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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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274話 オーガ追撃戦終了





 前回のあらすじ


 撤退するオーガ四天王の一体ホシグマに追いつて、その右足を斬り落として動きを封じた主人公の紫音!


 そこから、無双すると思いきや戦術的撤退をおこない、疲れた紫音はあっさりと後続の追撃部隊にホシグマ撃破を任せるのであった。



 #####


 ユーウェインとスギハラが、手負いのホシグマに接近するとその後ろから、リーベがホシグマの援護と少しでも人間達の追撃部隊の戦力を削るためにオーガを10体差し向けてくる。


「まあ、そうするよな」

「俺達が四天王をやるから、他の者は残りのオーガを相手してくれ!」


 部下達に残りのオーガとの戦闘を指示したユーウェインは、スギハラと共にホシグマとの間合いを少しずつ詰めていく。


「オーーーー!」


 命令を受けた残りの追撃部隊は、命令を受けた一斉に声を上げると武器を手にオーガに向かう。


「私もあのオーガと戦いに行くから、シオン先輩も休息が終わったら、援軍に来てよね!」


 紫音にそう言ったソフィーは、武器を鞘から抜くとオーガに向かって走り出す。


「女神の祝福を我に与え給え!」


 ユーウェインとスギハラは女神武器の特殊能力を発動させ、二手に分かれてホシグマを挟み込むように移動すると、ユーウェインがホシグマの間合いの中に半歩だけ入るが、ホシグマは攻撃を仕掛けてこない。


 間合いに半歩だけしか侵入していない敵に攻撃しても、回避される可能性が高く攻撃した隙をもう一人の敵に突かれると思考したのか、ホシグマはユーウェインの誘いに乗ってこない。


(流石は四天王、迂闊な攻撃はしてこないな… ならば!!)


 ユーウェインはオーラを足に溜めてから、更にもう半歩前に進みホシグマの間合いに入ると、ホシグマは手に持った両手剣を素早く彼に向けて振り下ろす。


 その振り下ろされた攻撃を、ユーウェインは足に溜めたオーラで、オーラステップを行い後方に素早く回避するが、空を切った両手剣は力強く叩きつけた地面を砕くと、それによって弾けた無数の石礫がユーウェインを襲う。


「くっ!」


 彼は左手に持った盾で胴体と頭を守るが、石礫は盾で防御できない足を襲い、防具で守られていない隙間にいくらかのダメージを与える。


 だが、その間に背後に回り込んだスギハラが、残った左足を切り落とすために向かって突進するが、ホシグマはすぐさま体を捻ると剣での攻撃が間に合わないと判断して、左拳の裏拳で迎撃をおこなう。


 スギハラは急停止すると、縮地法による急加速でバックジャンブして、ギリギリで裏拳の攻撃範囲から逃れると、今度はユーウェインが右側から攻撃を加えた。


 だが、ホシグマはその攻撃にも反応して、地面に振り下ろしたままの両手剣を右腕だけで、少しだけ持ち上げると右側に向かって横薙ぎにする。


 しかし、女神武器の特所能力で身体強化されスピードが上がったユーウェインの魔法剣が、先にホシグマの右肘の上の部分を捉えた。


「遅いな! 魔法剣スパーク!!」


 ユーウェインのグラムリディルから繰り出された斬撃は、ホシグマの鋼のような太い筋肉で覆われた上腕を半分ほどしか切り裂けない。


 だが、残り半分は雷属性最高位魔法『スパーク』の強力な稲妻が発するエネルギーと熱が吹き飛ばし、ホシグマの右腕は上腕部から両手剣を持ったまま明後日の方向に吹き飛んだ。


 右足を失って機動力を著しく失い、更に武器ごと右腕を失ったホシグマには、もはや女神武器の特殊能力で戦闘能力強化されたS級冒険者の二人を相手にはならず、その後の息の合った二人の猛攻に為す術もなく10分とかからずに、断末魔を上げて魔石へと姿を変えた。


 二人は特殊能力発動による身体への反動を抑える為に、能力を解除すると武器を持っていない左手で勝利を喜ぶハイタッチをする。


 そして、二人はそのまま残ったオーガを討伐する為に、味方の援護に向かい程なくして、追撃部隊は残っていたオーガを全て撃破した。


 ユーウェインは部下達に休息命令を出すと、自らも薬品を飲んで消耗を回復させ、ある程度休息を済ませると、オーガの足止め部隊と戦うために途中で残った者達と合流するために進軍して来た道を戻る。


 暫く歩いていると前方から残っていた者達が、全て合流した形で歩いてくるのが見え、その中にはこちらに手を振るアフラやアキの姿が見えた。


「全員無事か?」


 開口一番ユーウェインが、追撃部隊全員の安否確認をする。


「はい。負傷した者はその場で治療させていますが全員無事です」


 すると、タイロンがこのように答え、それを聞いた彼は安堵の表情を浮かべこう続けた。


「それは良かった。では、諸君! 負傷者と合流しつつ、胸を張って凱旋しようではないか!」


 ユーウェインがそう鼓舞すると、追撃戦で疲れ切っていた者達は再び気合を入れて、「オーーーー」という声を合わせた勝鬨で答える。


「オマエら! 帰るまでがピクニックだからな!」


 スギハラがそう言って、場を和ませると一同は要塞に向けて帰還を再開させた。

 要塞への帰路の途中、アキが紫音に近づいてきて「紫音ちゃん。活躍できたかい?」と尋ねてくる。


「追いついて、四天王一体の足は止めたよ」


 紫音がそのように少し得意げに答えると、アキはこう聞き返してきた。


「倒してはないの?」

「うん、力が続かなくて…。 でも、ユーウェインとスギハラさんが倒してくれたよ」


 紫音が四天王を倒してないと知ったアキは、呆れた後に少し怒った感じで目の前のポニーに説教を始める。


「何やっているの! 紫音ちゃんが倒さないと駄目でしょう! これは、新しい武器入手からの強敵撃破で知名度と名声大幅アップイベントだったんだよ!」


「何そのイベント!?」


「このイベントによって、紫音ちゃんの力が認められて『新たなる英雄の誕生だ!』『彼女なら、魔王を倒せるかもしれない!』『きゃー、シオンさん素敵! 抱いて!』となるはずだったんだよ!」


 確かにアキの言う通り四天王を倒せていれば、紫音の評価は今以上に上がり、その名は国中に知れ渡っていたかもしれない。


「そんな事言われても…」


 だが、実戦で初めて使う女神武器と無念無想、更に途中のリーベに捕まりかけるアクシデントは紫音の精神力と体力を予想以上に消耗させており、あの時点では四天王戦はかなり厳しかったのは仕方がない。


 だが、アキはそんな紫音に更に説教を続ける。


「どうせ、紫音ちゃんの事だから連戦で精神的に疲れて、後は任せようとでも思ったんでしょう!? この駄目ポニー! 駄目ヒンヌー!」


「頑張ったのに、ヒドイよ!」


 紫音はそう言い返したが、心身ともに疲れている所に、アキに説教されて今回の戦いで無双した主人公らしからぬ半泣きの状態になってしまう。


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