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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第4章 冒険者の少女、新しい力で奮戦する

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124話 双刀少女頑張る・・・





 前回のあらすじ


 ツンデレ双剣士が女神武器ミトゥデルードの特殊能力を発動して、巨体のトロールをどこかの兵長みたいに斬り刻んで駆逐する。

 そして、ユーウェインが四天王相手にピンチになっていた。


 アコンカグアが震脚で体勢を崩した足元のユーウェインを、右足で蹴り飛ばそうとした瞬間、体を支えている左脚の脹ら脛の下辺りに激痛が走り、その瞬間から地面を踏んでいる感触がなくなる。


「やらせない!」


 それは、本日2度目の女神武器の特殊能力を発動させ強化された紫音が、残像を残すほどの超高速で死角の左脚の後ろから接近して、そのまま左脚に斬撃を加えて切断したものだった。


「グッ!?」


 アコンカグアは、右脚で蹴りを入れるために体を支えていた左脚が無くなったため、重心のかかっていた左側に倒れることになったが、何とか左手を地面について転倒することを回避する。


 手をついたとはいえ巨体のアコンカグアが倒れ込んだので、またもや地面が揺れたがユーウェインは震脚の経験から、そして紫音はそれを遠くから見ていたので、二人はジャンプして地面の揺れから逃れた。


「そんな所に、無防備に手をついて!!」


 丁度揺れが収まった頃に着地した紫音は、さらにその地面をついている左手に高速で接近して、その左手も切断する。

 体を支えていた左手を切断されたアコンカグアは、自身に何が起こっているかも理解できないまま今度こそ完全に地面に倒れ込んだ。


 紫音とユーウェインは地面に近づいて、攻撃しやすくなった頭にチャンスとばかりに攻撃を行なう。


「はあぁぁぁぁ! 双刀連斬!!」


 紫音は両手に持った女神武器にオーラを溜め直すと、アコンカグアの頭部に二刀によるコンビネーションの連続斬撃を入れる。


「グオォ!!」


 紫音は武器に溜めたオーラが無くなると、一度アコンカグアの頭部から離れる。

 すると、続けてユーウェインが魔法剣を叩き込む。


「魔法剣メイルストローム!!」

「グワァァァ!!」


 頭部に渦を巻いた大きな水柱によるダメージを受けたアコンカグアは唸り声を上げる。

 そこに更にエスリンのゴッデスレイが追い打ちで炸裂する。


 アコンカグアは残った右手を地面について、体を起こそうとする。


「遠慮はしない! ここで押し切らないと、こっちが負けるから!」


 だが、その右手を紫音がオーラを宿した刀で斬って、右手も切断するという主人公らしい活躍を行う。


 紫音がこれ程アコンカグアの体を切断できるのは、特殊能力で強化されていることもあるが、ユーウェイン達が時間をかけて必死に耐久値を削ったお陰でもあった。


 ついに立つこともできなくなったアコンカグアは、紫音達の集中攻撃をなすがままに受ける。


「魔法剣メイルストローム!!」

「飛翔剣! 地伏突! 双刀連斬!」


 アコンカグアにユーウェインは魔法剣を、紫音は二刀流による連続攻撃を遠慮なしに繰り出す。


 そこに、アキのゴーレム達までやってきて蹴ったり殴ったりする、その光景はもうとても主人公側の攻撃とは思えないものであった。


「悲しいけどコレ戦争なのよね!!」


 アキはそう言いながら、ゴーレムにアコンカグアをタコ殴りにする命令を与える。


「アコンカグアよ、こんな戦い方になったがこれも人類の未来のためだ……。魔法剣メイルストローム!!」


 ユーウェインは最後の魔法剣をアコンカグアに頭部に叩き込んだ。


「グオォォォォォォォ!!」


 魔法剣を受けたアコンカグアは、断末魔を上げて魔石へと姿を変えた。

 アコンカグアが魔石となって消滅すると同時に、紫音とユーウェインの特殊能力が切れる。


「ゴフッ」


 ユーウェインはまたも体への負担から吐血する。


「まだ、負荷に体が慣れないのか……。シオン君、君は大丈夫……」

「ゴホッ」


 そう言いながら彼が紫音の方を見ると、オーラを使いすぎて立っていられなくなった紫音は、四つん這いになっており吐血してそのまま倒れた。


「シオン君!!」


 流石に二回も特殊能力を発動させた為に、女神の加護で強化された紫音の体も負荷に耐えきれずに吐血し、そのままオーラを使い切って気を失ってしまう。


 オーラを使い切っていなくても、おそらく紫音のメンタルでは血を吐いた時点で、ショックで気を失っていたに違いないが……


 ユーウェインの指示により、気を失った紫音はアフラに運ばれ後方の回復役の所まで運ばれてきた。


「エレナさん、シオンさんを運んできたよ」

「シオンさん、大丈夫ですか!?」


 ああ、また気を失って運ばれてきてしまった……と、エレナは思いながらと、一応紫音に声掛けをしてみる。


「何、また気を失ったの?」


 前回からすっかりおなじみとなってしまったこの光景に、後方でオーラが回復するまで待機していたソフィーがそう言って近づいてきた。


「血をバーって吐いて倒れちゃったんだって」

「アフラちゃん、そういう事は早く言ってください! 早く回復させないと!」


 エレナはアフラの言葉を聞くと慌てて、紫音に回復魔法を掛ける。


「血を吐いたって、大丈夫なの!?」


「カムラードさんは、特殊能力発動による体への負担だから、深刻になることはないって言ってたよー」


 ソフィーが心配して質問すると、アフラはユーウェインに聞いた説明を二人におこなう。


「もうっ、心配したじゃない!」


 説明を聞いたソフィーは一先ず安心して、今回のツンデレ発言ノルマを果たす。

 天河紫音、要塞防衛戦でまたもや完走できず!




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