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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第8章 少女新たなる力で無双する(予定)

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272話 オーガの足を止めろ その1



 前回のあらすじ


「ここは私に任せて先を行け!」


 という、自分が残って味方を先に行かせるという熱い展開をしたアキ達であったが、蓋を開ければこれ以上走りたくなかったという最低な理由からであった。


「もう走りたくないッス」

「私は頭脳担当だから! 体力担当は相棒の紫音ちゃんだから!」


 その体力担当の紫音は、雑魚の足止め部隊は無視して、攻撃を潜り抜けながら四天王を追撃していた。


 #####


 アキ達に足止め部隊を任せたユーウェイン達が、オーガ本隊を追撃していると目の前に新たな足止め部隊であるオーガ数体の姿が見えてくる。


「やはり、また少数だけだな…。アキ君の読みが当たったようだな」


 足止め部隊を見たユーウェインの意見に、リディアが自分の意見を進言した。


「なら、アキさんの時と同じ用に、少数だけ残して先を進むべきです。私が部隊を率いて残ります」


 リディアが残ることを申し出たのは、先程残してきた妹のことが心配で、救援が来たらすぐに助けに行ける場所で戦いたかったからである。


 その妹が走りたくないために残ったと走らずに…

 ユーウェインもその事を察して、彼女にこの場を任せることにした。


 こうして、追撃部隊はここからオーガの足止め部隊が現れる度に、四騎将と部隊を残して追撃を続けることになる。


 その頃、紫音はようやくオーガ本隊を視界に捉えるところまで追いついていた。


(どうしよう…。女神武器の特殊能力を発動させるべきかな…)


 敵本隊には、まだオーガが50体ほどいて、更に四天王2体にリーベとエマもいる。

 おそらく特殊能力を発動させずに、このまま突っ込めば返り討ちにあう確率は高い。


 だが、発動させてオーラが尽きれば、今度こそリーベに魔王城にお持ち帰りされて、シオニャーにされてしまうであろう。


 ソフィーが追いかけてきているのは、無念無想のオーラの流れを感じる力で、気づいているが、彼女の腕力ではアフラと違い力尽きた紫音を担いで戦線離脱することはできない。


 マオはステルスマントで気配とその他を遮断しているので、付いて来ているかは解らず、そうなると迂闊に使っていいのか判断に悩む。


(でも、このまま使わないと突っ込めないし、そうすると追ってきた意味がないし……)


 紫音はオーガに近づきながら、悩みに悩んでいるとあるアキの言葉を脳裏に思い起こす。


 ##


 それは、紫音がまだ元の世界にいたJC時代のことである―

 紫音が剣術の練習を終えて、アキの部屋に遊びに行くと彼女はこれからパソコンでゲームを始めようとしていた。


「アキちゃん、そのゲームはまた半裸のイケメン達が出てくるゲームなの?」


 紫音は自分が遊びに来たのに、ゲームをしようとしているアキに嫌味っぽくそう言う。


 とはいえ、遊ぶ約束をしていた訳ではないので、そういう事が言える立場ではなかったが、それに対してアキは特に気にする事もなくこう返してくる。


「フフフ…。今回はね、今流行のハンティングゲーム『モンハンG3』をするんだよ」

「そのゲームなら、私も聞いたことがあるよ!」


『モンハンG3』とは『モンスターハントG3』の略で、ゲームに疎い紫音でも知っているほど有名で社会現象にもなったモンスターを狩るゲームの3作目である。


 紫音はアキがそのゲームをプレイするのを、彼女の後ろから見ているだけだが、アキが話し掛けてきてくれるので充分楽しかった。


 だが、紫音はアキがプレイしているゲームに、違和感を覚え始める。


 何故なら、画面には鎧を身に纏ってはいるが何故か兜は装着していないイケメンと、同じような装備を着用したイケメンとが戦っているからだ。


 そして、アキは先程から執拗に相手の足を狙って攻撃をしている。


「どうして、さっきから足ばかり攻撃しているの?」


 紫音が疑問をアキに尋ねると、彼女はこう答える。


「それはね、相手の足を狙うことによって、機動力と回避力を奪い、更には逃亡させないためだよ。そうすれば、後はゆっくりと狩ることができるし、自分がやられそうになったら、離れても敵の追撃に余裕を持って対応できて、回復もできるからね」


 そして、アキはその言葉通りに、対戦相手の足の耐久値を減らして、動きを鈍くさせると一気に激しい攻撃を繰り出していく。


 その様子を見ながら、紫音はもう一つ疑問を感じている。


 それは確かCMでは、モンスターと戦っていた記憶があったからで、それを思い出しつつ紫音は不思議に思いながら画面を見ている。すると、アキの猛攻撃によって、対戦相手は鎧が壊れて肌を顕にしていく。


(アレ? 何かおかしくない? 何か対戦相手が、半裸になっていっているような…)


 ゲームに疎い紫音が、ようやくこのゲームがおかしいと気付き始めた時、画面に”WIN”という文字が現れて、イケメン達の激しい絡みシーンが映し出される。


「はわわわわ!?」


 そのシーンを見た耐性のない紫音は顔を真っ赤にさせて、画面から顔を逸らせる。


 紫音のその反応を見たアキは、慌てた感じでこの様などこかで聞いた様な突っ込み方を画面に向かって行う。


「おまっ、おまえこれ、『モンスターハントG3』やなくて、BL同人ゲームの『悶々としたイケメン達がハントしあって、そういう事をするGAME3』、略して『悶ハンG3』やないか!」


 もちろん確信犯であり、先程の嫌味への仕返しも少しはあるが、アキは紫音のこの可愛い反応を見るのが好きであり、これで親友がこちらの世界に入ってきてくれると嬉しいと思っていた。


 因みに『悶ハンG3』が、リーベこと黒沢真悠子やその先輩である伊川詩織の同人サークル“くなーべん・り~べ”制作であることは言うまでもない。


 そのゲーム内容はイケメン同士の剣戟アクションで、買っても負けても攻め×受けが変わるだけの“そういうシーン”が見られるという親切システムである。


 初期の作品なので3Dモデルは粗いが、絡みシーンは安心の真悠子クオリティCG画である。


「アキちゃんの馬鹿~!! わざと間違えたくせに~!!」


 紫音は赤面した顔を逸したままで、そう言いながらアキの肩をバシバシ叩く。


「痛いっ! 痛いっ! ギブ! ギブ!」


 アキは剣術で鍛えられた紫音の腕から繰り出される攻撃に、思った以上のダメージを肩に反撃として受ける事になる。自業自得である。


 #


(余計なところまで思い出しちゃった!!)


 紫音は、あの時の絡みシーンの映像を思い出し一人顔を真っ赤にするが、すぐに頭を横に振って余計なことを忘れると大事な言葉だけ口にする。


『相手の足を狙うことによって、機動力と回避力を奪い、更には逃亡させない』


 紫音はこの言葉を元に作戦を立てる。


 といっても単純な作戦で、女神武器の特殊能力を使用して身体を強化し高速で敵の本隊に突進して、オーガ四天王の足を動けなくなるほどのダメージを与えてから即退却する。


 そして、”後は追撃してくるであろうユーウェイン達に任せる”という”積極的に見えて、実は肝心なところは他人任せ”な作戦であった。




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