269話 オーガ軍撤退戦 その弐
前回のあらすじ?
『究極のBL漫画』対『至高のBL漫画』がついに始まった。
「それでは、究極側から発表してください」
進行役の指示により、究極のBL漫画担当のアキ岡アキ郎が今回の勝負で選んだ作品が、審査員達の前に運ばれてくる。
「私は今が旬の大人気作品から、兄弟弟子である『義×炭』の本を用意しました」
「ほう、『義×炭』か。確かに、今や日本では知らない者は少ない作品だ。これなら期待が持てるわね」
カリナ部長が表紙を見て、大人気作品に勝ちを確信する。
「兄弟子でもあり、恩人でもある義○と信頼を寄せる炭○○の関係性に、とても心がキュンキュンしますね」
アキ岡の作品を読んだ同僚のエレ田エレ子が、目を輝かせてそう感想を述べた。
「不愛想ながらも弟弟子へのさり気ない優しさが素敵です」
「これはいい義炭だわ」
「これは、究極側の勝ちですね」
続いて、審査員の『貴腐人』達が、次々と感想を述べて絶賛する。
その感想を聞いたアキ岡と究極側は勝利を確信するが、対戦相手であるリベ原リベ山は不敵な笑みを浮かべていた。
次回『ヤオイしんぼ 究極 対 至高 BL漫画対決(後編)』に続く
#####
紫音とアキが結果的に百合百合してしまっていた頃―
アイアンゴーレムに向かって走るアフラに、スピードで勝るソフィーが追いつく。
「アフラ! 勝手に一人で行くんじゃないわよ!」
「でも、あの黒いゴーレムは、私が倒さないと!」
「敵はゴーレム以外にもいるんだから、足並みを揃えなさいよ!」
「う~ん。でも、私の勘が早く倒して、後を追えと言っているんだよね~」
アフラの鋭い勘が、魔王の捨て奸作戦を無意識に感じ取って、急いで追えと彼女に訴えてくる。
「敵の後衛が撤退を開始したみたいだけど、だからといって、単独で突っ込むのは危険よ!」
焦るアフラを何とか説得して制止するソフィー。
ゴーレムとオーガ数体を相手にするのは、とても危険であるためにソフィーの意見にも一理ある。
「アフラ! オマエはゴーレムを倒せ! ソフィーとノエミはアフラのフォロー! 後はオーガを叩く!」
そうこうしている間にクランメンバーが追いついてきて、スギハラの号令のもと戦闘が開始された。
「よーし、いっくよー!!」
アフラは満を持して、アイアンゴーレムに突進していくと、その横を彼女より速い速度で、紫音が追い抜いていく。
「にゃ!?」
「シオン先輩!?」
突然後ろから走り抜けた紫音に、アフラとソフィーは驚くが当の彼女は振り向きもせず、アイアンゴーレムに向かって走っていく。
紫音が接近するとアイアンゴーレムは、彼女目掛けて拳を振り下ろしてくるが、紫音は冷静にオーラステップで急加速して、振り下ろされる前に通り抜け拳は後方の地面に振り下ろされる。
「はあっ!」
紫音は走りながらオーラの大太刀を作り出すと、アイアンゴーレムの右足の横を抜ける時に、右足を切り落として走り抜けていく。
右足を切断されたアイアンゴーレムは、その場で右膝をついてその場から移動できない状態になる。
紫音が走り抜けたのを見たクリスは、一瞬で彼女が撤退するオーガ軍本体を追いかけている事に気付き、すぐさまソフィーに指示を出す。
「ソフィー! 今すぐ紫音を追いかけて、フォローして!」
彼女に指示を出したのは、紫音に追いつけるのがソフィーだけなので彼女に任せるしか無かった。
「わかりました、お姉さま! アフラ、無理するんじゃないわよ! ノエミ、後は頼んだわよ!」
「心配ないよ!」
アフラはそう言いながら、ソフィーに向けて拳を突き出し、ノエミは無言のまま頷く。
クリスの指示を受けたソフィーは、二人に声を掛けてその返答を受けてから紫音の後を全速力で追いかける。
「さあ、行くよ~!」
アフラは気合を入れ直すとアイアンゴーレムに突撃した。
「ミトゥトレット・インパクト!!」
アイアンゴーレムは接近するアフラに右拳を振り下ろすと、アフラはその右拳に特殊能力が発動したミトゥトレットで迎撃し二つの拳は激しく激突して爆発する。
「はにゃ~!」
今やお約束となった激突時の爆発による爆風で、地面を転がるアフラ。
だが、アイアンゴーレムはミトゥトレット・インパクトの威力で、右腕は肩を残して消し飛んで、その衝撃で体を後ろに仰け反らせているために追撃出来ないでいる。
「オーラアロー… 連射…」
ノエミはオーラアローで、アイアンゴーレムの目に狙いを定めて連続で矢を放ち、地面を転がるアフラが体勢を立て直す為の援護をおこなう。
地面を転がっていたアフラは、そのまま身体のバネを生かして起き上がると再びアイアンゴーレムに向かって走り出す。
「ミトゥトレット~ インパクト!!」
そして、アイアンゴーレムが残った左手をアフラに振り下ろすと彼女は再びミトゥトレットで迎撃し二つの拳は又もや激しく激突し再度爆発する。
「はにゃにゃ~」
そして、脳筋お気楽少女はもう一度地面を回転した。
「にゃあ~ 目がまわる~」
二度も地面を回転したアフラは、流石に目を回してしまい復帰が遅れてしまうが、アイアンゴーレムは両腕を失っているため反撃を受けずに済んだ。
「ハイオーラアロー… 連射…」
アフラは念の為に、ハイオーラアローを先程と同じように頭に連射して援護する。
ハイオーラアローにしたのは、両腕を失ったアイアンゴーレムが、どのような攻撃をするかわからず、威力のある連続攻撃で行動を抑え込もうとしたからであった。
ノエミのオーラが無くなった丁度その時、目を回していたアフラは回復して最後のミトゥトレット・インパクトを放つ為に、アイアンゴーレムに三度目の突進を開始する。
アフラは、右足を失ったために片膝立ちしているアイアンゴーレムの左足の太腿を目掛けて跳躍すると、そこを踏み台にもう一度跳躍して胸の辺りまで飛んで最後の一発を叩き込む。
「最後いくよ~! ミトゥトレット・インパクト!!」
最後のミトゥトレット・インパクトを叩き込まれたアイアンゴーレムの胸は、消し飛んで大きな穴が空きそれが致命傷となって黒い煙となって消滅した。
「にゃ~!」
アフラは、ミトゥトレット・インパクトを叩き込んだ時の衝撃による爆風によって、吹き飛ばされ地面に落下する。
「アフラ…!」
爆風で吹き飛ばされて、地面に落下するアフラを見てノエミが慌てて走り出そうとすると後ろから声を掛けられた。
「私に任せろ!」
オーラステップでノエミの横を走り抜けたレイチェルは、間一髪で地面に落下するアフラを受け止める。
「何とか間に合ったな」
「ありがとう、レイチェルさん」
自分を受け止めてくれたレイチェルに、アフラは感謝の言葉を述べる。
そして、前線に来たのはレイチェルだけではなく、ユーウェインの号令を受けた参加者達が次々と前線に駆けつけオーガとの戦闘に入った。




