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女神のお気に入り少女、異世界で奮闘する。(仮)  作者: 土岡太郎
第4章 冒険者の少女、新しい力で奮戦する

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116話 トロール戦開始






 前回のあらすじ


 トロールとの戦闘前に、突然ツンデレちゃんが紫音にデレてきた。

 何故このタイミングで、まさかこの後どちらかに何かが起こるフラグかと心配する紫音であった。


 #####


(アカン……、アカンでこれは……)


 紫音はそう思い悩んでいると、ソフィーがツンツンな態度でこう言い訳をしてくる。


「別にデレてないわよ! アナタを大勢の前で、本名で呼ぶのは不味いかなと思っただけよ!」


 紫音は天音の子孫だと解ると色々不味いかなと思って、知り合い以外には本名ではなく偽名で過ごしていた。


「偽名のテンカワで呼ぼうと思ったけど、咄嗟の時に本名で呼んじゃいそうだから、アナタが以前言っていた敬称呼びにしただけよ」


 そのためツンデレだが、気の利く子ソフィーは”先輩”呼びにしたのだ。


「なんだ、私にデレてくれたわけじゃないのか……」


 紫音は真相を聞いて少しがっかりしたが、変なフラグが立ったわけでは無かった事に胸を撫で下ろすと先程のソフィーの質問に答える。


「そうだね、取り敢えずア…バンコちゃんに会いに行こうかなと思っているけど」


 先程のアキの所業に対して、紫音は文句を言っておこうと思った。


 なぜならば、あの出来事のおかげで紫音の鎧に貼られている”オ―タム801 新刊発売”のステッカーまで、悪目立ちしてしまっているような気がしたからである。


 そのため紫音達は、城壁の上にいるアキの元に来ていた。


「ア……、バンコちゃん。アレは如何なものかと思うよ?」

「そうでしょうか、私は素晴らしかったと思います」


 紫音のアキへの苦言に、エレナはアキを擁護する。


「だから、流石にタイトルは不味いと思って伏せたよ」

「でも、おかげで私の鎧のステッカーに注目が集まっている気がするよ」


「こんな小さなステッカー誰も見てないと思うよ? 紫音ちゃんは気にしすぎだよ。そんなに気になるなら、剥がしてあげるよ」


 アキは紫音の鎧に貼ってあるステッカーを剥がした。


「えっ!? いいの?」

「宣伝はあの子達がもう十分に果たしているからね」


 アキはこのまま貼り続けて、紫音がその事を気にして、戦闘に支障をきたしては不味いと思ったからである。


 そうこうしている内に遂に城壁から要塞に向かって、進軍してくるトロール軍の姿が遠方に見えた。


 まだ遠方というのに巨体のトロールの行軍は、他の獣人軍よりも音も大きく砂煙も高く上がっている。


「すごいわね……。まるで小さな山が迫ってくるみたいな感じね……」

「ソフィーちゃん、何も恐れることはないよ、私達はその山を2度も制したじゃない!」


 ソフィーはトロールの迫りくるような行軍に感想を述べると、それを聞いた紫音は自信たっぷりの顔でそう言った。


「ただ山に登って、キャンプしただけじゃない!」


 だが、ソフィーにすぐさま突っ込まれてしまう。

 紫音達は城壁を降りて、水堀の前に行くとすでに他の参加者達が集まっていた。


「各員、戦闘配置に着け!」


 ユーウェインの号令の元、各員が堀の縁出口に戦闘配置に着く。

 トロール軍が500メートル先まで到達し、その場で隊列を整え始めるが、彼らは知能が低いため隊列はあまりうまく組めていない。


 だが、その屈強で巨大なトロール達の威圧感は整列していなくても、対峙している人類側に伝わってくる。

 トロール四天王のアコンカグアとエルブルスは、部隊にただ一つの命令をくだす。


「ゼイイン、トツゲキセヨ!」


 トロール軍の作戦は単純明快である。

 その恵まれた体格を活かして突撃しての蹂躙であり、トロール達は指揮官の号令で前進を開始した。


 アキは城壁の上から、トロールが投擲の射程距離に入ってくるのをじっと待っている。


「こういう時、慌てたほうが負けなのよね……」


 アキはトロールを射程まで引きつけると、ゴーレム達に指示を出す。


「第08号ゴーレム小隊、投擲開始!」


 エメトロッドに魔力を込めて、命令を出すと3体のゴーレム達は背中の先の尖った丸太を取り出すと、それをトロール目掛けて投擲する。


 ゴーレムの投げた丸太は弧を描いて宙を飛び、前進するトロールに当たりダメージを与えていく。


 水を染み込ませた丸太は運良くトロールの頭に当たれば、水属性を弱点とするトロールを撃破できて魔石にすることができた。


 トロールは当初丸太に対応できずにいたが、次第に盾で防いだり武器で払ったりし始めるが、飛んでくる丸太の質量の前には盾は貫通し、武器では勿論払うことは出来ずダメージを追ったり、撃破されていく。


「銃身が焼きつくまで撃ち続けるんだ!!!」


 アキは魔法回復薬を飲んでMPを回復させながら、ゴーレム達に指示を出し続ける。

 丸太の投擲をくぐり抜けたトロール達は、今度は水属性魔法と弓矢の雨、城壁からの投石やバリスタの大矢にさらされることになり、さらにダメージを受け撃破されていく。


 その攻撃を耐えて水堀近くまで来たトロールは、今度は前衛部隊のオーラウェイブの攻撃を受ける。


「いけ、オーラウェイブ!」


 紫音は居合の構えから、横一文字にオーラウェイブをトロールに放ち、耐久力の減ったトロールに止めを刺す。


「やった!」


 紫音は大きなトロールを撃破して、ちゃんと倒せる相手だと認識した。

 幸先よく次々とトロールを撃破していく人類側であったが、トロールはまだまだ200体以上存命しており、前進してくる。


 こうして、トロール戦は開始された。




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