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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第7章 少女新たなる力を手に入れる

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233話 聖女様、パニックになる




 紫音とアキが801御殿に向かった翌日、教会ではフィオナに奇跡が起きて珍しく早起きをしていた。


「フフフ~。今日はナタリーに起こされる前に起きましたよ~。寝起きにナタリーの小言を聞かずに済んで、今日はいい日になりそうです♪」


 彼女はウキウキで朝の支度を終えると、このような事を思いつく。


「そうだわ! 今朝は私がナタリーを起こしてあげましょう~」


 フィオナはルンルンでナタリーの部屋の前まで行くと、部屋の扉を叩いて彼女を起こすがナタリーは起きてこない。


(おかしいわ…。ナタリーが起きてこないなんて…。はっ! もしかしたら、何か不測の事態が起きているのかもしれません!)


 フィオナはそう考えて、彼女の部屋のドアを開けて中に入ると、そこには一つのベッドにナタリーともう一人誰かが眠っていた。


「はわゎゎゎゎ、ナタリーが神聖な教会で◯×□△!!??」


 フィオナはパニックになって慌てて部屋から出ると、どうしたらいいのか頼れる親友ミレーヌに栞で連絡して判断を仰ぐ。だが、ミレーヌから帰ってきた答えは、フィオナが期待していたものではなかった。


 <それは朝チュンだな……。上司ならそれぐらい見て見ぬ振りをしてやれ>


「神聖な教会でそんなコトしたのを、見過ごすことなんてできないわ…」


 場所が場所だけに総主教として、フィオナは見過ごすことができないので、何かよい案がないか再度相談する。


 フィオナの返信にミレーヌは、核心を突く事実を突きつける。


(では、男とそんなコトしたことないオマエが、その場に乱入して説教できるのか?)


「そっ…、それは……」

(たしかに無理かもしれない…)


 事後を目撃しただけで、パニックを起こしている彼女はそう考えたが、だからこそミレーヌにいい案がないか相談しているので、もう一度相談することにした。


 ミレーヌは”どうでもいいわ”と思っており、返信の内容も御座なりになる。


 <じゃあ、一緒に寝ていただけってことにしておけ>


「そっ、そんな事できないわ。女神様が見守ってくださっている神聖な教会なのに…」


 その彼女の返信にそれに対してフィオナは、このような<デモデモダッテ>な返信を返す。

 すると、今度は真面目なトーンで、ミレーヌからこう返信が返ってきた。


 <安心しろ、女神様も朝は寝ていて見守ってない>

「ミレーヌ、何を言っているの! 女神様はいつでも見守ってくださっているわ!」


 フィオナは総主教として、ミレーヌの発言を看過できずに、そう強めに返信してしまう。

 すると、ミレーヌからの返信内容は怒りに満ちていた。


 フィオナはせっかく相談に乗ってくれていたのに、強めに返信してしまった事でミレーヌを怒らせてしまったのかと思ったが、内容を聞くとそうではなかった。


 <見守ってねえよ! だったら、どうして昨日の朝ミリアちゃんの猫耳姿を、女神様は私に見させてくれなかたんだ!! いい加減な事言ってんじゃないぞ、このポンコツ総主教!>


 フィオナは”それは、ミレーヌの信心が足りないからよ”と返信しようかと思ったが、この荒れようから、火に油を注ぐ形となって教会までアイアンクローをおこないに来そうだと思い止めておくことにした。


 結局いい方法が見つからないまま、フィオナが部屋の前でアワアワしていると、ナタリーが部屋から出てきて、真相を聞かされることになる。


 長い茶番の間に気付いている読者もおられると思うが、ナタリーのベッドで寝ていたのはノーマで、飲みすぎて酔った彼女をナタリーが家まで送ろうとしたが、ノーマは完全に酔いつぶれてしまう。


 そのため彼女の家の場所がわからないナタリーは、仕方なく教会の自分の部屋に連れてきたのであった。


 その頃、要塞では今度はオーガ本拠点の監視所から急報がもたらされていた。


「今度はオーガの旗が、19本から15本に減ったらしい」


 部下から報告を受けたタイロンが、その内容をユーウェインや仲間に知らせる。


「一体何が起きているのでしょうか?」


 前代未聞の出来事が立て続けに起きたことに、エスリンがこのように不安を言葉にする。


「魔王の罠ということはないでしょうか?」


 リディアがこのように魔王の策と疑うと、それを聞いたエドガーもその線を疑いどのような策か推察して、考えた次のような策を披露してみる。


「確かに本拠点にいた獣人をどこかに伏兵として、どこかに隠しているかもしれませんね。」

「その可能性はあるかもしれないな。偵察兵に命じて周辺を探査させるか」


 ユーウェインは、エドガーの推察した策を聞くと確かにあり得ると思い、念の為に偵察の指示を出す。今回の件は、ユーウェイン自身も真相を測りかねていたが、前向きにこうも考えていた。


「一連の件の真相はわからないが、侵攻が遅くなるのは我々としては、その分だけ消耗した戦力と物資を回復させることができる。この時間を与えてくれたのが女神様か魔王か解らないが、精々有効に活用するとしよう」


 彼は部下達にそう言うと、オーガ侵攻の準備を進める。


 そして、その日の昼頃にケットさんが帰ってきた。


 その頃紫音はアキの屋敷の周辺や裏山を走り込んで、元の世界で住んでいた場所に似ているなと改めて感じて、懐かしさに浸っていたが、オーラの大太刀の修業は進んでいない。

 そして、アキは紫音が修行している間、ご飯を用意したりBL漫画のネームを描いたりしていた。


 次の日、紫音は懐かしい風景に囲まれながら、過去の祖母との修業を思い出していた。


「お婆ちゃんは、剣術に重要な事はなんて言っていたかな…。確か…残心、克己、気剣体一致、あと何だったかな……。そうだ、<無念無想>だ!」


「その意味は?」


 紫音がその言葉を思して口にすると、背後から自然にその言葉の意味を尋ねられる。


「えっ!? 意味? 意味は……、何だったかな…?」


 紫音は祖母が教えてくれたその言葉の意味を、思い出そうとするが思い出せない。

 すると、その声の主が呆れた感じで、言葉の意味を教えてくれる。


「<一切の想念を離れて無心になり、無我の境地に入ること>であろうが…」

「そうそう、そんな感じの意味だよ!」


 紫音がそう言って、振り返るとそこには合法ロリお姉さん疑惑のマオが立っていた。

 マオは紫音の顔を見ると、察してこう尋ねてくる。


「その様子では、修業は上手くいってないようだな?」

「うん、そうなんだ…」


 紫音は素直に修業が上手くいってない現状を答えた。


「では、あの山に籠もって修業してみてはどうだ? 昔の剣豪や剣術家はそうしていたのであろう?」


 マオは裏山を指差しながら、昔の剣豪に習って紫音に山籠りの提案をする。


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