に鉄拳をお見舞いして強制終了させる。


「ミリアちゃん達がいるのに、それ以上は言わせないんだからね!」

「紫音ちゃん。回を重ねるごとに、威力が上がってきているね…」


 紫音はアキに聞けば腐った話になる事を予想できたのに、その自分の失念を棚に上げて、親友を鉄拳制裁する。


 アキの話が何だったのかミリア達が疑問に思う前に、機転を利かしたエレナはミリアに『3匹の子豚』改変の質問をしてみた。


「ミリアちゃんなら、どんなお話にしますか?」


 ミリアは大勢の前で答えを言うのが恥ずかしいので、紙に書いた自分の答えを恥ずかしそうに皆に見せる。


【ブタさんのお家が、お菓子で出来ている】


 ミリアの出した彼女らしいメルヘンな答えに、「相変わらず、ミリアちゃんは可愛いな~」と皆がほっこりしているとリズがジト目でこう突っ込む。


「ミリアちゃん。フリップの出し方とその答えがあざとすぎッス」

「そんな…」


 ミリアは別に狙った答えではないのに、親友から厳しい言葉を言われて、思わず涙目になってしまう。


 涙目のミリアを


「さっきの答え、ミリアちゃんらしい優しい答えでお姉さんは好きだよ!」


 と、紫音が慰めているのを後目に、復活したアキがリズにどう改変するか聞いてみる。


「では、リズちゃん! こんな『3匹の子豚』は嫌だ、どんな『3匹の子豚』?」

「大喜利みたいになっているじゃない!」


 ソフィーのツッコミが決まった所で、リズは満を持して答えの書かれたフリップを皆に見せる。


【兄弟の3つの家が、変形合体する!】


 そして、答えの書かれたフリップを出した後に、目を輝かせて補足説明するリズ。


「しかも、組み合わせで3タイプに変形合体するッス!!」


「ゲッ○ー○ボじゃない!!」


 ソフィーの素早いツッコミが入った所で、アキは続けて次の回答者を選ぶ。


「はい、ノエミちゃん! こんな『3匹の子豚』は嫌だ、どんな『3匹の子豚』?」


 アキに選ばれたノエミは、無言のまま伏せていたフリップを持ち上げ見せてくる。

 そこに書かれていた答えは―


【豚をぶった】


「大喜利じゃなくて、駄洒落じゃない!!」


 大喜利の答えでなくダジャレが書かれていた為に、ソフィーが間髪入れずにツッコミを入る。


 だが、それを見計らっていたノエミは、ツッコミが終わった後にさっとフリップを裏返す。すると、そこには答えの続きが書かれていた。


【翌朝まで…】


「どれだけ叩くのよ! 可愛そうだから、やめてあげなさいよ!」


 ソフィーはそう突っ込むと同時に、ノエミのその答えに彼女の心の闇を見たような気がした。


「では最後、アフラちゃん! こんな『3匹の子豚』は嫌だ、どんな『3匹の子豚』?」


「私のこたえはねー コレだよー」


 アキに呼ばれたアフラは、元気いっぱいにフリップを見せてくる。


【ぶたまんは、おいしいよ! (>(●●)<) 】


「ただの感想じゃない! この能天気腹ペコ娘!!」


 先程まで大喜利を否定していた筈のソフィーではあったが、最後の答えに只の感想を出してきたアフラに怒りを覚えて、彼女の体を揺さぶりながら突っ込む。


「おまけに、その感想の横に書かれた豚の顔文字がイラッとするのよ!!」

「うわぁ~ やめてよ、ソフィーちゃん~」


 そして、ソフィーはそのような理不尽な怒りをアフラにぶつけて、いつもより体を激しく揺さぶってしまうのであった。


 おしまい



 ######



 それぞれが夜を過ごした翌日―


 早朝から獣人本拠点攻略の為にフラム要塞に集まった冒険者達は、馬車に乗って次々と出発する。


 目的地到着は何事もなければ昼頃となっており、そこから陣営を設営し昼食を食べて、少し休憩してから攻略戦となる予定だ。


 その道中、馬車の中で紫音は既に少しうんざりしていた。


 それというのも、馬車に自分と紫音の二人だけなのをいいことに、王妹様がやけに距離を詰めて座ってきて


「シオン様… わたくし不安です…」

「不安なのは解るけど、あまりくっつかないでよ…」


 くっつこうとしてくるからであり、その度に馬車を御者台で操縦するレイチェルから


「シオン君、何が起きているんだい!? キャッキャウフフかい? キャッキャウフフかい!!?」


 と、問い質してくるからであり


「そういう事にはなっていませんから、運転に集中してください」

「そうです! レイチェルは運転に集中しなさい」


 その都度、紫音は外で操縦しているレイチェルに返事をするのを、続けていたからである。

 あと、誰のせいでこうなっているんだと思っていた。


 その頃オーガ本拠点では―


「ZZZZZ」

「紫音、その黒猫耳としっぽも可愛いわ~ ZZZ」


 昨日の夜の出来事が祟って、ぐっすりお休みしていた。




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