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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第7章 少女新たなる力を手に入れる

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245話 新しい仲間




「私はシオニャだよ。これから御主人様に、ご奉仕するにゃ!」

「エ…、エレニャです…。ご奉仕しますにゃ」


 シオニャは綺麗な黒髪ポニーテールに黒猫耳のカチューシャ、黒猫尻尾の付いたメイド服で、エレニャは薄い栗毛色の長い髪に栗毛猫耳カチューシャと同色の尻尾が付いたメイド服を着用している。


 シオニャとエレニャは、御主人様の為に掃除に洗濯、食事の準備と毎日大忙し。


 御主人様のアキンド様は、若くして漫画で成功した大金持ち。

 しかし、シオニャは少し不器用なので皿を割ったり、ツボを割ったりドジをしてしまう。


「シオニャ、またドジをしたね! 今日という今日は、お仕置きだよ! もちろん、エレニャも連帯責任でお仕置きだからね!」


 そして、遂にシオニャと巻き添えを受けたエレニャは御主人様アキンドにお仕置きされてしまう!


 果たして、シオニャとエレニャはどうなってしまうのか?


「ここから先は、有料チャンネルだにゃ。気になった方は、メンバーシップよろしくにゃ♪」



「ふざけんな!! ここまで引っ張っておいて、有料チャンネルだとぉ! このラブリーヒンヌー黒猫メイド!」


 スギハラはモニターに向かって、怒りを込めたツッコミをする。そして、


「いくらだ! いくら払えばいいんだ!? いくら払ったら、エレニャのお仕置きシーンが見られるんだ!? 5万までなら出すから!!」


 スギハラは、エレニャのお仕置きシーンを見るためなら、課金を惜しまなかった。

 同時刻、アリシアもモニターの前で、その動画配信を視聴していた。


「わたくしのシオニャ様が、お仕置きされてしまう! そんな可哀想な姿を見ることなんて、わたくしには… わたくしには……!


 それで、いくらですか? いくらお支払いしたら、シオニャ様のお仕置きが見られるんですか?! わたくし10万までならだしますから!!」


 アリシアは欲望には抗えずモニターの前で、そう言いながら課金の方法を探し始める。


「だめだこりゃッス」


  リズが最後にそう言って物語を閉めた。

            (もしもシリーズ 「もしも、こんな猫耳メイドがいたら…」)


 #####


 アキの家に帰ってきた紫音達が、晩ご飯まで居間でゆっくりしていると、マオがやってきて二人に別れを告げに来る。


「それでは、我はこれで失礼するぞ」

「えっ!? マオちゃん、どこかに行ってしまうの? 私達と一緒に戦ってよ」


 紫音はマオを引き止めるが、彼女は首を横に振ってこう答えた。


「我は戦うつもりはない。何故ならそれはお前達の役目だからだ。我は我の役目を果たす故に、お前達はお前達の役目を果たすが良い」


 その彼女の言葉を聞いた紫音は、寂しく思いこのような事を尋ねる。


「そう…。また会えるよね?」

「恐らくな(オマエがピンチになればな…、存外再会は早いかもしれんな…)」


 マオは表情を崩さなかったが、そう考えながら答えたので、その声は少し嬉しそうであり少し困った感じであった。


「マオちゃんのおかげで【無念無想】を会得することができたよ。ありがとうね」

「うむ。これからも気を引き締めて、精進するが良い。では、またな」


 マオはそう言うと、フードマントを靡かせて部屋を出ていった。

 こうして、マオと暫しの別れになったが、彼女の別れの言葉が『またな』であったので、紫音はきっと再開できると思って、寂しさはあまりなかった。


「行っちゃったね、マオちゃん…」


「そうだね……。ところで紫音ちゃん、私も【無念無想】を会得するのに尽力したつもりだけど、私はまだお礼を言われて無いけど?」


「そうだったね、ありがとうね。アキちゃん」


「お礼は言葉じゃなくて、此処から先は言わなくても、わかってるやろ?」


 アキはまた関西弁になって、言葉でなく別の事で親友に見返りを求めると、このような時のために側に置いておいた鞄の中から、メイド服を取り出そうとする。

 すると、紫音は突然アキに抱きついてくる。


「えっ!? えっ!? 紫音ちゃん!? 私は…百合百合展開でお返ししろとは……?!」


 アキは紫音に抱きつかれたのはこれで三度目だが、未だに慣れずに驚いてしまう。

 紫音はソファーに座るアキに抱きつきながら、涙目になってアキにこのような事を訴えかけてくる。


「アキちゃんには感謝しているけど、怒ってもいるんだからね! オーク本拠点攻略の後にもう二度と居なくならないでねって言ったのに、お芝居だったとはいえ敵になって居なくなりそうになるんだもの…。私は凄く辛かったんだから…! でも…、ありがとうね…アキちゃん…」


「ごめんね…紫音ちゃん…」


 アキは親友が涙目を見て、【無念無想】を会得させるためとはいえ、少しやりすぎたかなと思って、謝罪の言葉しか出なかった。二人は暫く密着したまま過ごして、晩御飯の準備をすることにした。


「わたくしのティーカップが!! まさか、シオン様とアキさんの間に何か起きてしまったのでは!? ああ、今度は庭に黒猫が!!」


 アリシアは、百合キャラ特有の超百合察知能力で、紫音とアキが百合百合しているのを察知していた。


「ナー」


 因みにその黒猫はリズの訓練の見学をしているミリアから離れて、庭を散歩しているケットさんであった。翌日、朝食を食べた紫音とアキは、アルトンの街に帰る為に定期馬車に乗ると半日を馬車に揺られて街に帰ってくる。


 アルトンの街に着いた二人がミレーヌの屋敷に戻ってくると、紫音は予期せぬ者の出迎えを受けた。


「シオン様~。おかえりなさいませ~」

「アリシア!? どうしてここに?」


 アリシアはここにいる理由を紫音とアキに説明する。


「というわけでして、シオン様、アキさん、改めてこれからよろしくお願いしますね」

「よろしくね、アリシア」

「アリシア様、よろしくおねがいします」


 三人は、これから力を併せて頑張ろうという意味を込めて、言葉を交わしあう。

 アリシアは笑顔で対応していたが、明らかにアキを警戒していた。



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